私たちは民主主義国・台湾を支持する。

 <台湾の李登輝元総統の告別礼拝が、2020919日、台北にある真理大学で執りおこなわれた。蔡英文総統による告別スピーチを緊急全訳でお届けする。

  李登輝元総統のご家族、来賓の皆様、現場や配信でご覧の皆様、こんにちは。 本日、私たちは厳かな心をもって集まり、李元総統をしのびます。 ご存じのとおり、李元総統は卓越した政治家であり、農業のエキスパートであり、哲学者であり、敬虔なクリスチャンでもありました。

  李元総統が生涯にわたり重ねてこられた貢献が、今日の台湾を作りました。 李元総統は幼い頃から、人とは何者か、人生とはどうあるべきかを考えてこられました。 若い頃に海外留学し、農業経済で故郷を変えたいと考えておられました。 それから人生半ばで政界に入り、国家を率いる機会を得て、民主化の波が押し寄せるなか、台湾の平和的な革命を達成されました。 

 李元総統は12年間で、台湾の民主化と本土化の基盤を築かれました。 困難な国際情勢に直面しても、台湾の民衆が実利的な外交を推し進めるようリードしてくださいました。 台湾を民主主義と結びつけ、さらには国際的な舞台に引き上げ、「ミスター・デモクラシー」とまで賞賛されました。 内政では、李元総統が軍隊の国有化や経済の自由化を促進し、ハイテク産業を発展させ、全民健康保険を実施されました。 このようにして、台湾が今日ここまで発展するための確固たる基礎を築かれたのです。

「台湾の未来はどこに向かうべきか」

 「民の欲する所、常に我が心に在り」 これは李元総統がいつも心に念じていたモットーであり、同時に、台湾国民が共に抱く李元総統の記憶でもあります。  李元総統は退任後もなお国家のアイデンティティと持続可能な開発に関心を持っておられました。 晩年もなお新しい知識を吸収し続け、訪問や執筆や講演で「台湾の未来はどこに向かうべきか」と繰り返し尋ねておられました。そして、台湾の人々が共に奮闘して「台湾だけの道」を切り拓くことを望んでおられました。  少年時代に生と死について考えたときから、「私は私でない私」という無私の精神にいたるまで、李元総統のご生涯は、台湾の100年近い歴史をまたぎ、台湾と世界をつなぎ、台湾を輝かせてきました。  台湾の人々を代表して、李元総統に深くお礼を申し上げます。

李登輝元総統の精神とともに

 李元総統の生涯にわたる献身に感謝しつつ、一方で、台湾の未来は私たちに懸かっていることを忘れてはいけません。  私たちには責任があります──李元総統の業績を継承し、「脱古改新」の理念を心に留め、台湾の主体性を確立し続け、台湾の民主と自由を深め、世界に示すという責任です。  私たちには責任があります──現在の変化のなかで未来への開発戦略を確立し、自信を持って勇敢に世界へ踏み出すという責任です。 私たちには責任があります──「台湾人であることの幸せ」を達成し、今後も台湾の人々の平和な生活と仕事を実現するべく最善を尽くすという責任です。  李登輝元総統の精神が私たちのそばで、末永く私たちの国家と人々を導いてくださいますように。その精神とともに私たちは民主、自由、多元、開放の道を歩み続け、世界に貢献できますように。  ありがとうございました>(以上「COURRIER Japan」より引用)




 日本のマスメディアでは殆ど何も報じられなかった李登輝元総統の告別式で蔡英文氏が何を語ったかを、COURRIERの記事を引用してお伝えする。李登輝氏もさることながら、蔡英文氏がいかなる決意のもと、中共政府の中国と対峙しているかがお解りだろうか。

 自由と平等、そして民主は私たち自由主義世界の基本的な価値観だ。それを無視し破壊するいかなる政権とも権力者とも対峙することを私たちは確認しなければならない。


 日本政府は長年姑息な「政経分離」というレトリックを用いて対中経済取引で企業は利益を上げて来た。それで日本国民も潤った、と考えるのは早計で、国際分業というグローバル化が進行したため、日本の労働者賃金は「国際基準」の引き下げ圧力に晒らされてきた。

 中国進出で「束の間の企業利益」を手に入れた企業家たちも、中国撤退でツケを払わされている。中共独裁政権が日本政府と同じだと考えていた彼らは「不当だ」と感じているだろうが、朝令暮改や法律を過去へ遡及させる無法行為も、彼らにとって恥でも何でもない。「宗教弾圧」の名の下に、生きている人から臓器を抜き取って売買する、という悍ましいことも平気で仕出かす政府だから、少々の無法行為も物の数ではない。


 米国はニクソン氏以来の「政経分離」による対中共取引で莫大な経済的利益を手に入れた半面、中共政府の中国が世界覇権を米国に取って代わろうとする野心を肥大化させていたことにトランプ氏がやっと気付いた。世界の組み立て工場に過ぎないことを失念して、中共政府は実像ではなく壁に写った拡張した影を中国の実像と勘違いした。

 AIIBや「一帯一路」を展開して、欧米諸国が宣教師を後進諸国へ送り込んで植民地化の橋頭堡にしたように、投資話を後進諸国へ持ち込んで中国の新植民地化に勤しんだ。そして「デジタル元」を国際基軸通貨にさせようとしているのはお笑いだが、その「お笑い」ですら大真面目に取り組んでいる。なぜ「デジタル元」がお笑いなのか。そもそも元の発行はドル基軸通貨をバックとしているからだ。陰踏みと同じで、ドル基軸通貨に成り代わろうと元をデジタルで発行したとしても、相手国がドルを基軸通貨として為替取引から完全にデカップリングしない限り、元基軸通貨圏は形成されない。だから「デジタル元」で元の基軸通貨化を目指す中共政府の企みはお笑いなのだ。

 そもそも現在でも貿易などの為替取引でボストンバッグに詰め込んだ円紙幣を大量に持ち込んで、大量のドル紙幣と交換することなどあり得ない。それすらも「デジタル円」だ。もちろん世界の貿易決済で瞬時に流通しているのも「デジタル・ドル」だ。


 蔡英文氏は台湾国民から選挙で選ばれた総統だ。習近平氏が数人の中共幹部の談合と互選で選ばれたのとはわけが違う。しかも習近平氏は事実上任期を廃止してしまった。つまり終身国家主席だという。独裁者が現代に蘇ったことになる。そういえばお隣のロシアでも終身大統領を目指す政治家がいる。そこでも人権や民主といった概念は政治上に皆無だ。

 私たちは民主と平和を希求する。台湾人であろうと日本人であろうと、価値観は同じだ。手を携えて暴政国の侵略から協力して守るのは当然のことではないか。

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