崩壊する中国経済。

<中国共産党の習近平総書記(国家主席)は住宅購入者のローン返済ボイコットという異例の抗議活動に対し、従来型の方法で対応しようとしている。

 中国当局は先週末にかけ、人々の不満を抑えようと素早く対応。中国全土で増え続ける住宅ローンのボイコット件数を記録するインターネット上の文書を検閲する一方、地方政府と金融機関に対し未完成の住宅プロジェクトを完工させる手法を見いだすよう促した。大半の中国市民は生涯にわたり貯めた貯蓄をつぎ込み、住宅を購入している。

中国の不動産危機、ミドルクラスを直撃-積極的な住宅購入が裏目に
 香港中文大学(深圳)の唐文方教授は「この種の抗議行動への対応で中国政府は何年も経験を積んでいる。人々の不満がエスカレートするリスクを減らすのに使える戦術を備えている」と指摘した。
 中国共産党は社会不安に対応する上で特に、新型コロナウイルス感染拡大抑制のためのロックダウン(都市封鎖)の時期に経験を積んだ。しかし、このところ全国的に広がる住宅ローン支払い拒否の規模や戦術は、抗議行動が一部の都市や地域に通常限定されてきた中国では極めて異例だ。
 格差是正を狙った「共同富裕」(共に豊かになる)運動を不動産セクター締め付けの中心に置いてきた習総書記だが、不動産危機に見舞われた市民の痛みを和らげるためなら、大きな譲歩も辞さない姿勢のように見受けられる。ブルームバーグ・ニュースは18日、開発が滞っている不動産物件の購入者を対象にペナルティーを科さずに一時的にローン支払いの猶予を認める可能性があると事情に詳しい関係者の話として報じた。

中国、停滞する開発案件の住宅ローン支払いに猶予期間検討-関係者
 オンライン情報プラットフォームのREDDによると、中国国務院は先週末、開発業者12社のほか、地方当局により新たにディストレスト開発業者に選定された数社に金融支援を提供する不動産基金を設立する計画を承認した。
 だが、住宅ローンの返済猶予を通じて住宅購入者を懐柔しようとするのは、支払いボイコットの拡大を助長しかねない危険な戦略だ。DBS銀行のマクロストラテジスト、チャン・ウェイ・リアン氏は「本格的な住宅ローン返済猶予は応急処置で、契約通りにローンを返済している大半の住宅購入者に誤ったメッセージを送る可能性がある」と指摘。「不動産業界のサプライヤーや下請け業者にもローン返済停止という似たような抗議活動を促す恐れすらある」と述べた。
 ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、フランシス・チャン氏はいかなる債務モラトリアム措置であれ、住宅ローンの借り手に返済ストップを促す可能性に触れ、「すでに支払い停止を始めた借り手は、最終的にデフォルト(債務不履行)を選択するかもしれない」と語った。
 中国当局は抗議活動が国際的なメディアで大きく取り上げられるかどうかも注視している。唐教授によれば、当局の懸念は住宅ローンのボイコットが連鎖反応を引き起こし広範な反発につながる「トリガーイベント」になることだ。「コロナ対策に不満を持つ失業者や店舗閉鎖に追い込まれた人々を含め、他の経済セクターに広がるかもしれない。仮にそうなれば、中央政府ははるかに大きな問題への対応を迫られる」と話した>(以上「Bloomberg」より引用)



 
 中国全土に広がっている住宅ローン返済拒否運動を中共政府が黙認するはずがないと思っていた。果たして「中国住宅ローン返済拒否、許せば連鎖反応の恐れ-習氏の危険な懐柔策」と題する記事がBloombergに掲載された。
 金融危機は地方銀行の相次ぐ破綻が報じられているが、ここに来て中国の投資信託銀行で第三位に位置する中信信託が債務不履行により破綻した。その額は57億元(約1100億円)で、従来の中共政府なら公的資金注入により債務不履行を防いでいたはずだ。しかし中共政府にも金融機関を救済する余力がなくなっている。

 しかし中信信託の破綻は深刻な影響を及ぼしている。中国の投資市場から外国投資家が撤退しているのだ。もちろん投資信託銀行が浮くよう先として中国の金融機関にも投資している。中国の金融機関は中国民に「有利な資金運用」として住宅ローンを大量に貸し出している。
 機に敏な外国投資資金が信託銀行から引き上げられれたいるのは住宅ローンの返済拒否運動が金融機関を直撃している事態が信託銀行に波及するのは時間の問題だと読んでのことだろう。中国の潤沢な外貨準備高は外国投資や外国企業の中国進出に依っていた。それらが減少すれば中国の外貨準備高も減少するのは自然の帰結だ。

 Bloombergは習近平氏が伝統的な手法で「住宅ローン返済拒否」に対応するとしている。その「伝統的な手法」とは「住宅ローンの返済猶予を通じて住宅購入者を懐柔」する方法だというが、だがそれは「支払いボイコットの拡大を助長しかねない危険な戦略だ」と看破しているように、「住宅ローン返済拒否」に参加してなかった住宅ローンを抱えた中国民もローン返済拒否を始めるのではないか。
 中共政府は一世帯が二戸以上の住居を保有した場合は売買価格の5%に相当する固定資産税を課すと発表している。無理して二軒目、三軒目の投資用マンションを購入した中間層以上の所得層は青くなってマンションを売り出そうとしている。しかし中共政府のマンション価格暴落抑止策により、売却が厳しく制限されて売り出せない状況だ。中国には人口の三倍近い住宅が建設されているため、不動産価格が暴落するのは時間の問題だ。

 不動産業者の倒産と不動産購入者の投げ売り、さらには未完成マンションを購入した人たちの住宅ローン支払い拒否により、金融機関が悲鳴を上げている。貸し出しを拡大せよ、という中共政府の厳命にも拘らず今年六月までに全国で46万社が倒産し300万社が事業を廃止した。中国経済は崩壊の三道を転がり落ちている。
 その崩壊する経済を立て直そうと、中共政府は地方政府に経済成長のマイナスは報告するな、必ずプラスにせよと厳命したが、そうすると地方政府が「お家芸」の統計マジックを使うだけだ。既に地方政府も多くが破綻状態に陥っている。だから地方公務員のボーナスを遡って返還させたり、報酬削減に乗り出している。だから警察は理由を付けて住民を逮捕し、罰金を取ることに奔走している。経済の崩壊が社会の崩壊に繋がるのも時間の問題のように思われる。

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