戦争に勝者はいない。
<ウクライナ東部で政府軍と戦闘を続ける親ロシア派武装勢力は18日、政府軍から再び砲撃を受けたと主張した。
インタファクス通信が伝えた。
親ロ派武装勢力「ドネツク人民共和国」は、ウクライナ政府軍が自らの支配地域に砲撃を加えたと非難。ルガンスク州の親ロ派も迫撃砲を撃ち込まれたと主張した。17日にも攻撃を受けたと主張する親ロ派に対し、政府軍は親ロ派が仕掛けたと反論している>(以上「時事通信」より引用)
ウクライナ東部の領内に棲みついているロシア人が内乱を起こして、ロシア人保護の名目でロシア軍がウクライナ領内に進軍する、というのがもっとも有りそうなロシアの軍事侵攻だ。しかし、そんな古典的な手法が現代で通用する、と考える方がどうかしている。
米国の複数の偵察衛星がウクライナを絶えず監視しているし、ドネツク州などには高高度から米軍のドローンが監視しているはずだ。攻撃したのがロシア人かウクライナ人かは識別が付くはずだ。
いずれにせよ、ロシアがウクライナに侵攻する得失は圧倒的に損失の方が大きい。そしてプーチン氏個人にとっても、ウクライナ侵攻は厄災しかもたらさない。プーチン氏が「ウクライナ侵略は考えていない」と発言しているのは、おそらく本心だろう。
しかし10万を超える軍隊を国境近くに集結させれば不測の事態が起きかねない。引用記事にある通り、ウクライナに属している国境近くの州でロシア人にとって恵まれた境遇でないとしたら、不満を抱いているロシア人がウクライナ人に攻撃を仕掛けることは充分にあり得る。
戦争に勝者はいない。すべて敗者だ。なぜなら、戦うこと自体が敗者の選択だからだ。プーチン氏が敗者にならないためには速やかに軍を国境近くから引き揚げさせるべきだ。
ロシア人であれウクライナ人であれ、健康な若者を万人単位で殺し合わせて良いことなど何もない。バカな戦争ごっこを直ちにやめるのが賢明な政治家の取るべき道だ。