アフガニスタンに必要なのは「自立のための支援」だ。

<イスラム主義勢力タリバンが17日、アフガニスタンで権力を掌握して初の記者会見を開いた。姿を見せたのは、これまで公の場に現れたことがなく、謎に包まれていた報道担当のザビフラ・ムジャヒド幹部。その発言に世界の注目が集まった。

 ムジャヒド幹部は会見で何を語ったのか。武力で政権を崩壊させたタリバンは、これからどう国家運営を進めるつもりなのか。敵対してきた国内各派や、抑圧してきた女性の扱いはどうなるのか。発言の裏に込められた意図を読み解く。

 タリバンは、政権の座にあった1996~2001年、女性の教育や社会進出を妨げて国際的な批判を浴びた。政権崩壊後の01年以降は反政府武装勢力となり、「市民を傷つけない」と言いながら民間施設を標的に自爆テロを頻発させた。会見で話す内容はうのみにできないが、タリバンが人権についてどう語るのかに注目が集まった。
 ムジャヒド幹部は「女性の人権を尊重し、差別はしない」と語り、通学や就業を認める考えを示した。ただ、それらは「イスラム法が認める範囲」に限るとした>(以上「朝日新聞」より引用)



 かつて帝国主義で欧米列強がアフリカやアジアを殖民地にしていた当時、それらの植民地では現地人による反乱が頻発していた。それに反して日本が併合した朝鮮半島や台湾で大規模反乱は起きていない。そして根本的な相違点はそれらの地が現地人の手に戻った後にある。
 朝鮮半島や台湾は独立国として「政府」が機能しているが、欧米列強が植民地にしていた地の多くは国内が未だに乱れている。なぜそうなのか、という検討がアフガニスタンの「明日」を考える上で必要ではないだろうか。

 つまりそれは欧米列強が現地を「搾取」することに心血を注ぎ、現地人の教育に意を注がなかったばかりか「愚民化策」すら行っていた。そして病院建設といった人が生きるために必要か社会インフラの構築すら怠っていた。
 それに反して、日本は併合した地に学校を建て病院を建設し、現地人のために田畑を開墾した。現在でも中国で美味しいコメは東北部の米だという。それは日本人がかつて入植した際に持ち込んだ「日本米」が今も栽培されているからだという。

 今のアフガニスタンにこそ日本人医師・中村哲氏が必要だ。彼は現地人が貧しいのは耕す田畑がないからだ、看破してマルワリード用水路を掘削して荒れ果てて砂漠化していた大地へ水を引いた。取水口から25キロの末端にあるガンベリ砂漠に到るまで、広大な大地を緑化し、実り豊かな農地に変貌させた。それにより離散していた住民は戻って来て、農地を耕作し安定した暮らしが送られるようになった。
 残念なことに2019年12月4日に灌漑現場を見廻るために出掛け、現地ヤクザに襲撃されて命を落とされた。アフガニスタンに必要なのは銃や爆弾ではない。開墾し田畑を現地人が工作して収穫することだ。そのための支援を行う必要があるし、農業や商取引などに必要な知識を得るための教育ももちろん必要だ。

 タリバン政権が強奪と殺人で支配して来た悪弊を捨て去り、国家としての社会インフラを整備し、国民に教育や医療を施して「自らの国を自らの手で建設する」理念を獲得するようにしない限り、アフガニスタンは血で血を洗う強盗や山賊が跋扈する無法国家のままだろう。
 しかし支援を表明している中国が「無法国家」だから、類は友を呼ぶ、状態なのだろう。だから国民が空港へ殺到して国外脱出を企てるのだ。アフガニスタンにとって中村哲氏の死を今更ながら残念に思う。

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