欧米諸国が対中デカップリングの覚悟を決める時が来た。

<中国国営の新華社通信は20日、習近平(シー・ジンピン)国家主席が訪ロに際してロシアメディアに文章を寄稿したと伝えた。習氏はロシアのウクライナ侵攻を巡り「必ず危機を解決する合理的な道を見つけることができると信じる」と表明し、仲介役に意欲を示した。

 習氏は20日から22日の日程でロシアを訪問する。20日はロシアのプーチン大統領と非公式の食事会に臨み、21日に正式に会談する予定だ。
 焦点となるのが中国の仲介機能の発揮だ。中国はウクライナ侵攻1年となる2月24日に独自の仲裁案を公表した。即時停戦や対話の開始など12項目からなるが、ロシアに有利で具体性に欠けるとの指摘も出ている。習氏の出方に関心が集まっている。
 習氏は寄稿文で仲裁案について「危機の拡大を緩和し政治的解決を推進するために建設的な役割を果たしている」と自賛した。ロシアやウクライナ、北大西洋条約機構(NATO)などの「各当事者が理性的で実務的な対話と協議を堅持」するように呼びかけた。
 米国への対抗意識も鮮明にしている。習氏は「すべての国に通用する国家統治のやり方は存在しない。一国が決める国際秩序も存在しない」と強調した。中ロ関係に関して「互いに自国の国情にあった発展の道を歩むことを断固支持する」と指摘した>(以上「日経新聞」より引用)



 現代世界の稀代の独裁者二人が会談する。その絵に何処に「平和」の匂いがするだろうか。むしろ腐肉を漁るハゲ鷹のイメージしかない。
 日経新聞が「習近平氏「危機解決の道見つける」 訪ロ前、仲介に意欲」と見出しを付けたのは悪いジョークだ、と眉を顰めたのは私だけだろうか。いやプーチンでさえ、習近平氏が提示した停戦12ヶ条を見て「受け容れられない」と拒否していたではないか。しかし一人ぼっちになってしまったプーチンの許に習近平氏が訪れる、と聞いた途端に「良い条件だ」と習近平氏を持ち上げるパフォーマンスを演じて見せた。

 しかし稀代の強欲・独裁者二人が意見の一致をみることは決してあり得ない。どちらかが、どちらかを利用する、という人間関係しか、この二人の関係にはあり得ない。
 今回の場合はプーチンはクレムリンで孤独を囲っていたし、習近平氏は彼の周囲にはカネで買収した後進諸国の独裁者仲間しかいないという現実に気付いて薄ら寒いものを感じている。ことに中国の周辺諸国で中国に盲目的に服従する国はもはや一国たりとも存在しない。

 ここでロシアが戦争で負けてしまえば習近平氏が力強く握手できる独裁者仲間は皆無となる。確かにロシアとは敵対した時期もあったが、そもそも中国共産党の設立に大きく関与したのはロシア人共産主義者たちだ。いわばロシアは中国の先生でもある。
 習近平氏にとって世界で唯一頭を下げなければならない国はロシアだ。そのロシアが無謀な侵略戦争を仕掛けて、却って激しい抵抗にあい存亡の危機に見舞われている。ここは助け船を出さないで見捨てるわけにはいかないだろう。

 しかし先日もブログに書いたように、独裁者たちが見詰める未来は私たち自由主義諸国の国民が見詰める未来とは大きく異なる。独裁者たちは自分たちの、もっと正確にいえば独裁者本人だけの暖衣飽食の未来しか見ていない。たとえ国民は飢えても自信だけが肥え太っていれば良い、という未来だ。
 だから習近平氏が提起した12ヶ条の平和案はウクライナにとって到底受け容れられるものではない。プーチンも不満だったが、習近平氏の訪ロを歓迎するために受け容れると表明した。彼は「藁にもすがりたい」心境だ。

 私は習近平氏の訪ロを秘かに願っていた。なぜなら習近平氏の中国もロシアと同様に武力による国境線の変更を行い、現在も武力で近隣諸国を威圧して国境線を変更しようと企んでいる。もちろん少数民族に対する人権侵害もジェノサイドという段階に達している。思想信条の自由も国民から奪っている。
 そんな国に存続して欲しくない。それは中国民をも含めた全人類のためだ。欧米はウクライナに攻め込んだロシアを憎悪しているが、欧米の守銭奴たちを儲けさせた中国に対しては到って寛容だ。しかしアジア諸国にとって中国はロシア以上に危険な存在だ。出来ればアジアから排除したいと願っている。

 その両者が握手すれば世界にとって分かり易いし、さすがに欧米の守銭奴たちも習近平氏の中国を排除し制裁しないわけにはいかないだろう。
 習近平氏はクレムリンを訪問した。ウォールストリートに巣食っているDS守銭奴たちも対中デカップリングの覚悟を決める時が来たようだ。

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