世界的な食糧危機が回避されることを望む。

<ウクライナ産の小麦などの輸出が滞っている問題で、ロシアとウクライナ、それに仲介役のトルコと国連は、ウクライナ南部の港から農産物の輸出に向けて安全に船を航行させる手順などで合意しました。

 世界的に食料不足への懸念が高まる中、今後は合意内容が確実に履行され食料供給の安定につながるかが焦点となります。
 ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐって、ロシアとウクライナは仲介役のトルコと国連を交えて交渉を続けてきましたが、22日、4者は最終的な合意に達しました。
 トルコのイスタンブールでは、22日午後5時すぎ、日本時間の22日夜11時すぎ、ロシアのショイグ国防相とウクライナのクブラコフ・インフラ相が、トルコのエルドアン大統領、国連のグテーレス事務総長を介して、合意文書に署名し、交換しました。
 小麦やトウモロコシなどの世界有数の輸出国であるウクライナからの輸出が滞り、世界的に食料価格の高騰や食料不足への懸念が高まる中、今後は合意内容が確実に履行され食料供給の安定につながるかが焦点となります。

4者協議の合意の内容
 合意文書によりますと、ウクライナの農産物は今後、黒海に面した南部のオデーサなど3つの港から地中海へとつながる決められたルートで、運び出されます。
 また、船が港を出入りする際にはウクライナ側が機雷が敷設されていない安全なルートに誘導するとしています。
 さらに、船の安全な航行を共同で監視していくため、海上輸送の調整に当たる機関をイスタンブールに設置するとしています。
 そのうえで、ロシアとウクライナが航行する船や関連する港湾施設へのいかなる攻撃も行わないことや、海上からウクライナに兵器が運び込まれないよう、トルコの港で船を検査する、などとしています。
 さらに、合意は120日間有効で、双方から修正などの求めがなければ、自動的に同じ期間延長されるとしています。

ロシア “国連と農産物の輸出制限解除含めた覚書交わす”
 ロシアのショイグ国防相は「トルコと国連の積極的な仲介のおかげで署名が可能になった。世界の食料安全保障の問題を解決するための実質的な貢献になることを期待している」と評価しました。
 一方、ショイグ国防相は、この合意とは別に、国連との間でロシア産の農産物の輸出制限を解除することを含めた覚書を交わしたと明らかにしたうえで「2つの文書は相互に関連している」と主張し、今回の合意がロシアからの農産物の輸出の再開にも道を開くという考えを示しました。
 また、ロシアのラブロフ外相も声明を発表し、ベロウソフ第1副首相が国連のグテーレス事務総長との間で覚書を署名したとしています。
 そして「主な目的はロシアの農産物と肥料を世界市場に確実に円滑に届けることだ。とりわけアメリカやEUによる金融や保険に関する障害を取り払うため、農産物の輸出がロシアに科された制限から除外されることを目的としている」と述べました。
 ロシアとしては、今後はロシア産の農産物と肥料の輸出再開に向け、働きかけを強めるとみられます。

トルコ エルドアン大統領「和平への希望に」
 エルドアン大統領は署名式で「両国の期待と懸念を率直に話し合った。世界の食料危機に対する解決策が導き出されたことを誇りに思う」として、合意を歓迎しました。
 そのうえで「私たちは戦争に勝者はいないと繰り返してきた。両国との歩みが和平への希望をよみがえらせる新たな道しるべとなることを願う」として、今回の合意をきっかけに停戦交渉の再開にも意欲を示しました。

