米国大統領は信用できるのか。

<退陣間際に「菅外交」の締めくくりとして日米豪印4カ国(クアッド)と日米首脳会談に臨んだ菅義偉首相は、「4カ国の強い結束」を示したと意義を強調した。ワクチン提供や先端技術など、非軍事での連携を確認したのが特徴だ。ただ、各国の対中アプローチの思惑の違いから、枠組みの性格付けや対中牽制(けんせい)の実効性には課題も残した。

 一連の首脳会談はバイデン米大統領の呼びかけによるものだ。来月の20カ国・地域(G20)首脳会議の際に模索する米中首脳会談を前に、初対面で日米豪印の結束を示すとともに、アフガニスタンからの米軍撤退での混乱を払拭(ふっしょく)し、米国主導のアジア外交を国内外に印象づける狙いがあった。
 だが、最近の米国は対中競争の「焦り」から、失点も目立つ。クアッド会談の直前に突如、軍事面での協力を重視した米英豪による新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設。日印への十分な相談もなく、バイデン政権の「同盟重視」に傷がついた>(以上「朝日新聞」より引用)



 退陣間際の首相が外交の表舞台へ出掛ける、というのは如何なものだろうか。クアッドは国会で議決した四ヶ国連合ではない。ただ前首相の安倍氏が呼び掛けて結成された四ヶ国戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)だ。
 国内で報じられているほど対中包囲網を形成する「軍事協力」ではなく、普通に意見交換しよう、という程度のものでしかない。ただクアッドには対中包囲を強く滲ませたものであることに変わりなく、四か国首脳が一堂に会した意義は大きい。

 しかし米国は本気で海洋進出する中国の脅威に対処しようとしているのだろうか疑問の残るところだ。なぜならアフガニスタン撤退後も、バイデン氏は中共政府に「敵対ではなく、競争だ」と協調を呼びかけ、米中関係をそのように位置づけているからだ。
 しかも事前に日印への十分な相談もなく、米英豪による新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設した。かつて「宗主国」だったユニオンジャックの許に米豪が参集した、という印象が強いが、そうした関係なら英国が植民地支配していた印に対して挨拶がなかったのは何故だろうか。

 軍事連携するのなら、連携する諸国に隠し事は良くない。それとも米国は対中包囲網の主導役をやめたのだろうか。昨日のクアッド初の首脳会合でも「対中包囲」は議題にならなかったようだ。
 記事によると「(バイデン氏は)初対面で日米豪印の結束を示すとともに、アフガニスタンからの米軍撤退での混乱を払拭(ふっしょく)し、米国主導のアジア外交を国内外に印象づける狙いがあった」と朝日が報じているが、果たしてそうだろうか。それなら敢えて会談の直前に「AUKUS(オーカス)」を創設して、クアッドの足並みを乱す必要はなかったはずだ。

 バイデン氏の症状はかなり悪化しているのだろうか。彼の外交には理解し難いところがある。行動原理に一貫性があるようには思えない。
 現在の米国にとって最大の脅威を与えているのは間違いなく中共政府の中国だ。西部砂漠に百基以上もの弾道ミサイルのサイロを構築し、三十数機ものGPS衛星を打ち上げて米軍を上回る精度のGPSを運用している。それらは米国をターゲットにした核戦略ではないのか。日本を標的にするのなら短距離ないし中距離ミサイルで充分のはずだ。

 本気で共通の敵と対峙しようとしない仲間を信頼できるだろうか。中国が台湾に侵攻し、尖閣諸島を簒奪しようと仕掛けて来た時、米国は頼りに出来るのだろうか。
 バイデン政権になってから、トランプ氏が対中デカップリングを強力に推進しようとした危機感が米国から消え去ってしまったようだ。日本の経済界も未だに「儲け第一主義」で中共政府に秋波を送っている連中が主流を占めている。もちろん米国ウォールストリートに巣食っているDSたちも、未だに中国で一儲けしようとしている。「他国のバブル崩壊は甘い蜜」を日本でタップリ味わったから、中国で「もう一度」と思っているのかも知れない。

 やはりバイデン氏は中共政府のエージェントなのだろうか。米国と米国民を売り渡そうとしているのだろうか。米国大統領が習近平氏とテーブルの下で手を握っているとしたら、日本は頼りにならない用心棒を国内に抱え込んでいることになる。これほど危険なことはない。
 米国には前歴がある。歴史的に米国の対日政策は「遠交近攻」だった。中国と手を結んで日本を攻める戦略の延長線上に太平洋戦争があった。バイデン氏は信用できる米国大統領なのだろうか。

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