IMFが2020経済予測で世界は-4.9%とするも、「中国は+1.0%」とする違和感。

<国際通貨基金(IMF)は24日発表した最新の世界経済見通しで、2020年の世界全体の成長率をマイナス4.9%(前回4月時点はマイナス3.0%)に引き下げた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う各国の経済的損失が想定以上に深刻化し、回復も緩慢になると分析した。感染の収束を前提にして21年の成長率はプラス5.4%に急回復すると予測したが、感染の第2波のリスクなどから「見通しの不確実性は高い」と警告した。
  世界経済はリーマン・ショックに伴う金融危機の影響を受けた09年(マイナス0.1%)をはるかに超える落ち込みとなり、1930年代の世界大恐慌に次ぐ規模の景気後退に陥ることになる。下方修正の理由についてIMFは「4月以降の経済データで、いくつかの国の景気後退が想定以上に深刻化している」と説明。感染への警戒や先行きの不透明さから、消費の低迷や企業活動の停滞が長引き、景気回復には一段と時間がかかると見込んだ。IMFは「前代未聞の危機であり、回復も不確実なものになる」とみている。
  国・地域別の20年成長率では、新型コロナの感染・死者数が世界最多の米国はマイナス8.0%となり、19年のプラス2.3%から大幅な悪化を予測。大恐慌が起きていた32年のマイナス12.9%や、第二次世界大戦直後だった46年のマイナス11.6%に次ぐ深刻な景気後退になるとの見通しを示した。
  感染拡大が最初に起きた中国は、プラス1.0%と見込んだ。19年の6.1%を大幅に下回り、天安門事件の影響で経済が混乱した90年(3.9%)よりも低い。日本はマイナス5.8%、ユーロ圏と英国はいずれもマイナス10.2%の景気後退に陥ると予測した。ただ、第2波が発生すれば「成長率は更に押し下げられる」と下振れリスクが高いことを強調した。  09年には、先進国全体でマイナス3.3%の同時不況に陥ったが、9.4%の成長だった中国など新興・途上国全体で2.8%の成長を維持し、世界経済を支えた。20年は先進国がマイナス8.0%、新興・途上国がマイナス3.0%と総崩れになり、世界貿易量も前年比マイナス11.9%に落ち込む見通しだ。
  21年の世界成長率はプラス5.4%と急回復を見込むが、前回4月の見通しから0.4ポイント下方修正した。また、世界経済の先行きは新型コロナの流行状況に左右されるとして、上振れと下振れの二つのシナリオも提示。21年初めに世界的流行が再発した場合、21年の成長率は現行の見通しより4.9ポイント悪化すると予測する一方、感染封じ込めが成功すれば3.0ポイント改善するとした>(以上「毎日新聞」より引用)



 IMFもWHO並みの親中国際機関なのだろうか。2020の経済は世界全体で-4.9%の見通し、中でも米国経済の落ち込みは-8.0%と激しく落ち込み、英国やEUも-10.2%と最悪の経済マイナスを記録すると予想している。
 しかし中国は+1.0%と楽観的な数字を予想している。世界全体が-を記録している中で、世界の工場を自任している「外需依存」国・中国だけが+を記録するはずがない。常識的に考えて、中国の貿易相手国トップの米国が-8.0%で第二位の英国・EUの欧州圏が-10.2%と落ち込めば、当然のように中国の貿易取引も-と予想すべきだ。そして中国経済の内需は外需に引っ張られている形だから、当然-を記録するはずだ。そうすれば2020の中国経済は-だと予測するのが順当ではないだろうか。

 中国経済が-と予測すれば習近平体制はもたない。それでなくても武漢肺炎の初期対応を誤って世界的な感染拡大を招いた大失態で中共政府は内部対立が起きているといわれている。中国経済が-と予想されれば習近平氏は政敵から指弾され退陣を余儀なくされかねない。
 まさかIMFにも中国の鼻薬が利いているとは考えたくないが、WHOの前例もある。国際機関にジワジワと浸透する中国の影響力は警戒すべきだ。国際予測が捻じ曲げられている、とすれば世界を誤った方向へ誘導する恐れがある。

 IMFは「赤勝て、白勝て」の評論機関ではないはずだ。無責任なナンチャラ・シンクタンクでもないはずだ。「国際通貨基金」を以て任じるなら、マイナスに陥る世界経済をいかにして深刻なダメージを回避するかのリスク管理を世界各国に呼び掛けるべきではないか。
 ことに国際通貨国の米国に対して、-8.0%に陥ると予測したなら米国政府にその落ち込みに見合うだけの政府支出を実施すべきと勧告すべきではないか。同じく自由主義圏で世界第二位の経済大国・日本に対しても-5.8%に見合うだけの政府支出を積極的に行うべきと発言すべきだ。

 巷間、IMFは財務相の「別動隊」ともいわれている。高級財務官僚の格好の天下り先だからだ。だからIMFは日本は荒唐無稽の消費税増税25%を実施すべきとアドバルーンを上げている。それはIMFの形成な経済予測に基づくものではなく、単なる財務省の願望だ。
 消費税は「消費に対する罰金」のようなものでしかない。経済成長に対するブレーキに相当する消費税はデフレ経済下では決して増税すべきではなく、むしろ減税すべきだ、というのは経済原論を理解する力があれば誰にでも解る理論だ。

 消費を刺激するのが先進諸国における経済回復の最善の策だ。消費税は貿易における関税と同様の役割を果たす税だ。消費を抑制し、加熱したインフレを鎮める効果は期待できるが、デフレ経済からの脱却や、財政規律の財源の税として適切とは思えない。
 世界的な感染症の大流行は武漢肺炎で終わりではない。今後も起きうると予測し、その対応策を講じておくべきだ。先進諸国は感染症対策として都市封鎖もあり得ると現実から学習した。そうすれば一極集中を是正し、都市機能の分散に国家構想を転換すべきだ。そうした方向へ向けて各国政府は政府支出を行って、景気回復への下支えを行うべきだ。もちろん日本においては経済成長のために消費税の撤廃は避けられない。それと財政規律とは全く別問題だ。IMFの理事諸君はそうした議論にまで踏み込むべきではないだろうか。

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