誇大妄想狂の発狂による犠牲者の数の少なからんことを祈る。

<ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナ東部で特別軍事作戦を行うことを決めたと発表した。タス通信などロシアメディアが一斉に報じた。ロシアが支援する親ロシア派武装勢力が一部地域を占領するウクライナ東部の住民の保護が目的と述べ、「ウクライナの占領は計画に含まれない」と主張した。ロシア軍は同日、ウクライナの軍事施設へのロケット攻撃を開始した。キエフなどの軍司令部が対象とみられる。

 ウクライナのクレバ外相はロシアがウクライナへの大規模な再侵攻を始めたと述べた。複数の都市が標的となっているとして「全面的な攻撃だ」と非難した。ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市オデッサやマリウポリに上陸作戦をしかけているとの報道もある。米CNNは24日、現地時間早朝にウクライナの首都キエフで複数の爆発音が聞こえたと報じた。

 プーチン氏の決定を受け、バイデン米大統領は「悲劇的な死と苦しみをもたらす計画的戦争を選んだ」と非難した。
 プーチン氏は24日早朝(日本時間同日正午前)に国営テレビで放送したビデオ声明で表明した。「(ウクライナ東部の住民が)ロシアに支援を求めている。ウクライナ政権によるジェノサイド(集団殺害)にさらされている人々を保護するために(地域の)非軍事化を目指す」と説明した。あくまで人道目的での軍事作戦だと強弁した。
 「ロシアの計画にはウクライナの占領は含まれていない」と説明し、ウクライナに抵抗を諦めるよう迫った。ロシアは2014年に一方的に併合を宣言したウクライナ南部クリミア半島についても、「住民の意向」を理由に占領だと認めていない。米欧でプーチン氏の発言に懐疑的な見方が広がることも予想される。




 プーチン氏は「北大西洋条約機構(NATO)がロシアとの国境に迫っている」と従来の主張も繰り返した。ロシア国民が米欧からの脅威にさらされているとの危機感をあおり、軍事作戦の支持を得る狙いがある。
 バイデン氏は「同盟国は連携して断固とした措置を取る」と強調した。米欧はロシアがウクライナに再侵攻すれば、厳しい経済制裁を科すと警告してきた。軍事作戦の決定を受けて、さらに踏み込んだ制裁の検討に入る。
 プーチン氏の決定に先立つ23日、ロシアのペスコフ大統領報道官は親ロシア派武装勢力が「ウクライナ軍の攻撃を撃退するため」の支援をプーチン大統領に要請したと明らかにしていた。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は攻撃に先立って24日に公表したビデオ声明で「戦争は望まないが、国土や自由が奪われようとすれば防衛する」と表明した。
 ゼレンスキー氏はロシア指導部がウクライナへの攻撃を承認したとも指摘した。プーチン氏との電話協議を試みたが、反応を得られなかったことも明らかにした。
 ロシア航空当局は24日、ウクライナ東部との国境に近いロシア南部ロストフ州上空付近の空域を部分的に閉鎖した。民間航空便の「安全性を確保するため」と説明している。ウクライナ航空当局も「潜在的な危険」があるとして同国の上空域での民間機の飛行を制限した。

 国連安全保障理事会は日本時間24日午前11時半すぎから緊急会合を開催した。グテレス国連事務総長は会合後、記者団に対し「人道の名の下に、軍隊をロシアに戻すよう(プーチン)大統領に求める」と述べた。「開戦を許してはならない。今世紀最悪の戦争になる可能性があり、ウクライナにとって壊滅的なだけでなく、ロシアにとっても悲劇的な結果をもたらす」と訴えた。
 ロシア軍は21年10月下旬からウクライナとの国境地帯に部隊を集め、現在までに最大19万人が集結しているとみられる。
 プーチン氏は21日にウクライナ東部ドネツク州とルガンスク州の親ロ派が実効支配する地域の独立を一方的に承認したうえで、軍を派遣する方針を決めた。
 これを受け、ロシア議会上院は22日、国外へのロシア軍派遣を全会一致で承認した。プーチン氏はウクライナ東部紛争の和平条件を定めた「ミンスク合意」について「もはや存在しない」と一方的な破棄を宣言した>(以上「日経新聞」より引用)



 私は「常識的に」ロシアのウクライナ侵攻はあり得ないと考えていた。たとえウクライナを占領したとしても、ロシアが手にする利益は何もないからだ。しかしプーチン氏は常識的な人物ではなかった。
 プーチン氏はウクライナがNATOに参加すると西側の脅威がロシアに迫るから、その脅威に対してロシアは行動を起こすのだ、とテレビに登場してナンチャラ表明していたが、そんなことは嘘っぱちだ。隣国が赤に染まれば時刻も赤に染まる、とは。ミサイルが大気圏外にまで飛び交う現代にも拘らず、お前の頭は大砲と銃と歩兵しかいないナポレオン当時のままか、とプーチン氏を嗤う。

