岸田氏の資質を疑う。

<自民党の山際大志郎氏(衆院神奈川18区)は24日夜、岸田文雄首相に経済再生担当相の辞表を提出した。その後、首相官邸で記者団の取材に応じ「(旧統一教会との関係に関し)外部から指摘をされることによって、それを説明するという後追いの説明という形になってしまった。結果としてそれが政権に対してもご迷惑をおかけすることになった」と述べた。議員辞職の考えを問われたのに対しては「国会議員として何か法に触れるようなことをやってきたというわけではありません」と否定した。

 山際氏は、これまで旧統一教会の会合に複数回出席したことについて、「当該団体の信用を与えるような結果となってしまったことについては、深く反省もしておりますし、これからはそういうことがないようにやってまいりたい。国会議員の活動は、しっかりと信用を取り戻すためにこれからも続けたい」と話した。
 一方で、旧統一教会と自らの関係は「それほど深い関係ではなかった」と説明。「なにか深い関係があったわけじゃないので、(逐一の)説明ができなかったというのは事実なんですね。数多くいろんなものがある中の一つとして扱ってきたものに対してなにか印象としてインパクトがあるもので無い限り、なかなかそれは難しいと思うんです、説明をしろといわれても」と語った。
 辞任がこの日になった理由については「(衆参両院の)予算委員会が一巡し、国会審議にに障らないようにするべきではないかと考えてきたんですけれど、このタイミングを逃すわけにいかないかなと思った」とした。
 ◇   ◇
 岸田文雄首相は24日夜、山際氏の経済再生担当相の辞表を受理した。首相官邸で記者団の取材に明らかにした。後任は25日に任命する。自らの任命責任について問われると「任命責任は当然、感じております。任命責任を感じているからこそ、今後の審議、職責をしっかりと果たすことによって、その責任を果たしていきたいと思っております」と述べた>(以上「東京新聞」より引用)



 ある程度年配の人なら1970年代以降、全国各地の大学で行われていた「原理研究会」の新入会員募集活動と、入部後の「統一教会」活動への強制的な参加が社会問題となっていたことを知っている。様々な社会問題を引き起こして民事訴訟が争われ、2018年頃までに29件もの民事訴訟で統一教会に対する損害賠償を命じている。
 山際氏がそうした統一教会が引き起こした数々の社会問題を知らなかったわけではないだろう。もし「知らなかった」というのなら、社会常識に欠ける彼の世間知らずは政治家としての資質を疑わざるを得ない。

 山際氏は「当該団体の信用を与えるような結果となってしまったことについては、深く反省もしておりますし、これからはそういうことがないようにやってまいりたい。国会議員の活動は、しっかりと信用を取り戻すためにこれからも続けたい」と話しているようだが、「国会議員として何か法に触れるようなことをやってきたというわけではありません」と述べているのは解せない。
 山際氏は選挙に際して統一教会が示した「政策協定書」に署名している国会議員の一人かは知らないが、少なくとも統一教会が「勝共連合」運動の母体として政治活動に深く関わっていたのは間違いない。それは宗教団体としての要件から大きく逸脱した、政治活動に他ならず、政教分離の原則を定めた憲法規定に抵触している。

 憲法とは権力者や政治家をと縛るための「規範」であって、国民が権力を付託した人々の活動を厳しく制限している日本の最高「規範」だ。それに定めてある政教分離の原則は「宗教団体」が政治に関与し影響を与えてはならない、と規定している。
 政教分離の原則は戦前の国家神道が軍部政権に利用されて、無謀にして悲惨な戦禍を日本国民に及ぼした過去を反省して盛り込まれたものだ。その日本国憲法を蔑ろにする政治家が政権与党の一角を占めているのは由々しき問題だ。

 そもそも宗教の目的とは魂の救済であって、現生利益や現実政治に影響を及ぼそうとする利益誘導団体でもなければ政治集団でもない。統一教会が「キリスト教」を統一して、世界平和を目指す、とする統一教会の基本的な教義すら宗教団体とは言い難い。
 世界家庭連合と名称変更した理由は、教祖夫婦が世界家庭の両親であって、その家庭の下に全ての人類は一つの家族になる、という意を込めた「世界家庭連合」だというから空恐ろしくなる。だから教祖夫婦が定めた異性を伴侶として「合同結婚式」をあげても、統一教会信者たちは違和感がないのだそうだ。しかし日本国憲法に照らせば、両性の合意によって婚姻するものであって、教祖であれ両親であれ、他者からの指示によって婚姻すべきものではない。その一事をとっても統一教会は日本の公序良俗に反する反社会的な団体であることに間違いないだろう。

 山際氏は「当該団体の信用を与えるような結果となってしまったことについては、深く反省もしておりますし、これからはそういうことがないようにやってまいりたい。国会議員の活動は、しっかりと信用を取り戻すためにこれからも続けたい」と話した、という。国民の負託を具現化すべき政治家として資質を欠く人物を政治家に選出した有権者にも大いに問題がある。またそのような人物を大臣に任命した岸田氏にも山際氏と同等以上の問題があるのは明らかだ。
 なお、統一教会問題は国会議員だけに止まるのではない。地方議員の場合はもっと深刻だ。なぜなら千票台から数千票で当選する地方議員なら統一教会丸抱えの議院が全国にゴマンといるからだ。彼らは地方への「在日参政権」を求めたり、地方自治団体に在日の就職の道を開き、その範囲を徐々に広げようと日々画策しているフシがある。

 日本に帰化し日本国民として暮らしているものなら排除するものではないが、在日も日本国民と同等に税金を支払っているから地方自治への参政権を与えるのが当然だ、という主張は的外れだ。東京都の市長にそうした発言をしていた御仁がいたようだが、国民の基本的な地方自治に参加するのはあくまでも日本国民に限定すべきだ。
 地方自治体への就職も国民の戸籍や住民票といった「基本的な情報」を管理する団体である限り、安易に考えるべきではない。当該部署から排除すれば良いではないか、という理屈は数年と経たずして庁舎内差別だ、という批判へ転化するのは目に見えている。アリの一穴も与えてはならない。

 山際氏はそうした日本の国家統治機構としてのあり方が解ってないのではないだろうか。或いは安易な思考回路しか持ち合わせてないのかと彼の資質を疑う。そして彼を昨夜まで大臣にしていた岸田氏の統一教会観は厳しく問われなければならない。
 山際氏から大臣の辞任を申し出たようだが、辞任を申し出なかったら、岸田氏はいつまでも岸田内閣の大臣に山際氏を置いておくつもりだったのだろうか。なぜ明白に「更迭した」と岸田氏は云わなかったのだろうか。それもまた岸田氏の国家行政機関の最高責任者としての資質を疑わせるところだ。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。