「神」の意匠を纏う独裁者。

<韓国で16日に開かれたスポーツクライミングのアジア選手権で、イランの女子選手が頭部を覆うスカーフを着用せずに出場し、安否を巡って懸念が高まっている。

 映像によると、エルナズ・レカビ選手(33)は最初の競技でバンダナで頭を覆っていたが、後の競技ではヘッドバンドだけを着けていた。イランは海外の大会に出場する女子選手も含め全ての女性にスカーフの着用を義務付けている。
 イランでは、スカーフの着用を巡って拘束された女性の死をきっかけに始まった抗議活動が続いている。ソーシャルメディアではレカビ選手を「英雄」視する見方もある。
 レカビ選手は18日、インスタグラムで大会後初めてコメントを出し、スカーフの未着用に関して謝罪しつつ、「意図的ではなかった」と釈明した。ただ、BBCペルシャ語放送によると、友人たちはレカビ選手と連絡が取れなくなり、選手団も予定より早く17日にソウルのホテルを出た。レカビ選手は携帯電話とパスポートを取り上げられたという。こうした報道について在韓イラン大使館は「偽ニュースだ」と否定している>(以上「時事通信」より引用)



 今は何世紀だろうか、と考えることがある。イランでは「イスラム教」の教義に従って女性は人前に出るときは「髪」を隠さなければならないという。その教えに反した若い女性が警察当局に拘束され、警察内で死亡した。そのことからイラン全土で反政府運動が起きているという。
 イスラム教の一部の国では今もなお、女性が外出する際には黒い布で体を覆い、中世の魔女さながらの格好でなくてはならない、という。もちろん髪は隠すべきだとされている。しかしイスラム教の教義と女性の衣装とに何の関係があるというのか。

 マホメッドが生きていた当時はその格好が常識だったかもしれないが、現代社会ではそうした常識は女性に対する「性差別」でしかない。イスラム教の「最高指導者」を自任する者にとって、自身のカリスマ性を維持するためには大衆に厳格なタブーを履行させる必要がある。
 それは独裁者にとって万国共通の必須実践事項だ。習近平氏は国民を統制するために馬鹿げたゼロ・コロナ策を強制している。毎日のようにPCR検査(有料だ)を実施して、一人でも陽性反応が出るとその街を完全にロックダウンする。国民に不自由を強制して、習近平氏は自己満足している。それと女性にヒシャープを強制するハメネイ師と何処が異なるというのだろうか。

 彼らが纏っている意匠は異なるが、実体は気儘な独裁者でしかない。口先で「社会主義」や「イスラム教」を叫んでいるが、やっていることは何ら変わらない。そういえば独裁者の気儘な政権維持の道具に軍隊が使われ、多くの犠牲死者を出している独裁者がロシアにいる。彼が纏っている意匠は「大ロシア」だ。どれもこれも口先だけのスローガンでしかない。
 つまりすべては登録商標の「商品」でしかない。その様々な意匠によって国民に対する「殺生与奪の権限」を保持している。それらを称して国家体制とは、なんとバカげた舞台装置ではないだろうか。国家体制とは国民が幸福に生きるための舞台装置でしかない。なにも大層な理想郷や形而上世界を具現化する未来へと続いているわけではない。

 神と崇める存在が誕生して何年経過したというのだろうか。日本で大騒ぎしている統一教会ですら「キリスト」の名を騙っていた。
 独裁者が大衆を支配するためには程度こそ異なっても超常現象を必要とする。古今東西の神にまつわる超常現象の是認こそが、それぞれの信仰への入り口だになっている。しかし凡庸な人物が「神」に成り代わって大衆を支配するためには宗教の権威にすがるしかない。宗教指導者とは、その程度の存在でしかない。つまり「神」にパラサイトした凡人でしかないということだ。

 王様の耳はロバの耳、と誰かが指摘したなら、凡庸な独裁者は彼(彼女)を大衆から排除するしかない。なぜなら「王様の耳はロバの耳」だからだ。女性はヒシャープで髪を覆わなければならない、というのは「王様の耳はロバの耳」であることを隠している呪文に等しい。
 イランで国民が「王様の耳はロバの耳」だと叫び始めた。宗教指導者というマホメッドにパラサイトした厚かましい凡人が支配する時代は確実に過去のものになろうとしている。当然といえば当然だ。現在は21世紀であって、現代の風が吹いている。イランにも現代の国際社会の常識が通用するようになるのも時間の問題だ。

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