政治家は恥を知れ。

 <日本学術会議の任命をめぐって、菅総理が105人の推薦者リストを「見ていない」と説明したことについて、学術会議側から「文書の改ざん」や「違法性」の指摘が相次いでいます。

 菅総理大臣は9日、日本学術会議からの推薦者リストについて、任命されなかった6人を含む105人のリストは「見ていない」として、先月28日に見た時点で99人になっていたと説明していました。  これについて11日、学術会議の元会長で東京大学大西隆名誉教授は、JNNの取材に対し「学術会議は総理に対して105人を推薦をしている。総理に伝わる前に他の誰かがリストから6人を削ったのであれば、文書の改ざんとなり大きな問題」と述べました。  そして、法律には「学術会議の推薦に基づいて、総理大臣が任命する」と規定されていることを踏まえ、「菅総理が105人の名簿を見ていないなら、学術会議の推薦に基づかず任命したことになり、法律の規定に反する」と指摘しています。  

 また、任命されなかった6人の1人、早稲田大学の岡田正則教授も「任命権者(菅首相)に推薦が到達していないのですから、任命拒否はありえない」として、「菅首相の『任命行為の違法性』がますます明確になった」との見解を示しました>(以上「TBS news」より引用)




 日本学術会議の委員任命「拒否」に関して、連日ブログに投稿していることから、もうやめようと思っていた。しかし政府関係者による日本学術会議に対するネガティブな発言が「廃止」まで及ぶにあたって、黙っていることが出来なくなった。

 なぜ異なる意見の持ち主を排除しようというのだろうか。任命拒否された六人は安倍自公政権下で強行された違憲立法の「集団的自衛権」や「共謀罪」に反対意見を表明した人たちばかりだ。異論を排除するのは民主主義社会ではあってはならないことだ。


 人は自分に反対意見を言われるのは決して快くない。ことに政治家は理念がすべてだから、自らの理念を否定されるとカッとするのだろう。しかし正しいと思われることは一つだけではない。犯罪者は犯罪かも知れないと思いつつも、自制する気持ちより勝る自己正当化の方が勝って犯罪行為に及ぶのだろう。しかし、犯罪は犯罪でしかない。

 安倍自公政権下で行った様々な「解釈改憲」と違憲立法は「法律」の条文として残っている。違憲立法の証拠はいかに学者を弾圧しようと排除しようと明白に残っている。間違っているのは批判した学者ではなく、閣僚に任命された憲法の素人集団が勝手に「政治家」の特権を利用して「解釈改憲」を密室内での「閣議決定」という暴挙を行った歴史的事実は決して消せない。


 たとえ安倍自公政権の番頭さんを頭に据えようと、安倍自公政権の違憲立法を糊塗することは出来ない。明白な違憲立法の証拠は白日の下に存在している。憲法学者の90%以上が「違憲」だと判断した法律は成立させるべきではなかった。政治家なら自らが仕出かそうとしている行為が憲法違反か否かをトコトン悩むべきだった。閣議決定の署名を拒否して、一人でも閣僚を辞していれば政治家の見識を疑わないで済んだが、しかし、一人として安倍自公政権の閣議決定に異を唱える閣僚はいなかった。それが危険な兆候といわずして、何といえば良いだろうか。

 法案成立の国会でも与党議員から造反者は皆無だった。彼らの中に憲法を大学で選択した者はいなかったのだろうか。憲法学者の講義を聴講した者はいなかったのだろうか。「憲法」とは何か、という根本的な論理を学んだ者は与党議員に皆無だったのだろうか。「憲法」とは国民が遵守すべきというよりも、権力者が国民の権利を奪わないように嵌めた「箍」だ、という現代憲法論を学んだ者は誰もいなかったのだろうか。


 日本学術会議は「何年間も政府に進言していない(から)存在意義はない」と暴言を吐く与党自民党の幹部までいるようだが、諮問をしなければ答申はない。その発言は当たり前のことを踏まえていない。

 なぜ政治家がこうも愚劣な発言を平気で行うようになったのだろうか。軽薄な扇動アジのような発言をマスメディアで行えば、マジメな日本学術会議の委員任命に関する議論を行うまでもなく、日本学術会議を踏み潰せる、と勘違いしているのではないだろうか。


 有権者は惰性のように愚かな現職政治家を再選させてはならない。あるいは世襲議員を歌舞伎役者の襲名興行でも観るかのような感覚で投票してはならない。彼を一人の政治家として負託に値するか否かを真剣に考えた上で投票すべきだ。

 世襲政治家の殆どは選挙区で暮らしていない。東京生まれの東京育ちだ。選挙の時だけ帰郷して「故郷の皆様」と歌舞伎役者の凱旋興行よろしく練り歩くだけだ。こんなバカバカしい選挙をいつまで続けるつもりだろうか。地方に暮らしていると、政治家がいかに地方を舐め切っているか良く分かる。それでも有権者諸氏は舐められている現実に気付いていない。


 日本学術会議の任命騒動を機に、選挙区のあり方も議論してはどうだろうか。自分の学識に疑問を持たない愚かな政治家など必要だろうか。

 なぜ秀吉は天下人になれたのか。彼は無能な自分を知っていたからだ。だから有能な軍師を三顧の礼を以て腹心に迎え入れた。現代政治家は官邸に利害関係者だけを迎え入れて「悪巧みの限り」を尽くしている。少しは恥を知ってはどうだろうか。

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