21世紀は自由主義と独裁主義とが衝突する最後の世紀にすべきだが、マクロン氏は何を考えているのだろうか。

<トランプ前米大統領は、マクロン仏大統領が最近の中国訪問中に習近平国家主席のご機嫌取りにいそしんだと批判した。

 FOXニュースのインタビューでバイデン大統領の外交政策がロシア、北朝鮮、中国をつけ上がらせ、世界のリーダーだった米国を脇に追いやったとの見方を表明。
「この狂った世界が荒れ果てても米国は全く発言できない。私の友人であるマクロン氏は中国に行ってご機嫌取りにいそしんでいる」と述べた。
 フランスのある上級外交官は12日、トランプ氏の発言は「下劣」だと記者団にコメント。トランプ氏が2017年11月に北京を訪問した際、貿易赤字について「中国を責めない」と発言したことに言及した。
 マクロン氏は最近の訪中に際するインタビューで、「米国のリズムや中国の過剰反応」によって、欧州連合(EU)が台湾を巡る危機に引きずり込まれてはならないとの考えを示した。EUは米国依存を減らし、米中と並ぶ世界の「第3極」になるべきだとも強調した>(以上「REUTERS」より引用)



 REUTERSに「トランプ氏、仏大統領は中国の「ご機嫌取り」と批判」と見出しの記事が掲載された。フランスには歴史的に「他者とは違う」と独自性を主地擁する個性がある。シャルル・ド・ゴール時代もそうだったし、マクロン氏もそのようだ。
 しかし物事には「時と場合」があることを忘れてはならない。平時であれば個性の発揮は何の問題もない。しかし現在は決して平時ではない。欧州でロシアがウクライナへ進撃して戦争が起きているし、中共政府は「台湾を武力統一することも辞さじ」と叫び続けている。

 かつてフランスがヒトラーに蹂躙された当時、誰がフランスを助けたかマクロン氏は学校で教わらなかったのだろうか。ノルマンジー上陸作戦を指揮したのは誰だったか、マクロン氏は歴史で学ばなかったのだろうか。
 現在のフランスがあるのは誰のお蔭なのか、忘れたというのだろうか。もちろん、だから米国に跪けと云うのではない。ただ東西の独裁国家の両巨頭が世界覇権を奪いに来ている非常時に、わざわざ東洋の独裁国家へ出向いて独裁者の機嫌を取るような真似をすべきではない。

 マクロン氏は「「米国のリズムや中国の過剰反応」によって、欧州連合(EU)が台湾を巡る危機に引きずり込まれてはならないとの考えを示した」というが、望むと望まないとに拘わらず世界はロシアの軍事侵攻に「引きずり込まれて」いる。それは食糧不足や原油価格などの高騰という形で世界各国に影響が及んでいる。
 マクロン氏は民主的な手続きによってフランス大統領に選出された。だから彼はフランス国民を代表している。しかし習近平氏は一度も「選挙」という国民の洗礼を受けていない。プーチンだって「形だけの民主的手続き」で選出された形だけの大統領に過ぎない独裁者だ。習近平氏は1兆円を超える私財を有しているし、プーチンに到っては金融資産だけで22兆円を超える財産を溜め込んでいるといわれている。それでもマクロン氏はプーチンや習近平氏と同じ歩調で歩けると思っているのだろうか。

 国家の目的を達成する「効率」を考えるなら、自由主義諸国は独裁専制国家に及ばない。なぜなら民主主義国家にとって、たとえ大統領であろうと国家の意思統一するには手続きが必要だが、独裁専制国家なら独裁者の思い付きですら国家の意志として実現可能だからだ。
 だから戦争を始める危険性は独裁国家の方が民主主義国家よりも遥かに高い。独裁者が英雄妄想に憑りつかれたら「こうなる」という実例を、私たちはウクライナの戦争で見ている。そして習近平氏がたびたび「台湾を軍事統一する」と叫ぶのも、習近平氏の英雄妄想によるものだ。しかし英雄妄想は独裁者の自己満足でしかなく、それはロシア国民にとって割に合わない。なぜなら戦場で死ぬのは独裁者ではなく、国民だからだ。習近平氏も安全な場所に逃げ込んで「国民に台湾へ侵攻しろ」と命じて万余の国民の命を弄ぶだけだ。

 そうしたバカバカしい戦争と呼ぶ大量殺人から、人類は卒業すべきではないか。そのための国連ではなかったか。国連が機能していないとすれば、国連改革は待ったなしではないか。あるいは国連を解体して、新しい国際機関を人類は必要としているのかも知れない。マクロンのように「私は右でもない、左でもない。私は私だ」という馬鹿が今後とも大国の大統領にならないとも限らない。
 現代を生きる私たちは地球上から戦争を無くすことにすべての叡智を傾けることではないか。「陣地取りごっこ」をして楽しむことではない。そして21世紀を独裁専制国家が存在した最後の世紀にしなければならない。それが民主主義の「意匠」を纏っていようが、宗教の「意匠」を纏っていようが、国民の自由と人権が尊重されず多数決原理によって国家が運営されない国家は独裁専制国家でしかない。

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