復興相の名が泣いている。
<平沢勝栄復興相は23日、菅内閣が16日の初閣議で決定した基本方針で、第2次安倍政権で記されていた東日本大震災からの復興や東京電力福島第1原発事故に関する記述がなくなったことについて、「たまたまそういうことになった」と釈明した。
平沢氏は23日に首相官邸で菅義偉首相と会談し、震災や復興の記述が消えたことを記者会見で聞かれた際、「軽視していることは全くない」と説明したことを伝えた。これに対し首相は「全くその通りだ。最も重要な課題の一つと考えている」と応じ、近く福島県を訪問する意向を示したという
平沢氏は会談後、記者団に「その時の(基本方針の)字数とか、いろいろなあれの中であれしたけれども、軽視しているわけでは全くない」と繰り返した。
基本方針は、政権運営の考え方や重要政策などを示すもので、新内閣発足や内閣改造の際に閣議決定する。第2次安倍政権では2012年以降、東日本大震災からの復興について「まず何よりも、『閣僚全員が復興大臣である』との意識を共有する」などと掲げていた>(以上「毎日新聞」より引用)
復興担当大臣を置いているにも拘らず「菅内閣が16日の初閣議で決定した基本方針で、第2次安倍政権で記されていた東日本大震災からの復興や東京電力福島第1原発事故に関する記述がなくなった」という。東日本大震災は菅内閣で既に過去のものになったとでもいうのだろうか。
東電の福一原発の放射能汚染水処理はどうなったのか、立ち入れば瞬時にして死に到る放射能塗れの原子炉からスラッジ化した核燃料をどうやって取り出すのか。そして帰宅困難地域の除染は諦めたのか。国民に説明すべきことはてんこ盛りのはずだ。
問題意識の希薄な記者諸氏が官邸に詰めているのか、長年の官房長官経験から官邸記者会見を舐め切っているようだ。実際「平沢氏は23日に首相官邸で菅義偉首相と会談し、震災や復興の記述が消えたことを記者会見で聞かれた際、「軽視していることは全くない」と説明した」という。しかし復興が初閣議の議題から消えたのは事実だ。軽視以外の何物でもないだろう。
「平沢氏は会談後、記者団に「その時の(基本方針の)字数とか、いろいろなあれの中であれしたけれども、軽視しているわけでは全くない」と繰り返した」という。軽い神輿の軽い復興大臣だ。果たして東京選挙区の平沢氏に東北のことが解るのだろうか。この連休中にも被災地に訪れたのだろうか。
「たまたまそういうことになった」とたまたま扱いされる被災者たちは堪ったものではない。復興相の名が泣いている。