「“気球問題” 中国がアメリカに調査・説明要求」とは無知の極みだ。

<アメリカが中国の気球を撃墜し、両国の対立が続いている問題で、中国外務省は、アメリカ側をあらためて批判し、徹底的な調査と説明を求めた。 

 中国外務省は14日の記者会見で、「2022年5月以来、アメリカの気球が中国や関係国などの領空を少なくとも十数回、違法に飛行した」と述べ、13日に続き、アメリカの気球が中国の領空を違法に飛行したと批判した。 そのうえで、「アメリカは徹底的に調査し、中国に説明すべき」と求め、「アメリカは高射砲で蚊を撃つようなことをした。でたらめな政治パフォーマンスショーだ」などと非難した>(以上「FNNプライムニュース」より引用)



 なんとも馬鹿げた中国政府だ。米国が中国の偵察に気球を飛ばしている、というのだ。何の証拠があって外国を口汚く非難するのだろうか。中国政府はまず証拠を示してから、外国を批判すべきだ。それが大人の常識ではないか。それとも中国政府は道を歩いている人に自分から突き当たって「肩が当たった」とイチャモンを付けるヤクザかチンピラの類なのか。
 中国に飛来したと主張する「米国の偵察気球」など、常識で考えてもあり得ない。なぜなら気球は風に乗って移動する。地球は自転しているため、上空には偏西風(貿易風)が絶えずふいている。渡米する際に行く時に要する時間と、帰りに要する時間とに差があるのはそのためだ。そんなことは誰だって知っている。しかし中国政府は無知蒙昧の類が雁首を並べているようだ。中国民も「そんなバカなことを言ったら世界から笑われるよ」と政府を窘めるべきではないか。それとも政府が「白」といえばカラスも白いのか。

 米国へ向けて偵察気球を飛ばすのはかつての日本軍も行っていた。当時は和紙にコンニャクを塗りたくって強化し、爆弾を吊り下げて飛ばした。後は偏西風が米国へ運んで「爆撃」するという寸法だった。実際に何発かは米国西海岸に到達して爆撃したため、米国民はパニックになったほどだ。
 何でも日本の真似をする中国政府が偵察気球を米国へ向けて飛ばすことは想像するに難くない。果たして中国政府は「観測用の民間の気球だ」と中国のものだと認めた。しかし「民間の観測気球」とは何だろうか。中国でも民間の天気予報企業が存在しているのだろうか。そうしたことなど聞いたことがないし、極めて軍事的要素の強い天気予報を民間に任せているとも思えない。「嘘もいい加減にしろ」と言いたくなる。

 しかしバランスを取るためか、中国も米国の偵察気球によって領空を侵害されている、と発表した。政府外交部の正式な報道官が記者発表で米国を非難するのだから驚く。米国が偵察気球で中国を偵察するには米国東部海岸から飛ばしたとして、大西洋を横断しユーラシア大陸を縦断しなければ山東省沖の渤海には到達しない。まったく荒唐無稽な与太話もいい加減にしろ、と笑うしかない。
 気球騒動が米中戦争を誘発するのではないか、と危惧する評論家がいるが、針小棒大も好いところだ。ただ中国報道官が「アメリカは高射砲で蚊を撃つようなことをした。でたらめな政治パフォーマンスショーだ」と述べたようだが、高射砲で蚊を撃つのは実は容易ではないそうだ。爆撃機を狙う方が遥かに容易だという。だから気球を空対空ミサイルで撃墜したのは誰にでも出来る芸当ではないという。それが証拠に中国政府は渤海湾(そこは航海であり、中国領空ではない)に出現した気球を撃墜してはいない。たとえ現実に気球があったとしても、中国空軍に撃墜出来ないのではないか。

 子供の口喧嘩ではあるまいに、誰それチャンも僕を叩いた(だから僕が叩いたのは許される)と主張するとは三歳児以下の発想だ。科学的な常識もなく、無知をさらけ出すような威圧的な暴言を中国報道官は慎むべきだ。彼らの態度に世界中が失笑していることを知るべきだろう。

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