森氏の差別発言は公的立場にある者の発言とは思えない。

 <東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)による女性蔑視発言が波紋を広げている。大会ボランティアに応募していた人の中からは「辞退を申し出る」という声が相次いでいるほか、開催都市の東京都には抗議の電話が殺到している。

 「先日もボランティアの講習を受けたばかりだが、さすがにやる気がなくなった」。埼玉県に住む男性(54)は「地元に貢献したい」と大会ボランティアに応募し、県内の会場近くの駅で来客案内の業務に携わることが決まっていた。しかし、今回の発言を受け、ボランティアを辞退する考えだという。「森会長の発言を撤回する記者会見も見たが、考えが変わったようには思えなかった。自分以外に責任を転嫁しているように感じた」と話す。  「ボランティアを辞退する」という声はツイッター上にも続々と上がっている。福島市のNPO法人「うつくしまスポーツルーターズ」の斎藤道子さん(56)もボランティアの一人だが、「時代錯誤の発言をするような人がトップにいるような状況は、日本が取り残されているようで悲しい。女性問題でこんな発言をしてしまうくらいだから、果たしてボランティアの意義や五輪の理念をきちんと理解しているのか疑わしい。辞退を考える人の気持ちも分かる」と語る。  組織委員会によると、大会には約8万人のボランティアが参加する。五輪の延期によって辞退者も出ていたが、今回の森氏の発言の影響が懸念される。  一方で東京都のオリンピック・パラリンピック準備局には、4日朝から森氏の発言に対する抗議の電話が殺到した。担当者は「朝からずっと電話が鳴りっぱなしで、受話器を置けば鳴るような状態。課員がかかりきりになっている」とあわただしい様子で話した。都民から男女問わず「発言は不適切」「開催都市としてどう対応するのか」といった声が寄せられているという。  

 また4日昼には、東京都新宿区の日本オリンピック委員会(JOC)が入居するビル前で、拡声器を持った男性(39)が1人で抗議活動を展開する一幕もあった。男性は「さまざまな性別、人種、障害などを乗り越えて、世の中を作っていくのが五輪の理念ではないか。最後の可能性にかけて五輪をやろうと毎日、汗水たらして働く人たちの頑張りを踏みにじる発言」などと訴えていた>(以上「毎日新聞」より引用)




 森氏の発言を受けてボランティアを辞退する人が相次いでいるという。当然ではないかと思う。

 森氏たちJOC理事や幹部や事務方に従事する人たちは、もちろんボランティアではないはずだ。なにがしかの報酬を得て「働いて」いる。仕事であるから労働対価を手にするのは当然だが、ボランティアは当初から労働対価を求めない働き手たちだ。


 そうした数万人のボランティアの無料奉仕がなければオリンピック開催は出来ないのか、と不思議でならない。なぜ労働対価をマトモに支払うことが出来ないのか、と思わざるを得ない。

 たとえば、大都会東京が主なボランティアの活動地になるのだが、その宿泊や旅費などはどうなるのか。一日千円程度の旅費は支給することになっていると承知しているが、等きょをうで暮らした経験のある者なら千円の旅費など東京をウロウロしたらアッという間に電車賃だけで無くなってしまう。


 片や労働対価を得て働いているJOC職員がいて、彼らに指図されて奉仕活動をするのはいかなる気持ちだろうか。なぜアルバイトとして雇用契約を締結できないのだろうか。

 イベント業者がアリーナなどの案内役や駐車場掛かりに大量の学生アルバイトを「雇用」するのは日常茶飯事だ。そこには雇用契約が存在し、万が一の事故に際しては「労災」が適用されるようになっている。


 いや、オリンピックはイベントやが開催する「ショー」ではない、という御仁がいればオリンピックこそが史上最大の「ショー」ではないか、と批判せざるを得ない。オリンピックの運営は莫大な商業宣伝費が投じられている。イベントやが観客収入だけですべての経費を賄っているのとはわけが違う。しかもバカバカしいほどの莫大な「公費投入」もある。

 そうした手厚い費用手当てがなされるオリンピックの運営現場がボランティアで賄われる、というのはイベント屋からして見れば垂涎の的ではないだろうか。これほど美味しい「事業」はないだろう。しかも謳い文句は「平和の祭典」だ。誰も文句のつけられない「世界平和」を冠していれば、スポンサーだって引く手数多だろう。


 事業者代表とは思えない森氏の暴言が飛び出すのも、そうした思い上がりからではないだろうか。辞を低くして懸命にアリーナを埋め尽くそうとするイベント屋の労苦のカケラでも舐めれば、事業の代表者が森氏のような言辞を吐くことはないはずだ。

 国民の健康と命を確実に守るための全国民規模の「検査と隔離」は実施しないが、イベント収支の帳尻合わせのためにも何が何でも東京オリンピックは開催する、というのはバランスを欠きはしないか。やるべきはドッチだ。政府はいつまでも無作為の作為を続けることは出来ない。

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