「脱炭素社会」など妄言でしかない。

<菅義偉政権は、ことエネルギー政策に関しては「最悪の政権」だった。何を勘違いしたのか、所信表明演説で「2050年、CO2(二酸化炭素)ゼロ」、つまり「脱炭素」を目玉にした。

 また、9月3日の退陣表明の直前に何をしていたかといえば、CO2削減の計画の審議だった。「脱炭素」と言えば人気が出るとでも思ったのだろうか。だがもちろん、支持率にはまったくつながらなかった。
 菅政権はまた、「30年までにCO2を13年比で46%削減」すると宣言した。これは従来26%だったところを、一気に20%も深堀りしたものだ。いま停止中の原発をすべて再稼働させても26%がやっとのところ、まったくの暴挙である。この数字は、そのままエネルギー基本計画の案に書き込まれ、総選挙後に閣議で審議されて決定される段取りになっている。 この案には、再生可能エネルギー推進(と反原発)に熱心な、河野太郎行革担当相と、小泉進次郎環境相の意向が反映されていて、太陽光発電のさらなる大量導入がうたわれている。

だが、金は一体いくらかかるのか。
 以前書いたが、太陽光発電の実績を見ると、20%の深堀には消費税率倍増に匹敵する年間20兆円の国民負担が発生する。世帯あたりなら48万円だ。どうして、そんなにかかるかって?
 まず、「太陽光発電は安くなった」などというが、それは中国・新疆ウイグル自治区の製品を使っているからで「ジェノサイド(民族大量虐殺)」との関係が濃厚だ。米国なみに禁止すれば太陽光発電パネルの価格は倍になる。
 いま流行りの洋上風力発電も、太陽光発電並みに費用がかかる。
 電気自動車も大量導入しようとしているがこれは1台あたり100万円以上余計にかかる。
 補助金の大盤振る舞いが予想されるが、その原資は税金や電気料金だ。金持ちは補助金をもらって喜ぶかもしれないが、庶民は貧しくなるだけだ。
 ああそれなのに、現行のエネルギー基本計画の案は、経済負担についてはひた隠しにしている。「環境と経済の好循環」を生み、「グリーン成長」で目標を達成するなどと、役所文学できれいごとを言うのみである。

 現実には「環境と経済の対立関係」は厳然と存在する。莫大(ばくだい)な経済負担が発生しそうな時、どう意思決定するのか。これを示さないのは国民を欺く行為である。
 そこで提案。今般の自民党総裁選にあたって、立候補者には「脱炭素政策によって新たな経済負担を国民に課さない」と公約させるべきだ。
 米国では、ジョー・バイデン政権が「中所得者に新たな課税をしない」という公約を掲げたことが効いていて、炭素関税の導入に歯止めがかかっている。選挙に、諸君の民意を反映させよう。それを受けた新政権は、エネルギー基本計画を国民の経済を守るよう、根本から見直すことだ>(以上「夕刊フジ」より引用)




 引用したのは夕刊フジに掲載された杉山大志氏(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)の論評だ。さすがに経団連御用達のシンクタンクの主幹らしい論評だ。
 「現実には「環境と経済の対立関係」は厳然と存在する。莫大(ばくだい)な経済負担が発生しそうな時、どう意思決定するのか。これを示さないのは国民を欺く行為である」とは
正しい。太陽光発電は火力発電よりもはるかに高くつく。原発も発電時のコストは火力よりも安いが、ウラン精製から放射性廃棄物処理費まで含めたトータルコストでは火力発電よりも高くつく。

 菅氏はそうしたコスト計算もなしに「排出ガス46%削減」と叫んでしまったのだろうか。杉山氏が慨嘆したように「菅義偉政権は、ことエネルギー政策に関しては「最悪の政権」だった。何を勘違いしたのか、所信表明演説で「2050年、CO2(二酸化炭素)ゼロ」、つまり「脱炭素」を目玉にした」のは後世に大きな禍根を残す大失政だ。
 「脱炭素社会」など出来はしないことを世界各国首脳が「ヤル」と、ヤルヤル詐欺を競い合っている。このブログで集団ヒステリーと揶揄した「CO2悪役」説など、ヒステリー状態から醒めれば「俺は何をしていたのか」と聞き返す程度の非科学的な論理だ。その非科学的な、殆ど新興宗教に近い呪文を世界各国首脳が唱えている。異常といえば、これほど異常なことはない。

 そもそも人体が「脱炭素」など出来はしないからだ。有機物の定義は炭素化合物ではないか。人は二酸化炭素濃度0.4%の大気を吸って、二酸化炭素濃度4%の呼気を吐く。100倍もの高濃度の二酸化炭素を大気中にまき散らしている存在を、自ら否定するとは何事だろうか。
 木を植えて「炭素循環」社会、だと自画自賛するのも滑稽だ。それは数十年単位の炭素循環だが、数千万年の炭素循環と考えれば化石燃料を燃やして何が悪いのだろうか。

 もちろん省エネに努めるべきだし、エネルギーの無駄な浪費は厳に慎むべきだ。しかし電気エネルギーがクリーンだという幻想に立脚した思考は止めた方が良い。それは自己欺瞞の塊だからだ。
 第一、電気エネルギーは決して高効率とはいえない。電気エネルギーは自然界にあるのではなく、人が造る二次エネルギーだ。一次エネルギーよりも二次エネルギーの方がエネルギー効率が良いなんてことは断じてない。つまり電気エネルギーを使用することは一次エネルギーの化石燃料で駆動する機関よりも多くのCO2排出を行っている。

 原発がトータルコストではなく「発電時のコストが安い」というレトリックに騙されたように、電気自動車は「走行時に排ガスを出さない」というレトリックに騙されてはならない。電気自動車はエネルギー多消費自動車だという認識こそが正しい。
 CO2濃度と温度上昇が正の相関関係にある、と主張している似非・科学者たちはここ10年間の気温とCO2濃度との関係を解説して頂きたい。そして数度あった氷河期と間氷期をCO2濃度変化で説明して頂きたい。

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