戦争狂の独裁者を倒そう。

＜米国のバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が１２日、電話で会談し、ロシアによる侵攻の懸念が強まるウクライナ情勢について協議した。米露両首脳は対話を継続する方針では一致したものの、米政府高官は会談後、記者団に「議論は平行線をたどった」と述べた。

　ユーリー・ウシャコフ露大統領補佐官によると、プーチン氏は自国の「安全の保証」に関し、米国と北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）から受け取った書面回答への返答を近く正式表明すると伝えた。米国とＮＡＴＯは１月下旬の回答で、ウクライナをＮＡＴＯに加盟させない確約を拒否しており、プーチン氏の返答が焦点となる。
　ウシャコフ氏は、約１時間の会談でバイデン氏がロシアの安全保障上の懸念について、プーチン氏に見解を示したことを明らかにした。ただ、ウシャコフ氏はバイデン氏の説明は「ロシアの主要な懸念に留意していない」と失望をあらわにした。プーチン氏はＮＡＴＯの東方拡大やウクライナへの軍事支援を批判した。
　米ホワイトハウスの声明によると、バイデン氏はロシアが侵攻すれば「米国は同盟国とともにロシアに対し迅速かつ厳しい代償を科す」と改めて警告した。侵攻に踏み切れば、たくさんの人を苦しめ、ロシアの国際的な地位も低下するとも語り、自制を促した。
　ウシャコフ氏によると、バイデン氏は、ロシアを「大国で競争相手」と評し、「世界の安定と安全保障のためにあらゆることをすべきだ」と説得を試みた。これに対し、ウシャコフ氏はロシアの侵攻が近いとの観測に関し「米国が人工的にヒステリーを作り出している」と述べた。
　米政府高官は会談後も、ロシアがウクライナに侵攻する可能性は依然、「明確にある」と指摘し、「ロシアが外交的解決を望んでいるのかは判然としない」と述べた。米国は、侵攻した場合にロシアに科す厳しい制裁の準備を加速させ、侵攻の抑止を図る方針だ＞(以上「読売新聞」より引用)

　ロシアがウクライナを占領したとして、ロシアに何がもたらされるというのだろうか。プーチン氏はNATOがウクライナまで勢力下に置くのはロシアの危機だ、というのなら、北方領土をロシアが占領しているのは日本の安全保障上の重大な機器ではないのか。

　プーチン氏には儒教の素養など無いのだろうが、孔子は「己（おのれ）の欲（ほっ）せざる所（ところ）は人（ひと）に施（ほどこ）すこと勿（なか）れ」と教え諭している。ウクライナがNATOに参加するのは「ロシアの脅威」だが、北方領土にミサイル基地を建設しても構わない、というのは理屈に合わない。理屈に合わないことを「理不尽」という。プーチン氏は理不尽な人物だ。つまり常識のない御仁だということだ。

　バイデン氏はロシアが明日にもウクライナに侵攻する、と騒ぎ立てている。しかしロシアがウクライナを占領して何になるというのだろうか。チェチェンを軍事侵攻して併合したが、チェチェン人によるテロにロシア人は長く怯えたではないか。まさにロシアのソチ五輪は、そのチェチェンの地で行われたことを忘れてはならない。

　ロシアは侵略国家だ。それは中国と全く変わらない。その両者は国民の平均寿命を超えた高齢者だ。中国人の平均寿命が82歳というのは正確ではない。プーチン氏も習近平氏も国民の平均寿命が尽きた命を生きている。分別を弁えるには充分な年を生きているはずだが、独裁者の地位は人を狂わせるもののようだ。

　プーチン氏は20兆円を超える金融資産を蓄えているという。習近平氏も兆円を超える資産を他国(主として米国内に)に蓄えているという。ロシア国民や中国国民にとっては想像を絶する巨万の富だ。ことにプーチン氏の金満家ぶりは世界一だという。

　そのプーチン氏が敢えて金融資産をすべて凍結されるような愚行を選択するだろうか。プーチン氏が国家ロシアをかつてのソ連の版図に戻して「大ロシア」を建設する悪夢に憑りつかれているのなら別だが、正常な判断能力が彼に残っているなら、ウクライナ侵攻など決してしない。たとえ軍事展開が成功したとしても、ロシアが失うものは余りに大きい。もちろんプーチン氏個人が失うものも甚大だ。

　しかしウクライナ侵攻は成功しないだろう。他国を攻め落とすには十倍する軍事力が必要とされる。ロシア全軍80万を投入したとしても、ウクライナには予備役も含めて約50万の軍隊がある。欧米から搬入された各種最新ミサイルが戦車や戦闘機を容易に破壊するだろう。

　市街戦になれば地の利はウクライナ国民の側にある。しかもロシア軍の兵站は延びるばかりだ。マスメディアはウクライナ領内のロシア人が反・ウクライナ行動やテロを起こすと予測しているが、ロシア領内の反・ロシア勢力が政府機関にテロを実施しない保証はない。そして反・プーチン勢力がロシア内で力を得ていることも忘れてはならない。ロシア国民も物価の高騰というインフレに見舞われている。戦争の食糧調達により食料価格が高騰すれば国民の不満が一気に高まることも想定しなければならない。

　極寒の地で軍事行動を起こすのは自殺行為だ。ロシアに攻め込んだナポレオンが敗退した極寒期に、守る側ではなく侵略する側として戦争するロシア軍はナポレオンの故事そのままに敗退することもありうる。

　敗退すればプーチン氏は命すら危うくなる。彼を守る盾となる国家機関も離反しかねない。もちろん欧米を中心とする経済制裁を受けるのも想定しなければならない。日本も輸入原油の一割を占めるロシア原油の購入を停止しなければならないだろう。米国バイデン政府はシェールオイルの掘削禁止措置を早急に解くべきだ。ロシアを追い詰める確実な手は米国が原油産出を増産することだ。「CO2温暖化」などという大嘘利権スローガン満載のパリ協定など糞喰らえだ。世界平和のために、この際ロシアの独裁者を倒さなければならない。次は中国の独裁者だ。