政治家は真摯たれ。
<自民党は安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用の一部を安倍氏側が補塡(ほてん)していた問題を受け、東京地検特捜部による捜査が終結するなど進展した場合、安倍氏が国会で一連の経緯について説明する検討に入った。安倍氏の意向も踏まえ、判断する。早ければ年内の実施も視野に入れている。
複数の党関係者が明らかにした。野党は安倍氏について、衆参の予算委員会への招致を求めており、17日には立憲民主党の安住淳国対委員長が、自民党の森山裕国対委員長に安倍氏の招致を重ねて要求していた。ただ、自民党は安倍氏については衆院議院運営委員会などに出席し、一連の経緯を説明することを想定している。安倍氏が公的な場で直接説明することで、世論の反発や疑惑を払拭(ふっしょく)する狙いがある。 疑惑を巡っては、安倍氏周辺が11月、秘書が独断で開催費の一部を補塡しつつ、安倍氏には「事務所側からの支出はない」と伝えていたことを明らかにしている。安倍氏は首相在任中、野党からの追及に「補塡はなかった」との国会答弁を繰り返しており、結果的に虚偽答弁をしていた形になる>(以上「毎日新聞」より引用) 安倍氏の「桜を見る会」前夜祭の都内有名ホテルでの5,000円パーティーの「寄付行為疑惑」は改めて報じるまでもないことだ。なぜなら国会で問題とされていた当時、既にホテル側が「立食であれ一人5,000円の会費でパーティーを受けることはない」と明言していたからだ。
ホテルが一人5,000円で立食パーティーを受けない、というのなら会費5,000円を超える会場費を誰が負担したのか、ということになるという誰にでも解る簡単な因果関係だ。しかし捜査当局は一向に動こうとはしなかった。
他にも安倍自公政権には怪しげなことはゴマンとあった。たとえば公有地払い下げに端を発した「モリ」問題と、特定の学校法人に狙いを定めて「官邸」が特別に便宜を図ったのではないか、という疑惑の「カケ」問題だ。たとえばサマワに派遣した自衛隊の現地から防衛省に堕されていたであろう日々の「日報」が「なかった」という馬鹿な話だって「公文書隠蔽」という由々しき大問題だ。
なぜならそうした嘘が国会審議の場で安倍総理大臣が吐いたからだ。「モリ」問題でも近畿財務局からの公有地払い下げの不当な価格引き下げに関して、内部文書による本庁への報告書を「書き替えさせ」ていたことと、そうした近畿財務局からの内部文書(たとえメモ書きであろうと、報告であれば公文書に相当する)を隠蔽及び本庁で改竄していたことなども犯罪として捜査しないで官僚のモラルが保てるのだろうか。
引用記事によると「自民党は安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭の費用の一部を安倍氏側が補塡(ほてん)していた問題を受け、東京地検特捜部による捜査が終結するなど進展した場合、安倍氏が国会で一連の経緯について説明する検討に入った」そうだ。
一年も前に国会で安倍氏が徹底して「寄付行為はなかった」と嘘を吐き通したことが、やっと真実が暴かれようとしている。しかし、そり間に国民の政治に対する不信感は甚大なものがある。今次の武漢肺炎騒動に関連しても、安倍自公政権がたびたび行った「村の鋳掛屋が軍艦を受注して三菱造船に下請けを出す」ような「随契」も問題ではないだろうか。中抜きピンハネされた外注費という国民の税金は何処へ消えたのだろうか。それに加担したとして問題視しされていた「電通」が告発ではなく「注意」で一件落着した、というのも解せない。
安倍自公政権は嘘と巨大な利権構造で出来上がっていた、といっても良いほどの腐敗ぶりだった。その腐敗は官僚をも毒し、安倍自公政権で官房長官を務めた菅氏にもDNAが着実に継承されているようだ。菅氏のホテルを利用した後援会パーティーでも「寄付行為」があったのではとの疑義がていされている。
ぬけぬけと違法行為を働いて「知らぬ」「存ぜぬ」で嘘を吐き通せば何とかなる、という永田町の常識を一掃しなければ政治への信頼は取り戻せない。政府が「四人以上の会食は自粛すべき」と発していて、総理大臣がその日の夜に8人の会食に参加していたのではシメシが付かない。一事が万事だ、政治家は襟を正して真摯に国民生活と向き合うべきだ。