気付けばクレムリンにプーチン一人だけ。

<ロシアで行われている「動員」の悲惨な実態──。待遇は劣悪で、準備も補給もなく前線に放り出される。これを恐れた首都の職員たちが大量脱出を起こした>

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナに派遣する予備役の部分的動員を発令したことを受け、モスクワ市職員の3分の1近くが1カ月の間に国外に逃れたと、地元メディアが報じた。ロシアでは、徴兵を逃れようとする国民の「大量脱出」が起きている。 
 地元メディア「Nestka」は、住宅や地域サービス、医療、教育など、大規模な部門の男性職員やIT部門の専門家らが一斉に逃げ出したと、事情に詳しい関係筋の話として伝えた。 職員の多くは正式に辞職しておらず、関係当局に届け出もしていないという。
「彼らはマグカップも洗わず、職場に私物を残したままいなくなった」と、ある情報筋は語っている。
  プーチンは9月21日、ウクライナでの戦闘に予備役30万人を動員すると発表。その後の2週間で、徴兵を避けるために市民37万人以上がジョージア、フィンランド、カザフスタン、モンゴルなどの近隣国に逃れた。 10月中旬には、徴兵されたモスクワ市職員がウクライナで死亡したことで、同市職員が大量に辞職していた。 
 ロシア人ジャーナリストのロマン・スーペルは10月14日、ロシア政府の情報筋の話として、モスクワ市政府の部局長だったアレクセイ・マルティノフ(28)の死を受け、市職員が相次ぎ辞表を提出していると、自身のテレグラムのチャンネルで伝えた。 
 マルティノフは戦闘経験がないにもかかわらず、9月23日に徴兵され、10月10日にウクライナでの戦闘中に死亡したという。 政府筋はスーペルに、「大量脱出が起きている。職員がメモを残して去っている。IT技術者、広告やマーケティング、広報の担当者や、一般の公務員もだ。まさに大量脱出だ」と話している。 スーペルは「動員されたモスクワ市政府職員のアレクセイ・マルティノフが死亡したことが、昨日明らかになっている」と指摘した。 

■入隊から数日後に戦闘で死亡 ロシアの国営メディア放送局RTの副編集長ナターリャ・ロセバは、マルティノフは軍に入隊したわずか数日後にウクライナで死亡したと、自身のテレグラムのチャンネルで伝えた。 
「彼は若い頃、セミョノフスキー連隊に所属していた」とロセバは指摘。
「彼には戦闘経験がなかった。(入隊から)数日後に前線に送られ、10月10日に英雄として死亡した」と述べた。 
 ラトビアに拠点を置くロシア語の独立系ニュースメディア「Meduza」によると、セミョノフスキー連隊は、ロシア大統領とクレムリンの警備を担当しているという。 著名なロシア人ジャーナリストで元大統領候補のクセニア・ソブチャク(40)も、ロシアからリトアニアに逃れた。
 同国首都ビリニュスの情報機関によると、26日朝に警察当局がモスクワにあるソブチャクの自宅を強制捜査したという。 ロシア国営通信社タス通信は、ソブチャクのメディア担当者であるキリル・スハノフと共に刑事事件の容疑者として彼女を逮捕するよう、治安当局が命令を受けたと報じている>(以上「NEWS week」より引用)




 「モスクワ市職員の3分の1が「国外逃亡」情報...動員後の劣悪すぎる状況を恐れて」という見出しがおどっている。国民動員令以来、ロシア人が国外へ100万人が脱出した、という。それ以前のウクライナ軍事侵攻時から、ロシアを脱出した者を含めると370万人がロシアから外国へ出国したという。
 もちろん、外国へ逃れられる人たちは貧困層ではないし、その多くがインテリや技術者たちだ。つまり戦争後のロシアにとって必要な人材が国外へ流出したことになる。スカスカのロシアに碌な未来はないだろう。

 碌な訓練もなく、碌な装備もなく、そして碌な暖房着もなく酷寒のウクライナ戦線へ送られては堪らない。それは「人肉の壁」になりに行くようなものだ。最前線の後ろには第二戦線部隊がいて、前線から逃亡する兵士たちを後ろから撃っているという。ロシア軍の悲惨なところは、その第二戦線の後ろに督戦隊がいて、すべての戦線離脱兵を狙撃しているという。
 猛進撃するウクライナ軍の盾になるだけの最前線へ配備された兵士には「死」以外の選択肢はない。もしあるとすれば、それはグルリと向きを変えて、彼らを狙っているロシア兵と督戦隊と戦うしか。いや、それ以前にロシア国外へ逃れるのが最良の選択肢ではないか。

 プーチンのウクライナ軍事侵攻には大義も正義もない。ただプーチンの独裁者としての名誉欲と気紛れでしかない。プーチンにとって彼が2024年以後も独裁者であり続けることだけが最重要なのだ。ロシア国民がどうなろうと知ったことではないし、自分が独裁者でないロシアなど、どうなろうと知ったことではない。
 プーチンは外国に蓄財した22兆円もの金融資産を使うことなく、独裁者の地位を追われようとしている。当然の報いというべきだろう。熱狂的に彼を支持していたロシア国民ですら、最新の調査によると過半数を下回っている。停戦交渉を望む声が70%を超えている。もはや激しいインフレに耐えるどころではなく、国民の命まで奪いかねないプーチンにロシア国民が「ノー」を突き付けている。気付けば広いクレムリンにプーチン一人だけ、という事態にもなりかねない。

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