9.11の記念式典でバイデン氏は演説すべきだった。

<バイデン米大統領は11日、米東部の3カ所で開かれた米同時多発テロから20年の追悼式典にそれぞれ出席したが、献花しただけで演説は行わなかった。同時テロをきっかけとするアフガニスタン戦争が8月に終結したが、米軍撤収時の混乱への批判は尾を引いている。「戦争を終わらせた大統領」とのアピールは影を潜め、バイデン氏の存在感は乏しかった。

 式典は航空機テロが起きたニューヨークとワシントン近郊の国防総省、ハイジャックされた航空機が墜落した東部ペンシルベニア州シャンクスビルの3カ所で開かれた。

 バイデン氏はジル夫人と共に全ての式典を回ったが、前日にビデオメッセージを公表しただけで、11日には演説しなかった。シャンクスビルではハリス副大統領やブッシュ元大統領(子)が演説し、前日のバイデン氏と同様に「団結」の重要性を訴えた。テロから10年の追悼式典では、当時のオバマ大統領がニューヨークで演説していた。

 バイデン氏が露出を控えたのは、アフガンでイスラム主義組織タリバンの復権を許したことや米軍のアフガン撤収時の混乱が非難されていることも理由だとみられる。今年4月に「9月11日までの米軍撤収」を表明した際には、世論の支持が高い「戦争終結」を実現した上で、20年の節目を迎えたい思惑があったが、実際には撤収時の混乱に厳しい声が向けられた。11日にシャンクスビルで記者団の取材に応じた際も、撤収時の混乱について問われ、「他にどうやれたというのか」と弁明した。

 一方、米メディアによると、トランプ前大統領は追悼式典には参加せず、ニューヨークの消防署や警察当局を訪問した。11日の声明では「(テロから)20年後の今年は本来、勝利と名誉、強さの年になるべきだったが、無能なバイデン政権は降伏した」とアフガンでの対応を批判した>(以上「毎日新聞」より引用)



 バイデン氏は9.11追悼式典でアフガニスタン撤退を丁寧に説明すべきだった。アフガン侵攻は20年前に9.11の報復としてブッシュ大統領が始めた戦争だ。それは一応の収束を迎えて、米国は報復から修復へと対アフガニスタン政策を転回する必要に迫られていた。
 もちろん9.11の主犯とされたウサマ・ビンラディン氏は特殊部隊の急襲で殺害済みだ。米国が報復すべきとしていたのはアルカイダであって、タリバンではなかった。しかし米国はアフガニスタンに民主政権が根付くことを願って関与し続けた。

 アフガニスタンからの撤退について、バイデン氏は堂々と説明すべきだった。なぜ撤退を急いだのか、それにより武装したタリバンがアッという間に大統領府に雪崩れ込む事態になったのはなぜか、ガニ大統領が碌な戦闘もなしに国外へ亡命したのはなぜか。
 アフガニスタンに必要なのは軍事介入ではなかった。アフガニスタン国民が自立できるような農業基盤整備や産業基盤投資などをすべきだった。米国が20年間も米軍を駐留させた軍事費に相当する農業支援や産業支援を行っていたら、現在のアフガニスタンは見違えるような国になっていたはずだ。たった一人の日本人医師が東北部の砂漠に灌漑水路を引いただけで農民が現地へ戻って来て、豊かな実りを手にしている。

 「恒産なくして恒心なし」という言葉がある。安定的な暮らしの礎がなければ、安定的な考えにはならない、という意味だ。タリバンが強奪や殺害を「稼業」として、全土を荒らしまわっていたのも「恒産」がないからだ。手に職もなく働く場もなければ、飢えないために人の物を奪うのが「常識」になる。タリバンのような盗賊稼業が成り立つのはアフガニスタンに「恒産」がないからだ。
 米国の青年に銃を持たせて派遣するのではなく、農業や鉱業(アフガニスタンには豊富な地下資源が眠っている)技術を支援する要員として、アフガニスタンへ派遣すべきだ、とバイデン氏はそうした演説を行うべきだった。自爆テロリストという狂気の犯罪者が生まれるのも「恒産」がないからだ。それは政治の問題でもあるし、支援する国際機関の問題でもある。アフガニスタンに必要なのは千人単位の中村哲氏だ。

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