国連 グテーレス事務総長「希望のともし火」
 今回の合意について国連のグテーレス事務総長は「黒海の希望のともし火だ」と述べたうえで「疑いの余地なく、この合意は世界の人々のためのものだ。飢餓の瀬戸際にいる最も弱い立場の人々を救うだろう」と述べ、世界的な食料不足への懸念が高まる中、重要な合意だと評価しました。
 また「合意の実現のために取り組んだすべての人たちに感謝したい」と述べ、ロシアとウクライナの両政府、それに仲介にあたったトルコ政府に謝意を表しました。
 そのうえで「合意は完全に履行されなければならない。私はすべての当事者に対して合意の履行に向け努力を惜しまないよう求める」と強調しました。
 そして最後に「紛争の両当事者による前例のない合意だが、紛争は続いていて、戦闘は日々、激しさを増している。この地域と地球にとって試練と激動の時代に、この希望のともし火を人々の苦しみを和らげ、平和を確保するための道しるべとなるようにしよう」と呼びかけました。

EU ボレル上級代表「速やかに そして誠実に履行を」
 EU=ヨーロッパ連合の外相に当たるボレル上級代表は声明を発表して今回の合意を歓迎したうえで「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が引き起こした世界的な食料不安を解決するための重要な一歩だ。実を結ぶかどうかは、合意が速やかに、そして誠実に履行されるかにかかっている」と述べました。
 そして、EUとしてもウクライナから陸路で穀物を運び出す取り組みを進めていることに触れ「EUは今後もできるだけ多くの穀物をできるだけ早く世界市場に届けられるよう、ウクライナを支援していく」と強調しました>(以上「NHK」より引用)



 黒海航路が閉鎖されれば、世界の穀倉地帯ウクライナ産の穀物輸出が阻止され、世界の約6億人が食糧危機に見舞われると推定されていた。そのため黒海の安全航行とロシアによるウクライナ産穀物の輸出が再開されることが愁眉の的だった。
 そのため黒海の出入り口を制しているトルコのエルドアン大統領、国連のグテーレス事務総長両名の仲介により、ロシアのショイグ国防相とウクライナのクブラコフ・インフラ相がトルコのイスタンブールで会談して22日午後5時すぎにウクライナ南部の港から農産物の輸出に向けて安全に船を航行させる手順などで合意した、という。

 グテーレス事務総長は「今回の合意について国連のグテーレス事務総長は「黒海の希望のともし火だ」と述べ「疑いの余地なく、この合意は世界の人々のためのものだ。飢餓の瀬戸際にいる最も弱い立場の人々を救うだろう」として、世界的な食料不足への懸念が高まる中、重要な合意だと評価した。
 この会談で注目すべきはロシアのショイグ国防相とウクライナのクブラコフ・インフラ相が出席したことだ。これまで停戦合意や人道回路などで話し合っていたロシア・ウクライナ両国の代表と異なり、それぞれの戦争責任者が直接話し合ったことだろう。つまりロシアとウクライナ双方に話し合わなければならない必要があった、と見るべきだろう。

 ロシアはプーチン氏の強気発言とは裏腹に、継戦能力が尽きようとしている。ことにウクライナが米国から供与されたハーマスによる兵站拠点への攻撃がロシア軍の繼戦能力を大きく奪っているようだ。イギリスの情報機関MI6の発表ではロシアは近く兵員不足と兵站の面から東部前線で戦闘不能に陥る、と予測されていた。
 ウクライナ軍も南部のロシア軍拠点を総攻撃する態勢作りに数日から一週間程度を要するとされている。両軍にとってこの時期の「停戦」は期せずして合意する状況にあったといえなくもないが、今回の合意は世界の食糧不足を解消する一助になるのは確かだ。

 ただ今回の合意を歓迎するものの、諸手を上げて今回の合意にウクライナは穀物輸送を頼ることは出来ない。なぜなら、これまでもロシアは各種約束や合意を平気で踏み躙って来たからだ。いやロシアだけではなく、ウクライナもミンクス合意を反故にした前科がある、が。
 だから「EU=ヨーロッパ連合の外相に当たるボレル上級代表は「EUとしてもウクライナから陸路で穀物を運び出す取り組みを進めている」としたうえで、「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が引き起こした世界的な食料不安を解決するための重要な一歩だ。実を結ぶかどうかは、合意が速やかに、そして誠実に履行されるかにかかっている」と述べたという。いずれにしても世界的な食糧危機が回避されようとしていることを歓迎する。

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