ロシアは軍を速やかに退くべきだ。

<米海軍大将、NATO欧州連合軍の最高司令官を歴任したジェイムズ・スタヴリディス提督が、ウクライナ侵攻で見えてきたロシア軍の3つの問題を指摘し、この先の展開を予測する。

 「ロシア軍の何が間違っているのか?」という質問をこの頃くりかえし受ける。 西側の多くの人は、ロシアの軍事機構を北大西洋条約機構(NATO)とほぼ互角と誤解してきた。だから、そんな巨大な軍隊がそれよりはるかに小さく軍備も劣る隣国のウクライナを制圧するのにこれほど難儀していることに驚くのだ。
  私がNATOの軍事司令官を務めていた頃、ロシア軍と当時その参謀総長だったニコライ・マカロフ将軍と面談する機会があった。 親しみやすい人柄のマカロフは、ロシアの軍隊を現代化するための努力について私に話してくれた。その手始めは、軍隊を専門化し、残酷な徴兵制をやめるということだった。サイバー攻撃能力や精密誘導の兵器、無人航空機・車両を改良する計画もあった。 マカロフはロシア軍が進歩することを確信しているようだったが、ウクライナでの事態を見る限り、そうした長年の努力は報われておらず、徴募兵だらけだ。ハードウェアが改良された証もない。
 ロシア軍は、洗練された21世紀の軍隊ではなく、むしろ第二次世界大戦風の無骨な軍隊然としている。 ロシア軍が実動していたものの本格的な常備軍との戦闘がなかったシリアとは違い、今回のウクライナでの戦闘はロシア軍の訓練や装備、組織の仕方にあるいくつもの裂け目を示しているのだ。 ここで強調すべき重大な問題が3つある。どれも即座には解決しえないものであり、となればロシア軍はウクライナでの軍事作戦をずるずると続けることになろう。

3つの重大な問題とは?
 第一の問題は明らかで、兵站(へいたん)の失敗だ。
 素人は戦略を学ぶが、玄人は兵站を学ぶと軍人のあいだではよく言われる。 銃弾、燃料、食糧、熱源、電源、通信機器を部隊に送り込むことは極めて大事だ。とくに燃料を前線へ送るのにロシア軍が非常に苦労していることがわかってきたが、これは西側の軍隊にしてみれば兵站の基本だ。 
 キエフ郊外でロシア軍の戦車と輸送トラックが集団で立ち往生して60キロメートル超の列をなしている光景は、無能さの好例だ。現代の西側の軍隊なら、これほどのおびただしい攻撃兵器がおそろしく無防備な地帯に何日も留まることなどないよう詳細な計画を立てるだろう。 シリアでの比較的小さい部隊への供給は、20万の兵力を養うことに比べればたやすい話だったのだ。
  第二の問題はそこまで明らかではないが、さらにたちが悪いものだ。ウクライナに侵攻している部隊では、徴募兵か予備兵がかなりの数を占めている。彼らは職業軍人ではないし、職業軍人の下士官幹部たちに統率された自発的な軍隊でもないのだ。 自分たちの使命の重大さに文字どおり気づいていないロシア兵の事例がいくつも紹介されている。ウクライナ人に捕まって初めて、これはロシアでの軍事演習ではなかったのかと知った者すらいるというのだ。 
 第三の問題は、鮮やかなまでに示された統率力の悪さだ。ロシアの計画には、ウクライナを6つの異なるベクトルから攻撃することが含まれていたが、これは軍隊を大いに分割するものだ。軍隊を6軸に広げる戦術にはそもそも欠陥がある。 これが間違った想定と諜報のせいであることはほぼ間違いない。ロシアの将軍たちは、ウクライナ人が花とウォッカで自分たちを歓迎してくれると期待していたに違いない。銃弾とモロトフカクテル(火炎瓶)ではなく──>(以上「yahooニュース」より引用)



 ロシア軍は引用記事にある三つの問題の他に、現在は第四の問題に悩まされていると思われる。それはロシアに継戦能力が尽きたということだ。
 ジェイムズ・スタヴリディス提督が指摘した問題はまさにその通りで、軍事専門家ならずとも、素人でさえ強く感じていることだろう。そして今はウクライナでの戦争を支えるだけの継戦能力に問題が起きていることを指摘しなければならない。

 継戦能力の問題はまさにロシアの国力に起因する。GDPが韓国以下にも拘わらず、世界随一の広大な領土を有し、社会インフラの維持だけでも莫大な政府支出が必要とされる。しかも人口は1憶4千万人もいて、5千万人余の韓国よりも多くの「行政費」を必要とする。
 そうした条件下でロシアはGDPの4.26%も軍事予算に割いてきた。年金などの社会保障制度が貧弱なのは当たり前だ。韓国の軍事予算はGDPの2.85%だから、いかにロシアが軍事予算を支出して来たか理解できるだろう。

 しかしロシア軍の近代化は遅々として進んでなかった。ニュースで報じられるロシアの戦車や軍用車両や装甲列車を見ると、第二次世界大戦の映像を見ているのではないか、と目を疑う。ロシア軍がそれほどの骨董品を使用しているのに驚く。膨大な軍事予算は何に使われてきたのだろうか。
 それに対してウクライナ軍は小人数に分かれ、森などに潜むロシア軍戦車などをドローンで確認して、遠距離から携行ミサイルなどを打ち込んで個別に撃破している。シロウトですら射程2.5㎞先の目標に向けて発射すれば、ほぼ100%命中する米国製ジャベリン・ミサイルには驚かされた。ウクライナ軍にはそうした最新式の各種ミサイルが山ほど用意されているという。ロシア軍がキエフを取り囲んで滞陣したまま十日も動かないのも理解できる。

 ロシア軍のキエフ総攻撃と市街地への突入はあるのだろうか。その可能性は低いと思われる。なぜなら既にロシア軍は甚大な被害を被り、継戦能力に問題が生じているからだ。シリアなどから傭兵を募集して前線へ投入しているようだが、街を知らない海外の傭兵が市街戦を有利に戦えるとは思えない。
 今後暖かくなればウクライナの地は泥沼となり、戦車や車両は舗装道路から外れて作戦を展開することは出来ない。ロシア軍にとって戦況は不利になるばかりだろう。だから無差別空爆を繰り返して、ウクライナの各都市を破壊し市民を大量虐殺しているのだろう。プーチン氏は自分が仕出かした事の重大さに震えるが良い。全人類はあなたを許さない。

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