「いざ」という時に米国はアテになるのか。
<米ホワイトハウスは27日、バイデン大統領が中国の習近平国家主席との最近の電話会談で、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を巡る問題について取り上げたことを明らかにした。 ホワイトハウスのサキ報道官によると、バイデン大統領は、孟氏が拘束された数日後に中国当局に拘束されたカナダ人の実業家マイケル・スパバ氏と元外交官マイケル・コブリグ氏についても、同電話会談で取り上げた。 サキ報道官は「米国の対中政策に変更はない」とし、「米国は紛争を望んでいない。米中は競争関係にあり、われわれは中国の不公平な経済慣習、威圧的な行動、人権侵害を追及していく」と述べた。
孟氏は2018年12月、イラン制裁問題に絡む銀行詐欺容疑を主張する米国側の要請に基づきカナダで拘束されたが、米検察当局は今月24日、孟氏と訴追延期合意(DPA)を結び、孟氏に対する刑事訴訟を終わらせると発表。これを受け孟氏は25日、中国に帰国した。同日、中国当局に拘束されていたカナダ人2人も帰国した>(以上「REUTERS」より引用)
バイデン氏は現代のチェンバレン氏か。かつて英国首相だったチェンバレン氏は1938年9月29日から30日に開催されたミュンヘン会談に臨み、チェコスロバキアのズデーテン地方に侵攻したドイツ総統ヒトラーの言い分を是認した。「欧州の平和のため」と言い訳したチェンバレン氏も「紛争」を望まなかったのだろう。結果として軍事侵攻に味をしめたヒトラーはその後も次々と近隣諸国に軍事侵攻し、世界大戦へと突入していった。
前・トランプ大統領は「イラン制裁に絡む銀行詐欺容疑」として、カナダ当局が身柄拘束していた孟晩舟・HUAWEI副会長兼最高財務責任者(CFO)を米国への送還を要望していた。しかしバイデン氏は「紛争」を望まないとして、「司法取引」により孟晩舟氏を中国へ出国させてしまった。
中国ではヒロインが凱旋したかのような大騒ぎになっている。バイデン氏は「米国は紛争を望んでいない。米中は競争関係にあり、われわれは中国の不公平な経済慣習、威圧的な行動、人権侵害を追及していく」と述べたようだが、イラン制裁に反した孟晩舟氏の 疑惑はどうしたのか。
もちろん中共当局によって「報復逮捕」されたカナダ人の実業家マイケル・スパバと元外交官マイケル・コブリグ両氏の身柄解放も大事だが、米国政府として筋を通すべきだった。習近平氏の自由主義諸国に対する挑戦的な振舞を容認してはならない。自由主義諸国の盟主たる米国が毅然とした態度を中国に示さないようなら、米国を盟主と仰ぐ国々に動揺が起きないとも限らない。
「いざ」という時に米国はアテになるのか。その時に到っても「中国とは紛争を起こしたくない、競争の関係でいたい」などと寝言をほざくのではないだろうか。バイデン氏には一抹の心配がある。アテに出来ない用心棒なら、さっさと本国へ帰って頂きたい。そうすれば日本国民が本気で日本の防衛について考えるようになる。
その方が日本の未来にとって、良いのではないだろうか。