排他的経済水域(EEZ)で操業する不法外国漁船には原則拿捕で臨むべきだ。
<第10管区海上保安本部は21日、鹿児島県・奄美大島西方約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で操業したとして、韓国のはえ縄漁船の船長で韓国籍のキム・スフン容疑者(47)を漁業主権法違反(無許可操業)容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、この漁船は「第808チョンナム」(44トン、9人乗り組み)で、キム容疑者は21日午後3時20分頃、EEZ内で日本政府の許可を受けずに操業した疑い。海上保安庁の巡視船が停止を求めたところ、応じたという>(以上「読売新聞」より引用)
引用記事によると「第10管区海上保安本部は21日、鹿児島県・奄美大島西方約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で操業したとして、韓国のはえ縄漁船の船長で韓国籍のキム・スフン容疑者(47)を漁業主権法違反(無許可操業)容疑で現行犯逮捕した」という。排他的経済水域(EEZ)で操業する外国漁船の拿捕は世界では「常識」となっている。しかし日本ではなぜか、これまで滅多に拿捕や逮捕を実行して来なかった。
それでは排他的経済水域(EEZ)で操業する外国漁船は後を絶たない。なぜなら日本の隣国は沿岸漁業が壊滅的だからだ。ことに韓国と中国の沿岸に良い漁場は皆無だ。
なぜそうなったのかといえば、沿岸漁業を確保する動きを韓国や中国がして来なかったからだ。韓国や中国の沿岸部の海洋汚染は目を覆うばかりだ。まるでゴミ捨て場かと疑うばかりの汚染状況だ。
かつて日本でもそうだった。工場の廃液の垂れ流しから各家庭から出た糞尿を涵養に投棄していた。それで沿岸部で赤潮の発生が日常化して沿岸漁業の漁獲量が激減した時期があった。
それで遠洋漁業に切り替えた時期があったが、それでは水揚げした魚介原価が跳ね上がり、国民の魚離れが起きてしまった。そうした過去の反省から沿岸漁業の再生を期して、企業や各家庭に海洋汚染の元となる工場廃液の浄化や家庭汚水の浄化後に排出するのを義務付けたりして沿岸の海洋汚染防止策を徹底的に行った。その結果として沿岸漁業が甦ってきたが、近海の漁獲量が激減しているため、日本の漁獲量の全体としては減少の一途を辿っている。
その主たる原因は隣国の日本近海での乱獲にある。サケやサンマの漁獲量の激減の主因は中国や台湾などによる日本近海での乱獲にある。海洋資源を永続的に利用するには再生可能な範囲での漁獲量に規制する必要がある。
いかに好漁場といえども根こそぎ乱獲しては漁獲量は激減する。だから日本では漁獲量を厳しく規制して海洋資源の保護に努めている。しかし、日本のそうした努力を水泡に帰す隣国諸国の違法操業が後を絶たない。
これまでの対処方法で日本近海での不法操業が減らないのなら、原則拿捕の強い態度で臨むべきだ。そして外国漁船の拿捕を前提とした海上保安庁の人員と艦艇の配備を行うべきだ。それが日本の漁民を守る竹ではなく、日本近海の海洋資源を守ることでもある。