菅氏は米中戦争を理解しているのか。

 <菅義偉首相は20日夜、首相公邸で米国のトランプ大統領と首相就任後初めて電話で協議した。首相は日米同盟について「地域の平和と安定のための基盤だ」と伝えた。トランプ氏は「同盟を一層発展させよう」と語り強化する方針を確認した。

新型コロナウイルス対策で治療薬やワクチンの開発・普及に向けた協力を申し合わせた。首相は北朝鮮による日本人拉致問題に関し「早期解決に向け果断に取り組む」と表明し支援を要請した。

両首脳は「自由で開かれたインド太平洋」構想で認識を共有し、中国を巡っても意見交換した。トランプ氏は「24時間いつでも何かあったら電話してほしい」と伝達した。

米ホワイトハウスの発表によると、日米同盟の強化を申し合わせ、世界経済の振興に向けた協力も話し合った。

首相は20日にオーストラリアのモリソン首相とも電話協議し、首脳外交を本格始動させた。

首相は同日夜の日米電話協議後、記者団に「非常に手応えを感じている。これを機会に各国首脳と電話協議して連携を深めたい」と述べた>(以上「日経新聞」より引用)




 菅氏が米国トランプ大統領などと電話会談したという。その際、トランプ氏が「日米同盟の強化を申し合わせ、世界経済の振興に向けた協力も話し合った」とホワイトハウスから発表があったというが、当然といえば当然だ。

 米国は自由主義諸国に対する世界的な脅威になった中共政府の中国に対して、比喩でない「戦争」をしているからだ。それは米国の覇権をかけた熾烈な最終戦争だ。


 「戦争」にも様々な形態がある。「情報戦」や「経済戦」、さらには大量移民を仕掛けて国を丸ごと乗っ取る「移民戦争」と様々だ。ミャンマーの第二の都市・古都マンダレーは20世紀終わりから大量の中国民が流入し、現在では都市人口の過半数を占めるに到り、マンダレーは乗っ取られてしまったとミャンマー人は嘆いている。

 かつてクリミア半島もタタール人の暮らす地だったが、帝政ロシア当時からロシア人が移り住むようにより、ことにスターリン時代にタタール人を追放してロシア人を大量に「入植」させた。そしてロシア人が人口の六割に達した段階で、ご存知のように住民投票という「民主的な手続き」でロシア併合を果たしてしまった。


 米国内には346万人(2017年統計)の中国人が住んでいる。ただ、他の移民と異なるのは米国社会に溶け込もうとしないで、中国語を話すコミュニティーを各地に形成していることだ。もちろん、彼らはいつでも中共政府の国家総動員法によって動く可能性がある。

 そして留学ビザや労働ビザなどで一時的に入国している中国人は30万人を超えているという。米国はかつて1882年に中国人移民制限法を制定して急増した中国移民を制限し、後に急増した日本人移民を禁止した。1943年に中国人の移民を制限する法律は廃止されたが、ここに来て急増する中国人移民を制限する動きが出ているのも頷ける。


 国会で質疑されていない現状では、菅氏がいかなる認識の上でトランプ氏と電話会談したのか定かではないが、世界は熾烈な米中戦争の真っ只中にある。もちろん、日本も米国の同盟国として軍事機密や企業機密を共有している関係から、対中デカップリングに共同して当たらなければならない。

 まさしく「共同」であって「協力」ではない。産業界や評論家諸氏は「協力」程度の認識しか持っていない人が殆どのようだが、そんな手緩い段階は既に終わっている。HUAWEIに対する米国のデカップリングがいかに本気か、徹底ぶりを見れば明らかではないか。


 米国政府情報機関から親中派と名指しされた政治家を自民党の幹事長に就けた菅氏がトランプ氏から恫喝されないわけがない。必ず批判され、真意を問われるだろう。その時に「日本の内政に干渉するな」と菅氏はトランプ氏に反論できるだろうか。

 奔流渦巻く世界の潮流と無縁な国内政治の「総裁選ゴッコ」と「内閣組閣ゴッコ」にウツツを抜かしていた菅氏にツケは必ず廻って来る。菅氏は米中戦争の本質を認識しているのか心配だ。それは菅氏に対する心配ではなく、日本の首相に暗愚な人物を担いで得々としている日本の与党政治家連中と、体制翼賛評論を垂れ流す日本のマスメディアに対する心配だ。


 日本は明らかに5EYESに参加する。つまり6EYESの一員として軍事・経済などのすべての面で中共政府の中国と対峙する。それは「経熱政冷」などといった誤魔化しで乗り切れるものではない。自由主義陣営に一員として中共政府に囚われている中国民を解き放つのか、それとも儲け第一主義で中共政府に阿り続けるのか、といった二者択一を迫られている、という現状を菅氏は認識しているのか、という政治家の本質にかかわる課題を突き付けられているのだ。

 そうした認識もなく、受話器を取って「ハロー」と呼びかけたとしたら、能天気もここに極まる。オーストラリアのモリソン首相は中共政府の挑発に敢然と戦っている。モリソン首相は自国の対中主要輸出品である牛肉や小麦の輸出を停止されても、武漢肺炎の発生源の調査や香港の国安法やチベットやウィグルの人権調査を主張している。

 菅氏にそうした覚悟があるのか。そうした覚悟の上に立って、オーストラリアのモリソン首相へのダイヤルを回すのか、それとも能天気に「ハロー」とやって、世界中に日本の政治家の資質という、日本の最高機密を自ら暴露するのか。

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