 ウクライナを親ロシア国に繋ぎおくためには、軍事的脅威を示したりクリミア半島を併合したりしたことは誤りだった。むしろ米国が日本に対して行っているように、クリミア半島のセヴァストポリ海軍基地を「利用させて頂いている」から、基地使用料を支払う、とウクライナ政府に申し出るべきだった。
 しかしロシアはタダで使用した挙句、クリミア半島そのものを軍事侵略してしまった。それで「ウクライナよ、仲良くしようぜ」と呼びかけるのはお門違いではないか。しかも東部二州のロシア人に工作資金を渡して武装組織化し、反ウクライナ政府・強盗集団を結成して武力闘争を続けている。

 断っておくが、武装組織を作るにも武力闘争を続けるにも莫大なカネがかかる。たかが銃弾一発でも千円近い。砲弾ともなれば120mm滑腔砲は一発100万円程するといわれているし、それを発射する砲身でも大雑把に見積もって2200万円ほどだ。ミサイルでは、たとえば迎撃ミサイル・パトリオット一発の値段は米陸軍調達価格で388万ドル(約4億2680万円)ほどだ。
 それだけの軍資金を「民間組織」で調達できるだろうか。しかも武装勢力の兵隊は7,000人から1万人もいるという。彼らを養うのにどれほどのカネが必要かお分かりだろうか。彼らは2014年当時から約8年間も武力闘争をウクライナ政府軍と続けてきた。その軍資金を賄うのに「民間組織」で可能か、誰が考えても明らかではないか。

 つまりロシア政府の傀儡としてウクライナ領内で「新ロシア派」と称する武装集団を作って反政府活動を公然と行ってきた。それに対してウクライナ政府が手を焼いていたのもあるが、斡旋として出された「ミンスク合意」に手を打ったが、元々守る気などさらさらなかった。
 ウクライナは独立国だ。その独立国に手を出して親ロシア派武装勢力なるものを創設して、政府軍と激しく対峙していたのはロシアが裏で糸を引いていたからだ。ウクライナは二州の一部とはいえども独立は認められないし、ロシアの軍事侵攻など断じて認められない。

 テレビの評論家諸氏の意見を聞いていると「ロシアは莫大な外貨準備高があるから、当分の間戦争遂行できるだろう」などと能天気な発言をしていた。彼らは貿易が「二国間取引」で行われると勘違いしているようだ。国内ですら他行へ振り込む際には、直接他行の銀行口座へ送金されるのではなく、一旦日銀の当座預金口座を経て他行の預金口座へ振り込まれている、ということを知らないのだろう。
 当然ながら、国家間の貿易決済はすべてSWIFTコードを通して米国FRBを通して決済される。それこそがドルが基軸通貨と呼ばれる所以だ。米国政府がロシアのSWIFTコードを取り上げれば、いかにロシアが「外貨準備」たる米国ドルを保有していようが、貿易は停止される。ロシアが外貨を45兆円持っていようが、それは米国政府の決断次第で一瞬にして「無価値」となってしまう。

 ロシアは溜め込んだ砲弾やミサイルや戦車などで戦うしかない。それに引き換え、ウクライナは西側自由主義国の支援により、永続的な戦闘遂行能力を保有できる。なぜ日本が南方作戦で優勢から劣勢へと転じて遂には敗退したのか。兵站が断たれたのと時同じくして、本国でも物資が枯渇していたからだ。砲弾がなければ発射することは出来ない。
 プーチン氏はウクライナ全土を占領するつもりだろう。彼は既に冷静な判断力を失っている。判断能力だけではない、誇大妄想狂という独裁者が最も罹りやすい病魔に憑りつかれている。彼は間違いなく、この戦争で独裁者としての生命を絶たれるだろう。だが彼の命などどうでも良い。ただその間に失われるウクライナ国民とロシア国民の命が少しでも少なくて済むように祈るしかない。

<追記>
 バイデン氏はSWIFTコードをロシアから取り上げる提案をしたそうだが、英国やEUが反対したという。世界第三位の産油国ロシアを国際貿易から外すと、今以上に原油が逼迫して原油価格が高騰する、というのが理由のようだ。
 確かにロシアを国際貿易取引から外す措置は大きな代償を世界各国に与えるだろう。だが、世界各国が原油価格の高騰くらいの代償を払わないで、ウクライナ国家存亡の危機を救えるはずがないではないか。バイデン氏やマクロン氏やシュナイダー氏は、揃いも揃って現代のチェンバレンか。なぜ米国や英国はそれぞれの油田を増産し、産出国に増産要請を真剣に行おうとしないのだろうか。ロシアを徹底的に叩かないで、他の独裁専制国家がロシアの真似をしたらどうするつもりか。先進民主主義諸国がポンコツ政治家でも務まる仕組みになっているツケが思わぬところで出てしまった。世界の先進民主主義諸国の国民はこのウクライナ危機に際して、独裁者プーチンの禍々しい野望を打ち砕くために「欲しがりません勝つまでは」と声を上げようではないか。

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