プーチン氏がロシア大統領である限り、国際社会はロシアをデカップリングすべきだ。

<北京で冬季五輪が閉幕した翌21日、世界が一気に緊張に包まれた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナ東部の親ロシア勢力が自称する「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」の〝独立〟なるものを承認し、両地域へ「平和維持」の目的でロシア軍を派遣すると命じたからである。

 米国のジョー・バイデン大統領は、ロシアによる〝独立承認〟を「国際法への明白な違反」と非難。西側諸国が続々とロシアへの経済制裁を発表したが、何とも迫力不足だ。ロシア側はこの事態に備え、すでに「大量の外貨を準備済み」ともいわれている。日本時間の23日午前にも、バイデン氏は新たな制裁発動を表明したが、残念ながら「後の祭り」感だけが強い。
 返す返すも、1月19日の「小規模な侵攻なら対応の仕方には議論を要する」というバイデン氏の失言が悔やまれる。あれが、プーチン氏に「いける」と思わせた。そして、一連のプーチン氏の手際や国際社会の動きを見て、「オレもいける」と、中国の習近平国家主席も思っただろう。

 本稿では、ウクライナの平和を祈りつつ、現時点までの世界の動きを「他山の石」とすべく振り返っておく。
 ポイントは3点ある。第1は「情報戦」、第2は「独立勢力」、第3は「資源」だ。「情報戦」から見ていこう。
 今回、ロシアが仕掛けた情報戦の特徴は、ウクライナ側の「戦意喪失」を狙った国際世論の形成にあったと思う。その中で私が驚いたのは、日本のメディアの強い「親露バイアス」である。日本の大メディアの大半が、「親露派の多い東部では」とか、「ロシア語を話すロシア系住民」と当たり前のように言っている。1月27日発行の本コラムで詳述したとおり、ウクライナ東部住民の多くがロシア語話者ではあるが、イコール「ロシア系住民」でもなければ、ましてや「親ロシア」とは程遠い。「言語とアイデンティティーは別」であり、むしろ「ロシアと徹底的に闘う人が大半だ」と複数の在日ウクライナ人が明言している。
 だが、奇妙なことに、こうしたウクライナ人の声は日本のメディアに載らない。日本メディアがウクライナ情勢を報じる際にはなぜか「ロシア専門家」を呼ぶことが多く、彼らは、ロシアを諌めるようなことを少々言って自身への批判を避ける保険をかけつつも、「ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)加盟を諦めざるを得ない」かのような「本音」をやんわり言うのである。結局は「プーチンの代弁者」というわけだ。
 こうした親露バイアス情報があふれたためか、テレビのコメンテーターが「ウクライナ人は、なぜロシアになるのが嫌なのか?」というおバカ質問をウクライナ人にしてみたり、ネット上にも「プーチンばかり悪者にするな」「ウクライナは腐敗国家だ」といった声が増えたりした。「所詮世界は『やったもの勝ち』だ」という、利いた風な他人事的な声も少なくない。
 いずれも、本件が、国際法の禁じている「武力による威嚇」「力による現状変更」であることを忘れた声。まさに、侵攻側に都合のいい「世論」が作られているといえる。

 第2の「独立勢力」については本紙読者ならすぐにピンとくるはずだ。この約10年、隣国によって〝着火〟されてきた「沖縄独立論」と、それに乗る勢力の存在である。仮に、隣国がつくった「独立勢力」が、国内の外国勢力と組んでそれなりの数を確保し、「独立」宣言をしたらどうだろう。隣国は喜んでそれを承認し、自国軍を送る口実にするにちがいない。

 第3の「資源」とは、欧州諸国が天然ガスの供給をロシアに頼っている現状にある。「脱炭素」にかじを切ったいま、生命線である天然ガスの蛇口を仮想敵国に握られるという、最悪の自業自得シナリオのなかで、「対露制裁」などと言っても、迫力があるはずがない。
 生産拠点や市場はもちろん、太陽光パネルから、電気自動車の原材料の供給まで中国に頼っているわが国は、まさに欧州と相似形だ。ロシアのウクライナ侵攻と同じシナリオで、中国が沖縄に侵攻する状況は容易に想像できる黒未来である>(以上「夕刊フジ」より引用)



 日本の評論家には親中派や親露派が多い。彼らがなぜそうなったのか、知りたいと思う。
 なぜなら日本国民が親中派や親露派になる要素など何もないからだ。中国は云わずと知れた世界最大の反日国家だ。そしてロシアは終戦直後のドサクサに紛れて北方領土を奪ったまま居座っている。そんな両国にシンパシーを感じる理由は何なのか。

 中国はロシアのウクライナ侵攻に欣喜雀躍かというとそうでもないようだ。なぜなら中国のロシア製兵器のコピー・ポンコツ兵器のノウハウはウクライナ経由で得ていたからだ。
 空母遼寧がウクライナからスクラップとして輸入したものをリフォームしたものということは御存知だろう。戦闘機にしても、中国はロシアから輸入した戦闘機を勝手に分解して劣化コピー版の戦闘機を製造した。しかしジェットエンジンはコピーしても製造できなかったため、ウクライナから輸入して中国で製造した機体に搭載している。

 そうした兵器のノウハウの多くを得ていたウクライナがロシア支配下になれば、これまでのようにロシア製兵器のノウハウが手に入るとは思えない。そうすると台湾進攻を目前にしている中国空軍戦闘機の整備が出来なくなる可能性が高い。
 だから中国の脅威という側面では、ロシアのウクライナ侵攻は日本にとって少なからず恩恵がある。ロシアが強大化すれば、当然ながら中ロ関係は悪化する。独裁者が二人並び立たないのは歴史が証明している。

 独立国家ウクライナをロシアが侵略した事実は簡単には消えない。ロシア人とウクライナ人は征服者と被征服者という、相容れない関係になってしまった。それは今後長くロシアの発展を阻害するだろう。
 そしてロシアは国際社会からも排除されるだろう。話し合いの出来ない、何でも軍事力で片づける野蛮な国家として、国際社会はロシアを話し合いの仲間から外すだろう。そして何よりも、国連が全く「戦争抑止」に関して機能しないことを証明した。国連の幹部を自任している安保理常任理事国が他国を侵略したのだから、国連は一切言い訳出来ない。

 世界人類は軍事力や戦争に頼らない国際社会秩序を、力を合わせて構築する方途を真剣に探るべきだ。いかに小さな国といえども、主権を尊重され発言権を平等に確保する国際機関の創設を、人類は真剣に議論しよう。「常任理事国」などという、何の役にも立たない、むしろ世界の厄災しかもたらさない制度をいつまでも温存している「国連」など不要だ。
 核兵器を保有している国には一定のペナルティーを科すべきだ。プーチン氏は尊大にも「我が国は核兵器を大量に保有している」とテレビカメラに向かって「だからロシアの云う事を聞かなければ滅ぼすゾ」と世界人類を脅した。プーチン氏は神をも畏れない人類の敵だ。このような独裁国家と「儲かるから」と取引をしている国は日本も含めて恥ずべきだ。世界からロシアをデカップリングすべきだ。少なくとも先進自由主義諸国は対露デカップリング策を厳密に遂行すべきだ。なぜならプーチン氏こそ人類の敵だからだ。プーチン氏がロシア大統領である限り、国際社会はロシアをデカップリングすべきだ。

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