「牛丼」は決して「シャブ」ではない。

<牛丼チェーンの「吉野家」は18日、19日に都内で行われる予定だった新商品、新CMの記者会見を中止すると明らかにした。10年かけて開発に取り組んだ親子丼の発表をする予定で、タレントの藤田ニコルが出席予定だった。

 同社幹部が16日に、講師を務めた早大の社会人向け講座でジェンダーに関する不適切発言をしていたことが判明。同社は「極めて不適切であり、人権・ジェンダー問題の観点からも到底許容できるものではない」との談話を発表。社内処分を含め、検討している。 
 また早大は同社幹部を講師から解任することも検討しているという。講座は16日が初回だった>(以上「報知新聞」より引用)




 「生娘をシャブ漬けに」とは剣呑なモノいいだ。記事によると「早大の社会人向け講座でジェンダーに関する不適切発言」として牛丼の吉野家役員の口から出た言葉だというから驚きだ。
 いや「生娘をシャブ漬けに」はジェンダー発言ですらない極めて不適切な発言だ。当の吉野家役員のみならず、「吉野家」という会社の品格が疑われる。

 「味が良くてリピーター化する」という意味だと弁明したようだが、「シャブ漬け」がリピーターだとは不適切も甚だしい。あるいは新商品の親子丼に麻薬でも混入しているのか、と疑わなければならない。
 言葉は難しい。比喩として「シャブ漬け」を用いるのは、麻薬中毒と必死で戦っている薬物依存症患者をバカにしているし、非合法な薬物販売を吉野家がやっているかのようだ。社会的責任を負うべき飲食大企業が大学の「マーケティング戦略講座」でそうした比喩を行ったのは不適切を通り越している。

 そして早稲田大学は講師選任に関していかなる基準で件の吉野家役員を登用したのだろうか。確かに現役の企業でマーケティング戦略を担当している役員を招聘するのは決して間違っていないだろう。
 しかし「業界で成功している企業」の役員すべてが大学でマーケティング戦略が語れるほど知見を有しているとは思えない。少なくとも論理的なマーケティング論を著述などで発表している人物で、大学が客観的に評価した人物なのか。

 現代では市などの「市民大学講座」と称する社会人講座が毎年のように開かれているが、その講師の面々を見て少なからず驚かされる場合が少なくない。市当局はいかなる基準で市民大学講師を選択しているのか首を傾げざるを得ないケースがある。
 首を傾げるケースとして多いのはテレビタレントの登用だ。それも教養番組などで講座らしきものを受けもている有識者なら解らないでもない。しかしお笑い番組などに頻繁に登場しているだけのタレントが市民大学の講師とは恐れ入る。なぜこうしたことになるのだろうか。

 少なくとも早稲田大学にマーケティングを担当する教授はいるはずだ。経営学の教授ならそうした論文を書いているはずだ。なぜマーケティング戦略講座に現役企業の役員を招聘しなければならなかったのだろうか。
 吉野家がマーケティングに成功しているから、というのであれば、大学当局は事前に成功している論理的根拠を役員から徴取すべきではないか。そうすれば講座の中で「生娘をシャブ漬けに」といった不穏当な比喩が飛び出す人物か否かくらいは識別できたはずだ。件の役員は大学を冒涜しただけでなく、吉野家で商品開発に携わっている現場の社員をも冒涜している。「牛丼」は決して「シャブ」ではないからだ。

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