日本にもヘンな人はいるものだ。

<鳩山由紀夫元首相が14日、自身のツイッターを更新し、ロシアのウクライナ侵攻で「利益」を得るのは米国だと持論を伝えた。 
 鳩山氏は「この戦いはウクライナが舞台のロシアVS米国の戦争である。」と明言。「ウクライナは戦場で疲弊し、ロシアは思惑通りに行かず苦戦している。」と戦っている両国ともが苦しんでいると分析した。 
 さらに「両国はNATO問題などで停戦可能」とした上で、「米国は戦争が長引くほど軍産複合体が利益を得て株価が上がり、プーチンの首を取れる確率も増す。」と二重の意味で米国に利があるとした。最後は「誰かが米国の首に鈴をつけねば泥沼化する。」とロシアではなく米国を止めるべきと断じた。
 ただ「NATO問題」でどのように「停戦可能」なのかは具体的には示していない>(以上「ディリースポーツ」より引用)



 プーチン氏のロシアには強い違和感がある。かつて私が知っていたロシアはロシアの文学者によって知ったロシアだった。ドストエフスキーーやカラマーゾフ、そして近年ではソルジェニツィンによって知ったロシアだった。
 しかしプーチン氏によって知らしめられたロシアは余りに皮相的で功利主義的な独裁体制の国だった。ことに軍事力万能主義は深い人生観を私たちに教えてくれたロシア文学とは余りにかけ離れたものだった。チャイコフスキーの音楽ほどの見事さすらない、貧相な軍国主義国家でしかなかった。

 鳩山氏は何を以てウクライナに非があるというのだろうか。記事によれば「鳩山氏は「この戦いはウクライナが舞台のロシアVS米国の戦争である。」と明言」したという。だから「ウクライナは戦場で疲弊し、ロシアは思惑通りに行かず苦戦している。」というのだ。
 米国の差金でウクライナが戦っているのなら、ロシアと協議して即座に戦争を終わらせれば良いだろう。ただ鳩山氏は「両国はNATO問題などで停戦可能」と指摘しているが、肝心な停戦協議の論理には一切触れていない。「停戦可能」の条件は一方的にロシア側の主張を受け容れれば「停戦可能」だとプーチン氏が主張しているだけだ。

 それに対して、ウクライナは2014年に蚕食したクリミア半島も含めて、ウクライナの領土からロシアは撤退せよ、と主張している。どちらの主張に正義があるかといえば、ウクライナ側であることは明白だ。そこに米国の影など微塵もない。
 鳩山氏は米国に格別な恨みでもあるのだろうか。辺野古沖移設に反対して「腹案がある」と表明したが、彼に辺野古沖に代わる腹案はなかった。ただ直感的に主張しただけだった。しかし冷静に考えれば馬毛島があったはずだ。辺野古沖に代わる移転先として、鳩山氏は馬毛島を上げるべきだった。

 しかし鳩山氏が「ロシアのウクライナ侵攻で「利益」を得るのは米国だ」と自身のツイッターに掲載したというが、米国はウクライナ支援を「有償」で行っているわけではない。 無償で武器を供与し、戦費までも「無償」で供与している。
 鳩山氏は「米国は戦争が長引くほど軍産複合体が利益を得て株価が上がり、プーチンの首を取れる確率も増す」と指摘しているのが果たしてどうだろうか。確かに米国政府は米国内の軍需産業から兵器を買い上げて「無償」でウクライナへ供与しているのだから、米国の軍需産業は儲かるかも知れない。それは米国が意図したわけではなく、ロシアがウクライナへ侵攻したからだ。そしてプーチン氏の「首を取れる」可能性が増す、という指摘も、ウクライナが勝利すればの話だ。

 それとも鳩山氏は軍事力優先の独裁国家が世界を席巻することを望んでいるのだろうか。北海道までロシアの領土だ、とロシア国会議員が主張しているようだが、そうした主張がロシアにあることも承知しているのだろうか。
 自由で民主的な国家が世界に増える方が望ましい。人権が尊重され、国民福祉が行き渡る国々が増える方が望ましい。軍事費が削減される必要があり、そのためには他国を軍事力で脅かす国が世界から消え去ることが必要だ。少なくとも、ロシアや中国は軍事力で国境線を変更しようとしている。彼らの存在こそが自由主義諸国に対する脅威ではないだろうか。鳩山氏はそうとは考えないのだろうか。いかなる思想信条を持とうと自由だが、物事には節度というものがある。

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