「検査と隔離」を愚直に進めよ。

専門家としての責任ある発言といえるのか。
 政府の新型コロナ対策を議論する「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、1都12県への「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の追加適用を決めた19日の会合後、これまでの「人流抑制」から「人数制限」に対策をシフトすべきだとする考えを述べた。

 尾身氏は「渋谷の交差点で感染はほとんどしない」「ステイホームなんて必要ない」「対策をとれば飲食店を閉める必要はない」などとも語った。発言の一部を切り取って批判するのは避けたいが、今回の発言はその全体が科学的な整合性を欠いた無責任なものと言わざるを得ない。政府や自治体の対策をいたずらに混乱させ、国民の意識に悪影響を及ぼす恐れもある。尾身氏には責任ある説明と対応を強く求めたい。
 尾身氏は「オミクロン株の特徴にあったメリハリのある効果的な対策が重要だ」と述べた。ここまではその通りだ。戸惑うのは「人流抑制」から「人数制限」への唐突感である。分科会と尾身氏はこれまでオミクロン株に比べて感染力が弱かった従来株への対策として「人流抑制」の必要性を強く訴えてきた。どうして感染力の強いオミクロン株に対しては、それが必要でなくなるのか。
「渋谷の交差点ではほとんど感染しない」という発言に科学的根拠があるのなら、人流抑制を強く求めてきた従来のコロナ対策が間違い、もしくは過剰であったと認めなければなるまい。
 蔓延防止措置が適用され、飲食店への営業時間短縮要請など従来型の対策が動き出そうとする段階になって「後だし」のように方針を変えるのも不誠実である。尾身氏の考え方は専門家組織有志の提言案にも盛り込まれた。
「それならもっと早く言ってくれ」というのが、飲食店や自治体の正直な思いであるはずだ。
「人流抑制」から「人数制限」への方針転換自体は間違っていないのだろう。社会、経済活動を回しながら第6波を乗り切るために科学的、総合的に検討し推進すべきだ。時期や立場を逸した尾身氏の発言による混乱が、その妨げになることがあってはならない。
 尾身氏は東京五輪の開催や無観客をめぐっても科学的根拠を示さない見解が見受けられた。分科会が専門家集団として機能してきたかも問われる。
 22日の東京都の新規感染者は、前日より1528人増の1万1227人。直近1週間の平均新規感染者は7145人で、前週の3倍となった。病床使用率は34・3%で、重症者は前日から1人増の12人。死者は3人だった。
 この日の新規感染者は大阪府で7375人、愛知県で3457人、神奈川県で3408人、福岡県でも2833人に上った。
 感染拡大に伴い、療養者も急増している。厚生労働省によると、22日時点の全国の療養者は前日より3万5915人増えて25万5578人となり、これまで最多だった昨年8月30日の23万1772人を上回った。都道府県別では東京都が4万8039人と最多で、次いで大阪府3万7988人、神奈川県1万6936人など。
 東京や広島、沖縄など19都県では、事前に想定していた第6波の療養者数をすでに上回っている。広島県では想定の3091人に対し、1万1210人と4倍近くに上り、沖縄でも想定(6744人)の2倍近くの1万1096人が療養中だ。
 ただ、第6波で主流の変異株「オミクロン株」は無症状や軽症者が多く、病床使用率は広島県で34%(21日)、沖縄県で61%(22日)などとなっている。重症者は22日時点で424人と、昨年8月30日(2075人)の2割にとどまる。しかし、重症者は感染者の増加から少し遅れて増える傾向にあり、各自治体は病床の確保を急いでいる>(以上「産経新聞」より引用)



 尾身会長の発言は常軌を逸している。感染症の専門家として、如何なものかと怒りを禁じえない。なぜ後の期に及んで「人数制限は関係ない」などとトンチンカンな発言をしたのだろうか。
 そもそも政府・厚労省は「検査と隔離」に否定的だった。ことにpcr検査の拡大に対して拡大に転じたのは第六波が感染拡大し始めた時からだ。それまでは終始一貫して全国で一日数万人規模のpcr検査しか実施して来なかった。諸外国が一日当たり百万人単位でpcr検査をガンガンしているにも拘らずだ。

 そして今に到ってpcr検査を拡大実施し始めたは良いが、検査処理能力が追い付かず検体提供から検査結果が出るまで数日かかるようになった。諸外国では一時間足らずで結果が出るというのに、だ。
 その感に検体を提出した者が隔離室に留まっていることはなく、出勤したり会合へ出掛けたりしている有様だ。しかも尾身分科会会長が「人流制限は意味がない」などと気が狂ったとしか思えない仰天発言する始末だ。

 言いたくはないが、分科会の委員をしている医療関係者たちにファイザー社などの製薬企業から「製薬マネー」が支払われているという。彼らは製薬会社が儲かるように世論誘導しているとしか思えない。彼らの発言を時系列で並べてみれば明らかだ。
 彼らは押し並べてpcr検査の有効性を否定していた。しかも「隔離」の必要性も言及せず、自宅待機を提言したのも彼らだ。そして感染は蔓延した。

 第六波が各線爆発するズーッと以前から、私をはじめネット市民の多くはpcr検査の拡大実施を主張していた。感染患者の少ない時こそ、面的なpcr検査を実施して武漢肺炎ウィルスを閉じ込めて終息させるチャンスだと提言していた。
 しかし政府・厚労省がpcr検査を拡大実施し始めたのは第六波の感染拡大が始まってからだった。年末年始の移動に関して、政府・厚労省は強く「移動するな」と警告することもなかった。そして現在の一日5万人を超える新規感染患者の感染爆発を迎えた。だが、それでもなお「検査と隔離」が感染症対策の大原則であることに変わりない。愚直に大原則を推進すべきだ。

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