国民を安堵させることこそが政権権力者の使命だ。

 <米商務省の輸出規制は中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の生産に打撃を与える可能性がある。米国企業から製造設備などを輸入できなくなる恐れがあるためだ。生産が滞れば中国のハイテク産業に加え、半導体の自給率を引き上げ、米国依存の脱却を図ってきた中国政府の戦略にも影響が及びそうだ>(以上「日経新聞」より引用)




 「内循環経済」を標榜した習近平氏の政策は必要とする部品はすべて自給できる、という前提があって成り立つ。そうでなければ現在中国が輸出している製品輸出が出来ないばかりか、中国の軍備に必要な部品の調達が困難になるからだ。

 中国のGDPに貿易が占める割合は実に六割に達する。完全に外需依存国家だ。中国こそが自由主義圏のWTOの恩恵を最も受けて経済成長を遂げた国だ。「内循環経済」に完全移行する、とすればGDPの六割を切り捨てることになる。しかし、それは実行不可能な政策だ。


 以前にも書いたが、HUAWEIが5Gで世界を席巻しようとしていたのも、米国を中心とする自由主義諸国から半導体の供給を受けられるという、自由貿易・WTOを前提としたものでしかなかった。HUAWEIの主力製品のスマホですら、すべての部品が自前で調達できていたわけではない。いわば「部品組立屋」でしかないHUAWEIを習近平氏は世界的なIT企業だ、と勘違いしていたのではないか。

 もちろんHUAWEIも自前で調達する、と米国の半導体輸出制限措置に対して息巻いていたが、簡単に配線が5ナノのチップが簡単に製造できるものではない。だから世界中のチップ製造企業の技術者に対して破格の報酬で引き抜きを試みているようだ。しかし技術者を引き抜いたところで5ナノの写植の出来る技術を持つ企業は世界にオランダの一社しかないし、それを基にして自動制御で製品製造できる精密機械は日本でしか作れない。もちろん製造のためのパテントの多くは米国の企業が握っている。

 世界はお互いに信頼と協力で最先端チップを製造している。習近平氏が中華帝国を世界に出現させようと試みたことが飛んでもない現代のドン・キホーテでしかない。

 そうした唯我独尊的な国家の出現を現代世界は許さない。国家の富を国民に分かつのではなく、独裁政府のポケットマネーに搾取して、自由気儘に軍備拡張と覇権の拡大に濫費するなど許されることではない。国家とは独裁者の玩具ではない。


 世界が中共政府の中国をデカップリングすれば、中共政府の中国は立ち行かなくなる。食糧だって自給率は80%(この数字自体も怪しいが)でしかなく、ことに今年は水稲地域の約半分が洪水になり、収穫は絶望的になっている。東北部のトウモロコシや小麦なども水害で例年並みの収穫は望めない。

 既に学校給食では水のようなスープを児童・生徒は啜っているという。食糧を配給制にすべく、配給所を全国に設置しているという。40年前に時間を戻して「内循環経済」を強行しようとするのは愚かだ。国際社会との融和と協調で成し遂げた経済大国であるなら、中国は何処までも国際社会と融和し協調しなければならない。国民を安堵させることこそが政権権力者の使命だ。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。