中国民は歴史的な忍耐実験のモルモットだ。

<中国で新型コロナウイルスの感染者が増加し外出規制が強まる中、住民らの抗議が26日までに各地で広がった。インターネットの交流サイト(SNS)では、新疆ウイグル自治区ウルムチ市で群衆がデモ活動をしたとする映像が流れた。北京では住民の抗議で当局が封鎖を撤回する事態も。習近平指導部の「ゼロコロナ」政策に逆風が吹いている。
 25日夜に流れた映像によると、ウルムチ市とみられる街頭で人々が「封鎖解除」などと叫んだ。現地では長らく地区ごとの封鎖や行動制限が続いているとされる。
 北京市東部では25日、住民らが規定より厳しい封鎖措置の開始に異議を唱え撤回させた>(以上「共同通信」より引用)




 中共政権・習近平体制がゼロ・コロナ策で揺れている。引用した2記事から明らかなように、全土で散発的に暴動が起きているが、それらが連携を取って中国全土で一斉に起きたら手が付けられない事態になりかねないだろう。まさに「沸騰寸前」という状態のようだ。
 サッカーの中国チームは弱いが、中国人はサッカーが好きだという。習近平執行部の宣伝通りなら日欧米はコロナ禍に見舞われてサッカーどころではないはずだが、Wカップが開催されている、という噂が中国民の間に流れた。中国民のサッカーへの関心がWカップ開催への関心を呼び、さらに日本の活躍がある意味中共政府批判に繋がったという。それは日本や欧米は効果のないコロナ・ワクチンを接種しているため、感染が爆発的に広がり、屍累々という状態だと宣伝してきた習近平執行部の宣伝が事実ではなかった、と中国民に気付かせた。日欧米諸国に引き換え、習近平氏の「賢明なゼロ・コロナ策」により中国民はコロナ禍を最低限に抑えた「優等生」ではなく、未だにロックダウンで社会生活は崩壊している。

 ウルムチだけではない。昨日書いたように、IT大手、アップルからiPhoneの生産を請け負う中国の工場では、給与などの待遇をめぐり従業員の大規模な抗議活動が起きました。工場では「ゼロコロナ」政策のもとで厳しい感染対策がとられていたと伝えられていて、企業の間で生産活動の低迷が広がれば、経済へのさらなる影響が懸念されます。


大規模な抗議活動が起きたのは、河南省の中心都市、鄭州にあるiPhoneの生産を請け負う台湾の「ホンハイ精密工業」傘下の工場で、インターネット上には関連する映像が相次いで投稿され、たちが窓ガラスや監視カメラを壊したり、白い防護服を着た人たちに大声をあげたりしたという。
 抗議活動は給与などの待遇をめぐって行われ、この工場では「ゼロコロナ」政策のもとで、厳しい感染対策がとられていた。中国の企業は企業内に寮があって労働者は企業内で暮らしている。その企業で陽性患者が出たというだけで、地方政府はその企業をロックダウンできる。その対象企業が労働者16万人の殆どは出稼ぎ労働者で、ロックダウンされたら郷里へ送金できなくなるだけでなく、労働者たちも餓死しかねない。だから統制社会下にあって激しい抗議運動が起き、数万人が工場から脱出して郷里を目指して歩き出したという。

 ロックダウンを巡る国民の抗議活動は北京でも起きたという。ゼロ・コロナでロックダウンを続けるのは習近平執行部の間違いだ、という抗議活動は習近平氏の三期目が困難なものになろうとしている。
 習近平氏がゼロ・コロナ策を執っているのは国民の総監視と統制・計画経済に中国社会を移行するための強硬措置の一環だ。習近平氏は毛沢東時代への回帰を目論み、民間企業をすべて国営化する腹づもりのようだ。だから飲食業者を潰す「人民公社食堂」を全国各地に設置して、国民に「給食」を配給しようとしている。しかし民間飲食店の自由なメニューに慣れた国民がそうした歴史に逆行する改革を受け容れるだろうか。

 中国の各地で起きている抗議活動の映像やネット情報は次々と当局によって削除されているが、それを上回る投稿数により、ますます拡散しているという。政府当局の30万人とも100万人ともいわれるネット監視員では手が回りかねているようだ。
 習近平氏が掲げる「共同富裕」が果たして、いつまで中国民を引き付けられるだろうか。実態は中共幹部の一握りの者たちが富を独占して、中国民の大多数は貧困化して行く暮らしにいつまで耐えられるだろうか。計画経済は失敗だったと、歴史的な大実験の結果はソ連や改革開放以前の中国で出ている。しかし習近平氏は自らの独裁政権の権力掌握を強めるために、すべての国民の自由を奪おうとしている。そうした愚行がいつまで続けられるのか、それもまた歴史的な大実験というべきだろう。

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