習近平氏は物事の是非を比較検討すら出来ないのか。

<ウクライナ情勢を巡る米中首脳のオンライン会談が終了し、中国側は会談の内容を発表しました。習近平国家主席は「苦しむのは庶民だ」と、ロシアへの制裁を批判したということです。
 中国の国営メディアによりますと、18日の会談で習主席は「ウクライナの状況は中国が望むものではない」とし、早期に交戦をやめるべきだと述べました。

 さらに、アメリカとNATO=北大西洋条約機構にロシアとの協議を求め「ロシアとウクライナ双方の安全保障上の憂慮を解消すべきだ」と指摘しました。
 改めて、NATOの東方拡大に反対するロシアの主張をくむようアメリカに求めた形です。
 また、「無差別な制裁で苦しむのは庶民だ」と述べ、ロシアへの制裁に反対する姿勢を強調しました。
 アメリカが懸念するロシアへの支援に関する発言は、中国側の発表にはありません。
 会談はおよそ1時間50分にわたって行われたということです>(以上「テレ朝ニュース」より引用)



 これは異なことを言うものだ。習近平氏はバイデン氏に「ロシアへの経済制裁はロシア国民を苦しませるものだから(ロシアへの経済制裁には)反対だ」といつたという。
 それならプーチン氏の命令で学校や病院や集合住宅などを爆撃するロシア軍はウクライナ国民を苦しませていないとでもいうのだろうか。「苦しませる」程度の比較でいうなら、ウクライナに軍事侵攻したロシア軍と、先進自由主義諸国の経済制裁で苦しむロシア国民と、どちらが非人道的で惨たらしいか、習近平氏は比較検証すらできないとでもいうのだろうか。

 いや、そもそもロシア軍がウクライナに侵略戦争を仕掛けなければ、先進自由主義諸国の対ロ経済制裁はなかっただろう。ロシア軍がウクライナに攻め込めばこうした事態になることは、習近平氏にも想像できていたことではないか。
 北京五輪開会式で北京を訪れたプーチン氏と習近平氏は何を話し合ったのだろうか。双生児のように酷似している現代の独裁者二人はこれから起こそうとしている軍事オペレーションにワクワクしながら肝胆相照らしたのではないだろうか。

 習近平氏は公的な場で繰り返し「台湾を進攻する」と公言している。台湾とウクライナと何処が異なるというのだろうか。台湾のウクライナもれっきとした独立国だ。中共政府が何と言おうと、台湾は独立国だ。
 習近平氏はロシアへの経済制裁を科すのには苦言を呈しながらも、具体的にプーチン氏が始めた戦争を停止する方法を提起していない。無責任極まりない態度だといわざるを得ない。

 台湾進攻の野望を捨てなければ、今のプーチン氏は明日の習近平氏の姿だ。経済制裁は対ロ経済制裁よりも、もっと劇的に効果があるだろう。なぜなら、既に中国経済は崩壊過程にあって、経済制裁を受ければソフトランディグしようと腐心している中共政府に痛打を浴びせることは間違いないだろう。
 習近平氏は勘違いしているようだが、中国は「世界の組立工場」でしかない。組み立て工場は何時でも何処へでも移転可能だ。無理して中国に「組み立て工場」を置き続ける経済的利益は何もない。中国の「代替国」は世界に幾らでもある。虚勢を張って「戦狼外交」にうつつを抜かすのも、今の内でしかない。

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