ドゥーギン氏の悲しみはウクライナ戦死者のすべての親族の悲しみでもある。

<ロシアの極右思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘でジャーナリストのダリア氏が自動車爆発で死亡した事件を巡り、プーチン政権に反対するロシアの地下組織が21日に犯行声明を出した。一方、ロシア当局は実行犯としてウクライナ国籍の女を特定したと発表した。

 ウクライナメディアなどによると、ロシアのイリヤ・ポノマリョフ元議員が21日、ロシアの反体制派地下組織「国民共和党軍」による犯行声明を公表した。声明はプーチン大統領を「権力の強奪者」と非難している。
 犯行声明の真偽や同組織について日本経済新聞は独自に確認できていない。米NBCはほとんど知られていなかった同組織が犯行声明で急速に注目を浴びたことに対し「極めて疑わしい」とする在英のロシア専門家の声を伝えている。
 ロシアの防諜(ぼうちょう)・治安組織、ロシア連邦保安局(FSB)は22日、爆殺事件はウクライナ情報機関による計画的なものと断定、実行犯としてウクライナ国籍の女を指名手配した。同容疑者はエストニアに逃亡したと発表した。タス通信が伝えた。
 ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問はSNS(交流サイト)投稿で「ロシアによる虚構のプロパガンダだ」などと説明し、ウクライナ側の関与を否定した。
 ダリア氏は20日にモスクワ郊外で運転中の車が爆発して死亡した。各種報道によるとこの車は父親のドゥーギン氏が利用する予定だったことから、ドゥーギン氏を狙ったものとみられている。
 ドゥーギン氏は、ロシアは欧米と異なる価値観を持つという「ネオ・ユーラシア主義」を提唱し、ウクライナ侵攻を推し進めるプーチン氏の思想的な支柱の一つとなっていた。死亡したダリア氏もジャーナリストとして、プーチン氏のウクライナ対応を支持していた>(以上「日経新聞」より引用)



 記事によると「ロシアの極右思想家アレクサンドル・ドゥーギン氏の娘でジャーナリストのダリア氏が自動車爆発で死亡した事件を巡り、プーチン政権に反対するロシアの地下組織が21日に犯行声明を出した」という。それに対して「ロシア当局は実行犯としてウクライナ国籍の女を特定したと発表した」という。ロシア当局にとって犯人はどうしてもウクライナ人でなければならない。まかり間違っても、ロシア人であってはならないが「ロシアの反プーチン地下組織が21日に犯行声明を出した」というから最悪だ。
 たとえ犯人が出頭しても、彼がロシア国内の反プーチン派地下組織の一因だったら、当局は犯人とは認めないだろう。なぜならウクライナと戦争しているのだからプーチン氏の軍師ともいうべき人物の娘はウクライナ人テロリストによって殺害さたのであれば「反ウクライナ」感情を煽って、ロシア国民に団結を促す手段として利用できるからだ。

 だが「ロシアの反プーチン地下組織が21日に犯行声明を出した」。プーチン氏にとっては想定外だっただろう。そしてプーチン氏にウクライナ侵略戦争を勧めたドゥーギン氏らとっては最悪の事態となった。自身が爆殺されたのなら「最悪だ」と感じることもなかっただろうが、最愛の娘を爆殺された悲しみは想像に余りある。もちろん、すべてのテロに反対するし、いかなる正当な理由があろうと、殺人は決して犯してはならない犯罪だ。
 しかしドゥーギン氏の進言によりウクライナの地で毎日のように殺戮が繰り返されている。独裁者にとっては机上の「戦争ごっこ」かも知れないが、現地では生身の人間が殺し合っている。ドゥーギン氏が愛娘を失った悲しみを戦場では多くの人たちが日常的に抱き、打ちひしがれているのだ。

 ドゥーギン氏はプーチン氏に「直ちにすべての兵をウクライナから撤退させて、戦争を終わらせるべきだ」と進言すべきだ。いかにウクライナの地を掠め取ろうと、クリミア半島を領有しようと、それがロシアの幸せと結びつくのか。ロシア人が国際社会で尊敬される国民として処遇されるのか。
 むしろロシア国民は凶悪な殺戮国民として忌み嫌われ、他国の領土を盗賊のように奪い取って少しも恥じない国民だと蔑まされるだけだ。情報統制でロシア国民は真実のロシアの姿を知らないのだろうが、外国に暮らすロシア人によって僅かずつでも情報はもたらされているはずだ。真実を知ろうとしない者は偽情報によって洗脳され続けるだけだ。そして愛する者の戦死を受け容れ続けるだけだ。それで良いのか、ロシア国民よ。

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