地震に負けない国土強靭化を。

 <13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった。両県の消防によると、50人超が負傷した。火災も宮城県塩釜市の県営住宅で発生したほか、仙台市と福島市のJR福島駅近くの集合住宅でも、各1件の火災が発生したとの情報がある。電線の断線といった情報も相次ぎ、東北から関東、東海の広い範囲では大規模な停電が発生した。日本卸電力取引所の情報公開サイトによると、東北で10基以上の火力発電が停止した。

 気象庁によると、10年前の東日本大震災の余震とみられ、今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている>(以上「共同通信」より引用)




 引用記事によると「13日午後11時7分ごろ、宮城県南部、福島県の中通りと浜通りで震度6強の地震があった」そうだ。「気象庁によると、10年前の東日本大震災の余震とみられ、今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている」というから、余震に対する警戒を緩めてはならない。

 地球にとって10年など45億4300万年の歴史に比べればほんの一瞬のことなのだろう。大震災と津波で甚大な被害を被った地域の人々にとって「またか」との感が深いだろうが、復興に向けた取り組みの決意を揺らがすことのないように願っている。


 政府は災害復興に際して、大きな余震が同一地域を何度か襲うことを想定した「国土強靭化」を望む。以前と同程度のインフラなら、以前と同程度の地震に襲われれば同程度の被害を被る、ということだ。

 だから耐震国土強靭化を基準とした公共事業を実施して頂きたい。建物や構造物の耐震構造は漸次新基準に適合したものに改善されているが、構造物に関しては以前と同じままのモノが放置されたままだ。


 国土強靭化で補強すべきは地震対策だけではない。豪雨災害に対する河川の浚渫や堤防のコンクリート化、さらには山間部の砂防堰堤の整備など、やるべき課題は山積している。

 もっと言及すれば、針葉樹林に特化した単一植栽事業が長年推進された森林行政は山の保水力と急斜面の地盤保体力を著しく失わせた。少しの雨量でも山の表土流出や崖地崩壊などが相次いで見られるようになっている。広葉樹などとの複合植栽や山林の保全なども「国土強靭化」に繋がることを忘れてはならない。


 10年前の悪夢の記憶が甦った人も多いかも知れないが、さらに強く郷土を愛し、郷土の防災地域づくりに邁進して頂きたい。日本国民にとって郷土は地震大国のこの国土しかない。

 地震と付き合って生きて行く知恵を後の世代に残せるように、私たちが地震被害に向き合って、見事に復興する必要がある。政府も一層の国土強靭化への取り組みを推進して頂きたい。

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