2,000万人労働移民を受け入れると、日本社会は破壊する。

岸田政権「異次元の少子化対策」が“愚策”と断言できる理由
 岸田政権が本格的に取り組むとしている少子化対策は、愚策である。
 何故か?
 本来、近代化を達成して便利になった社会に住む人々は、必ず、核家族化し、少子化社会をつくる。
 これは小手先の育児対策や子供手当などで、覆すことができる傾向ではない。確かに、少しは出生率が改善されるであろう。それは近代化と少子化が先行した西欧諸国の例を見れば理解できる。しかし、それとても、根本的な改善にはつながっていない。
 もう少し大きな視点で考えてみることだ。20世紀は人口増加の時代であった。世界の人口が100億を超えてさらにその先まで増え続けるとするならば、一体、地球は人類の居住地として適切であり続けるのかということが話題となった。極端な論者に至っては、戦争や疫病で人口を減らすことが必要であるといい、人口削減のための策が権力者たちによって色々と講じられているはずだというようなありもしない陰謀論を声高に言い募る人々もいた。近年のコロナワクチンは人口削減の手段であるといったデマはその一つである。
 結局、人類は将来的には、地球を故郷として、宇宙へ植民するという仮説が立てられ、それがSFの題材となった。

近代化が「少子化社会」を生み出すのは歴史的必然

 ところが、21世紀に入って、一転して、人口減少が将来の人類の最大の課題であると言われるようになった。つまり、近代化を達成した社会では、人口減少が起きるのは、人類史的な必然なのだ。それによって、世界人口が調整され、人類は宇宙へ脱出することも、互いに殺し合うことも必要でなくなるのだ。
 もう少し、細かく考えてみよう。近代化は、急激な経済成長に伴って達成される。それはまた、田舎から都市への急激な人口移動を伴う。田舎は大家族の共同体社会である。そこから人々が都市に移動すると、人々は会社や工場や店舗や役所で働くようになる。そして互いにすれ違って暮らす「孤独な群衆」となる。つまり機能集団や集列集団を中心とした社会に変わっていく。家族形態は核家族や単身世帯が中心となり、少子化社会となる。これは必然である。
 しかし、その始まりの頃は、田舎から都市に移住した若い人々が結婚し、子供を産み、消費社会を作り、そして生産に従事するので、経済の好循環が生まれ、高度経済成長が始まるのである。
 つまり、近代化は高度経済成長を生み、次に少子化社会を生み出すのだ。
 このように考えると、近代化が達成された社会で、出生率を上げようとするのは、社会の流れに逆らう行為だ。しかし一方、少子化社会は、高齢化社会でもある。生産年齢人口は急減し、高齢者の年金や医療を支える社会の経済力は減少する。少子化対策が叫ばれる所以である。

2千万人規模の「移民政策」こそが日本の経済成長を再起動させるカギ

 ではどうするか?
 答えは簡単である。まだ近代化が達成されていない社会、すなわち発展途上国から若者、つまり生産年齢世代の人々を日本に迎え入れるのだ。発展途上国は昔の田舎であると思えば簡単に理解できる。田舎から都市への若い人々の移住が高度経済成長を起こしたように、発展途上国から都市、つまり近代化された日本への移住を促せば、同様の経済成長が再び起動するであろう。
 ただし、そのためにはいくつかの法整備が必要となる。まず、移住してくる人々に、国民同様の納税義務を果たしてもらい、年金や医療のサービスや経済行為の自由を国民同様に保障し、日本に住み着き、子供を産み育てることができるようにすることが必要だ。参政権は徐々に認めれば良い。互いに違う文化の摩擦による社会不安を起こさないための準備も必要である。このような段取りを経て、2千万人くらいの若者を新しく国民として迎え入れれば、間違いなく、少子化対策より簡単に世代の人口バランスが整い、新規の経済成長が起動するであろう。
 思い切った政策であるが、先進国がこのようにして、発展途上国の人々を受け入れれば、より早く全人類が近代化した社会で暮らすようになり、世界人口の増加が止まり、環境や資源の問題も解決の方向に向かうであろう。これは現代の、あらゆる面で人々がグローバルに結びついた状況の中で初めて可能なことであり、今まさに行うべき時である>(以上「MAG2」より引用)




