中国経済崩壊のトリガーは「戦狼外交」だ。

<巨額債務で経営危機に直面する中国不動産開発大手、中国恒大集団の子会社は22日、深セン証券取引所での公告で、23日に期限を迎える人民元建て社債の利払いについて、履行する方針を明らかにした。
 ただ、ドル建て社債の利払いについては言及しておらず、デフォルト(債務不履行)に対する懸念は続きそうだ。

 めどが付いたのは2億3200万元(約39億円)の利払い。しかし、同日にはドル建て社債で8350万ドル(約90億円)の利払いも別途予定されており、その後も年末まで、相次いで利払い期日が到来する。 
 同社は総額1兆9700億元(約33兆4000億円)と、中国の国内総生産(GDP)の2%に相当する負債を抱え、業界全体に影響が波及すれば、中国の金融システムが動揺する恐れがあると警戒されている。ここ数日は世界の金融市場も動揺。各国で株価急落を招いた>(以上「時事通信社」より引用)



 中共政府は恒大集団のデフォルトを回避したようだ。ハードランディングさせるのは国内経済というより社会治安に与える影響が大きいと判断したからだろう。
 ただ記事にあるように「人民元建て社債の利払いについて、履行する方針を明らかにした。
 ただ、ドル建て社債の利払いについては言及しておらず、デフォルト(債務不履行)に対する懸念は続きそうだ」とあるように、中共政府が「元」を増刷すれば済む「元」建て債務についてのみの措置のようで、対外「ドル」建て債務に関しては債務不履行に目を瞑るのではないか。なぜなら中共政府の外貨が乏しいからだ。

 しかし恒大集団が利払いに応じたのは「元」建て社債であって、国内零細投資家1,000万人から集めた「理財商品」に対するデフォルトに関しては何も説明していない。恒大集団のみならず、企業集団を形成している大企業の多くは「理財企業(投資・信託会社)」を傘下に持っている。それが企業集団全体の資金集めを担っている。
 多くの場合、中国の国営と民間を問わず、大企業の資金調達は正規の金融機関や株式市場から調達した資金と、「理財(投資証券)商品」を売却して民間から集めた資金との二本立てで運営している。日本では銀行法によって民間企業が「理財商品」を販売して資金集めするのは禁じられている。

 それは中国の金融システムが二極化してしまっていることが原因だ。銀行から借り入れができる企業は、基本的に国有企業か民営でも大手企業に限られる。銀行は総量規制で融資できる額が決められているので、安全な大手企業から貸し出していけば、一般企業が借り入れられる余地は極めて限られてしまう。
 通常の資金ニーズがある法人顧客は、健全な財務状況にあっても、銀行から通常の貸し出しを受けることができず、貸出基準金利(6%)を大幅に上回る金利で調達する「信託」や「理財商品」に組成されて、一般大衆投資家向けに販売されることになる。恒大集団の理財商品は金利20~25%だというから異常な高金利を餌に資金集めをしていたことになる。それは殆ど「ネズミ講」に近いといわざるを得ない。

 習近平氏は金融機関さえ守れば経済は崩壊しないと思っているようだ。しかし大企業の資金調達が金融機関と理財商品売却による民間からと二本立てであるなら、中共政府がコントロールできる金融は金融機関の投資資金だけだから、民間金融に関しては政府支配が及んでなかったことになる。
 中共政府の強権支配が全土に及んでいるかのように見える中国で、民間投資家が雲霞のごとく湧いていたのは習近平氏の想像外ではないか。しかし「内循環経済」に舵を切った習近平氏の経済戦略を今更改めるわけにはいかない。鄧小平氏の「改革開放」経済に戻してところで、撤退した外資が中国へ戻ってくる可能性はゼロだ。

 すでに習近平氏は中国内をグチャグチャにしている。学習塾撤廃令で全国の学習塾教師たち1,000万人が失業した。そして英語教育禁止令により数百万人の英語教師が失業したといわれている。
 社会不安は増大する一方だが、公務員のボーナス返上を決めた地方政府も出て来た。そして大企業に対して月給から一日分に相当する金額を政府に寄付するように求めている。質素倹約を旨とする生活を奨励し、レトスランで人数分マイナス1~2名分の注文すべきとし、食べ残しに対しては罰金を科すとしている。こんな国が前年比年率8%以上の経済成長しているだろうか。どんな統計数字を中共政府が出そうと、対前年比マイナスなのは明らかではないか。

 中国は確実に経済崩壊へと向かっている。その流れは誰も止められない。
 崩壊のトリガーを引いたのは「戦狼外交」だ。平和に世界の自由主義諸国との関係深めて、中国は徐々に民主化すべきだった。それが経済バブルの安全なソフトランディングの唯一の道だった。しかし習近平氏は彼が握った「独裁者」の権力に酔い痴れた。威張り散らせば中国民だけでなく、世界人類が彼の前に跪くと誇大妄想した。独裁者が陥るステレオタイプだ。歴史から学ぶなら、習近平氏が天寿を全うする途は亡命しかない。

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