習近平氏の「敵」は彼が世界中にばら撒いた顕微鏡下のウィルスだ。

<中国では18日、新型コロナウイルスの感染急増を受けて市民が外出を控える中、主要な都市が不気味に静まり返った。
 中国疾病予防管理センター疫学首席専門家の呉尊友氏によれば、中国は現在、この冬に予想される感染の3波のうちの第1波にあり、1月の旧正月(春節)連休で人々が一斉に帰省するため、さらなる波が見込まれるという。
 政府がゼロコロナ政策の大半を解除した7日以来、コロナ感染による死者は報告されていない。17日に報告された有症状の新規感染者は2097人だった。
 人口2200万人の首都北京では、感染力の強いオミクロン株の感染が広がり、既に食事の配送から火葬場、小包の配達に至るまで多様なサービスが人手不足に陥り、支障が出ている。
 北西部の西安では、乗客がほとんどいない地下鉄の様子がソーシャルメディアに投稿され、商業中心地である上海では、新年を前にしたいつもの賑わいが見られないという。

 上海当局は19日から学校に原則オンラインでの授業を指示、杭州では冬学期の終了を前倒しするよう奨励された。
 国営メディアによると、疾病予防管理センターの呉氏は17日、現在の感染拡大はこの冬にピークを迎えると述べ、約3カ月間で3つの波があると予想。感染の第1波は12月中旬から1月中旬に主に都市部で発生、第2波は来年1月下旬から2月中旬に、旧正月連休を前にした大移動が引き金となって発生するとした。第3波は連休後に人々が職場に戻る2月下旬から3月半ばに見込まれるという>(以上「REUTERS」より引用)




 REUTERSが掲載した「中国コロナ急増で都市が閑散、今冬「3つの波」と専門家が予想」という記事を一読してガッカリした。なぜなら北京の現状は引用した記事のような生半可な状況とは到底思えないからだ。
 REUTERSの記者は何処で記事を書いているのだろうか。本当に北京在中の特派員が書いているのなら、彼は宿泊しているホテルの窓から通りを見下ろして、その感想を書いているに過ぎない。

 日本のNHKでも「人口2200万人の首都北京では、感染力の強いオミクロン株の感染が広がり、既に食事の配送から火葬場、小包の配達に至るまで多様なサービスが人手不足に陥り、支障が出ている」という状況を報道していた。
 しかし、そうした報道以上に中国の感染パンデミックは酷い有様だ。ゼロコロナ策の撤廃により北京市内の飲食店は店を開けているが、客は殆ど入ってないという。突然、集団免疫に切り替えて集団免疫が形成できるものではない。そのためには十分な準備が必要だ。

 まずコロナワクチンを徹底して実施し、広く国民の体内にコロナウィルスに対する抗体を保有させる必要がある。そして充分な治療薬を全国の病院に行き渡らせ、重篤者を受け容れる病床を確保しなければならない。
 日本は現在第八波の山を登りつつある。一日当たり感染患者は8万人近くなったが、恐らくピーク時には15万人を超えるだろうと予測されている。それに対してコロナウィルスによる病死者は以前よりも劇的に減少している。ウィルス毒が弱まったという理由だけでなく、集団免疫が形成されて国民が全般的に重篤化しなくなったと思われる。日本国民は冷静に第八波の山を乗り越えようと自覚した行動を取っている。

 中国はそうした「訓練」をして来なかった。それが一党独裁体制の民主主義体制に勝る点だと中共政府は大宣伝していたが、突然ゼロコロナ策を撤廃した。それは有効なワクチンも治療薬もないままゼロコロナを撤廃したのはロックダウンだけでは対処できなくなったからだ。
 先月半ばから全国的に感染拡大していたのを中共政府は承知していたはずだ。しかし対処する術は中共政府にはなかった。ゼロコロナ策でロックダウンを続けるしかなかったが、ついに国民の不満が爆発しだした。それは中共政府が最も恐れていた事態だ。

 今はまだ中共政府や地方政府当局によって白い防御服を着た人員が制御できているが、彼らも武漢肺炎に感染し始めると制御不能に陥るだろう。もちろん武装警官や人民解放軍もいるが、彼らも武漢肺炎に罹患してバタバタと倒れだしたら、それこそ中国全土が制御不能になりかねない。
 習近平氏の喫緊の敵は米国でも台湾の独立派でもない。顕微鏡下でしか認識できない微細な武漢肺炎ウィルスこそが習近平政権を揺るがす敵だ。北京の最上へ続く道路に延々と並ぶ車には武漢肺炎の犠牲になった人々の遺体が乗せられている。車を運転する人たちは中国では中流以上の「富裕層」だ。肉親の遺体を乗せたまま斎場への道路で夜を明かす彼らが習近平体制に不満を抱くのは当然だ。車を持たない人たちは武漢肺炎で亡くなった肉親の遺体をどうしているのだろうか。彼らの不満が激しい怒りに代わる時、習近平体制は危機を迎える。

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