世襲議員の宝庫「地方選挙区」。

<岸信夫前防衛相(63、山口2区)の辞職に伴い、4月の補欠選挙に立候補を表明した岸氏の長男・信千世氏(31)が大炎上している。

 公式HPに大物政治家一家出身であることを猛アピールする「家系図」を載せて批判を受け、さらに、13日昼過ぎ、急に家系図を削除。夜時点でHPには〈ただいまメンテナンス中です〉とだけ記され、閲覧できない状態になっているのだ。
 信千世氏のHPには12日時点で、プロフィル欄に自らの経歴とともに“お歴々”が連なる家系図が掲載されていた。父である「岸信夫」の他、伯父にあたる「安倍晋三」や曽祖父の「岸信介」、さらに曽祖叔父の「佐藤栄作」らの名があった。

 ところが、これ見よがしに家系図を掲げる一方、「政策」の項目には〈夢あふれる町づくり〉といった通り一遍の文言しか並べられていないため、ツイッターでは〈「世襲」以外何もないのか〉と批判が続出。
 さらに、家系図に母親や、父・信夫を養子として迎えた岸信和夫妻の名前がないため〈「著名な政治家以外は存在意義がない」とでも言いたいんでしょうか〉といったブーイングも飛んだ。
 ツイッターでは一時、〈家系図アピール〉〈岸信千世氏〉といった関連ワードがトレンド入り。これに大慌てしたのか、信千世氏側は家系図を削除。その後、HPそのものが閲覧不能になってしまったのだ。日刊ゲンダイが信千世氏の事務所に問い合わせると、担当者はこう回答した。
「サイトから家系図が消えていることは把握している。ただ、なぜ消えたのか、13日時点でコメントできることはない」

岸田首相の長男・翔太郎秘書官とは「飲み仲間」

 信千世氏は2014年3月に慶大商学部卒業後、フジテレビに入社。社会部記者などを経て、20年11月、父・信夫防衛相の大臣秘書官に就任した。どんな人物なのか。
「フジの社会部時代はあまりパッとしなかったようですが、大臣秘書官就任以降は宴席でも日本の防衛について語るなど、真面目な一面が見えるようになった。細かいデータを記憶していて、頭の回転も速い印象です。ちなみに、何かとお騒がせな岸田首相の長男・翔太郎首相秘書官とは同じ慶大出身で、お互いに1991年生まれ。学生時代から『飲み仲間』だそう。酒が入ると翔太郎さんは口が滑らかになりますが、信千世さんはグラスに口をつける程度で、多くを語らないタイプだといいます」(永田町関係者)
 トラブル続きの翔太郎氏に続く「長男」問題噴出とは……。国会議員の世襲が世間で問題視される中“世襲自慢”するなんて、随分と時代錯誤だ。世間の感覚とは完全にズレまくっている>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)



 またしても山口県の選挙区では歌舞伎の襲名披露興行宜しく「ふるさとの皆様~」と岸信千代氏が演説すれば、歌舞伎役者でも観劇するかのように有権者が熱狂するのだろう。そうした「光景」は何年もの間、山口県では各選挙区で見飽きているはずだが。
  だが実のところ、彼らは山口県出身者ではない。彼らはれっきとした東京生まれの東京育ちだ。選挙の時だけ山口県の各選挙区入りして「ふるさとの皆様~」と叫ぶだけで票が集まる。岸信夫氏が参議院から衆議院山口二区に鞍替えするまで、10年以上も民主党の平岡秀夫氏が自民党候補者に対して善戦して議席を得ていたが、岸信夫氏が参議院から衆議院に回ると、全く歯が立たなかった。それほど「岸」ブランドの威光は圧倒的な支持を得た。

 国会議員の日常が有権者の目から見えなくなっている。同時にそれは国会議員に目に地方で暮らす有権者の生活が見えていないことになる。だから国会での審議から国民の現実生活が欠落している。
 かつて民主党政権になる前、ガソリンがリッター当たり140円に高騰したとして、民主党議員が国会内でバリケードを築こうとした。大騒ぎを演じて結果政権交代が起き、民主党政権時にトリガー条項が制定された。ガソリン価格がリッター160円を超えれば25円の暫定揮発油税を停止する、というものだが、現在はリッター160円を超えても一向にトリガー条項は発動されそうにない。ただ岸田自公政権は石油元売りに補助金を渡してガソリン価格引き下げに努力している、と説明するばかりだ。そして原油価格が1バレル140ドルから80ドル台に落ち着いたにもかかわらず、ガソリン価格は高騰したまま一向に値下がりしそうにないし、野党国会議員も大人しいままだ。

 いやガソリン価格だけではない。輸入消費者物価の高騰にしても、円安を理由にしているが、円安は120円台と既に一服している。安倍政権時と変わらない円為替相場にも拘らず、円安を理由にして消費者物価を五月雨式ではなく、線上降雨のように連続して相次ぎ切れ間がない。これを便乗値上げといわずして、何と呼べば良いのだろうか。
 賃金が上がらず、消費者物価が高騰し、さらに山口県のお隣の広島選挙区の岸田氏は「防衛費倍増」を理由に増税を画策している。彼らの目に国民の生活実態は見えないようだ。何のための選挙区選挙なのだろうか。全国どころか、世界の何処で暮らしていようと立候補できる現在の選挙制度はおかしくないだろうか。ガーシー某氏が良い例で、フザケた候補者が当選すると議会の「本会議主義」すら疎かにされようとしている。

 日本国民の「国民性」として「喉元過ぎれば熱さ忘れる」という風潮がある。原発事故も10年を経過すると決して解決したわけでもない放射能被害を忘れて、国会では原子力規制委員会という原子力促進委員会が原発の稼働年数延長を何の科学的根拠もなく決めてしまった。彼らは福一原発被害者たちと一度でも懇談会を持ったのだろうか。頭でっかちの原発促進委員会の連中は一人のマトモな委員を除いて、東京電力と同じ発想をしている。
 つまり原発を稼働して発電するのは東京湾ではなく、人口の少ない地方の僻地で行って高圧送電線で東京へ送れば良い、という発想だ。たとえ事故が起きても、それは地方持ちで、東京には何の被害もない(実は甚大な放射能汚染に見舞われているのだが無臭無色のため気付かないだけなのだが)から安心だ、という考えだ。それこそ東京生まれの東京育ちの国会議員と同じ発想の持ち主たちだ。

 地方では普通のオール電化の家庭で電気代が月4万円を超え、灯油1ポリ容器(20リッター)2,000円を超えたこの冬の厳しい寒さに震えている。消費者物価は東京でも同じかもしれないが、地方の労働者平均賃金は東京とは比較にならないほど低い。
 だが、そうした地方の生活実態も東京生まれ東京育ちの世襲議員諸氏には生活実感として理解不能だ。それでも地方の有権者たちは世襲候補に熱狂する。襲名した歌舞伎役者でも見るかのように、彼らは投票する。かくして世襲議員の子弟たちは安泰だ。愚かな投票行動が地方を衰退させている元凶だということが、地方の有権者には理解不能のようだ。当たり前のことだが、選挙は観劇ではない。

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