 またぞろ「移民推進論」者が出現した。しかも伝統ある神社の神職だというから驚きだ。確かに「「移民2千万人で日本経済は復活する」岸田少子化対策を“異次元の愚策”と喝破」と題する見出しの後半「岸田少子化対策を“異次元の愚策」には同意だが、前半の「移民2千万人で日本経済は復活する」は戴けない。論評の謳い文句は「創建1250年の神社宮司が大胆提言」とあるとおり、書いたのは三輪隆裕氏(清洲山王宮日吉神社 宮司) だ。
 移民策を強力に推進したのは故安倍晋三氏だ。彼は外国人研修制度を設けて抜け道的に外国人労働移民を実施し、さらに34.5万人労働移民を決定した。

 産業界は人手不足だという。それに安倍自公政権が呼応しただけだというが、不足しているのは安価な非正規労働者であって、正規の労働者ではない。つまり技術革新も労働投資もしない無能な経営者が欲しがる使い捨て労働者を自公政権が手当てしただけだ。
 それでは経済成長しないが、世の中には労働者数に経済成長は比例する、と考える単純バカな似非・評論家が跋扈している。三輪氏もそうした考えの類の一人のようだ。

 このブログで何度も書いたが、中世の英国が綿織物でインド産を圧倒して世界を席巻したのは産業革命の成果だった。それは生産性向上の「お手本」として多くの経済学の書物に引用されている。
 つまり産業革命以前の織機は一人の労働者が一台の織機を使って綿布を生産していた。その条件が同じなら、労働賃金の安いインド産の綿布が世界の市場を席巻するのは当然のことだ。それに対抗してあらわれたのが蒸気機関を使って一度に百台の織機を稼働させる工場だ。そこでは一人の労働者が10台の織機を管理したとする。すると労働生産性は従来の10倍となり、それまでの綿布生産に投入されていた労働賃金は1/10となる。そうするとインドの綿布よりも英国の綿布の方が安くなり、インド市場すらも英国製の綿布が席巻した。それが生産性の向上による経済成長のモデルの代表例となっいる。

 少子化が日本の問題ではなく、少なくなった子供たちに充分な教育を与えられる仕組みが日本にあるか否かが問題なのだ。それ以上に引き籠りやニートたちを社会が受け入れて労働者として雇用できるか否かが大問題なのだ。
 なぜならロスト・ジェネレーションといわれる就職氷河期の子供たちが50に手が届く年齢になっているからだ。このまま放置していると彼らへの社会保障費負担で日本の公的負担は未曽有の額に上ることになるからだ。高齢者の年金問題も深刻とはいえ、彼らへの支給開始年齢を引き上げると同時に労働年齢も引き上げれば、ある程度は対策可能だ。しかし若年非労働者層の存在は同世代間で大きな格差を生じることになる。垂直的な格差が水平的な格差にも広がり、それが社会不安をもたらしかねない。

 全人口の一割以上に移民を増やした欧州諸国はどうなっているか。悲惨な例はスウェーデンにある。高福祉国家に憧れた東欧やアフリカ移民が押し掛け、全人口の2割が移民となった結果、年間の単位人口当たり殺人事件数が日本の6倍になっている。夜の街を出歩くのは危険だと普通に云われるほど治安が悪化している。
 三輪氏が唱える移民2,000万人は日本の人口の2割近い割合だ。現在の300万人余りの在日外国人ですら、外国人が関係した様々な事件が起きている。首都圏のある市では外国人が購入した土地が未許可の産廃処分地とされ、様々な外国人が産廃ゴミなどを不法投棄しているが、行政が代執行しようにも土地所有者の外国人が帰国しているため手が出せない状態だという。

 三輪氏はグローバル化した世界こそが、人類の求める平和で繁栄した社会だと結論付けているが、グローバル化した中共政府の中国が日本に何をしているかご存知ないのだろうか。貧困のどん底から、日欧米諸国の経済支援などにより国力を恢復したロシアが現在何をしているか、ご存知ないのだろうか。
 オイルマネーで繁栄した中東諸国が国民すべてに富を分配して、多くの人々が豊かで自由な暮らしをしているだろうか。日本国民は日本国民の常識で物事を判断しがちだが、世界には「宗教指導者」という「意匠」を纏って独裁政権を牛耳る連中までいることを忘れてはならない。まず、日本政府は日本国民の最大多数の幸福と安全に全力を尽くすべきだ。そのための政策を政府は全力で遂行すべきではないか。世界の国々にはそれぞれ特有の問題や特質がある。そうした日となる事情をすべて無視して、グローバル化こそが最善だと決めつけるのは危険だ。

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