米国の明日を憂える。

<アメリカのトランプ大統領が日本を「脅せ」と話していたと暴露しました。

 ボルトン前大統領補佐官のトランプ政権の内幕を描いた本が発売され、トランプ大統領が日本に駐留するアメリカ軍の経費について、現状の4倍にあたる年間約8600億円の負担を求めていたことを明らかにしました。トランプ大統領は政権内の協議で「すべてのアメリカ軍を撤退させるよう脅せば、非常に強い交渉の立場を得られる」と話したということです。トランプ大統領はボルトン前大統領補佐官について「法を犯した」とツイッターに投稿し、機密情報を流出させたと批判しています>(以上「CABLE NEWS NETWORK 2020」より引用)



 現職大統領の現補佐官が大統領の暴露本を出版するとは前代未聞だ。しかも大統領選の直前に当たるこの時期に出すとは「売る」ためには絶好の機会かも知れないが、選挙戦に与える影響を考えるとフェアとはいえないのではないか。
 トランプ氏が上品で高潔な人物とは言いがたい、とは米国民のみならず多少でも政治に関心のある人なら世界中が知っている。下劣な商売人で相手を平気で怒鳴りつける米国史上稀にみるタイプの大統領であることは世界中が熟知している。

 しかし、それでも補佐官であった者には一定の自制が必要ではないか。知っていることなら儲かる最善の機会にバラして恥じない、というのではトランプ氏と1ミリも違わない。
 トランプ氏が同盟国・日本を脅したのは事実だろうし、それは日本だけではない。NATO同盟国をもトランプ氏は脅し、韓国をも「米軍を撤退させるゾ」と脅した。まったく狂気の沙汰というしかない外交をトランプ氏は展開してきた。

 まだソフトが完成してなくて、機体そのものもエンジン出力に比して重過ぎる、という欠陥を持つF35を1機あたり100億円以上もの高価格で105機も買う約束をした安倍氏は商売人としても政治家として失格だ。そしてトランプ氏はポンコツF35を日本に配備させることで自衛隊の戦力低下を招く大失態を犯している。
 イージス・アショアにしても、米国トップは時代遅れのミサイル防衛システムだと承知の上で米軍向けの価格よりもフッ掛けた高値で売り付けた。そして今になって防衛相が「配備停止」という泥をかぶる事態になっている。

 トランプ氏は何をしたいのだろうか。世界を大混乱に陥れ、同盟国を米国から離反させてでも商売が成功すれば良い、という極めて微視的な「米国ファースト」に陥っているのではないか。
 米国が単独で米国の安全保障を達成できる、というのならそうすれば良い。決して日本や他の同盟国を頼らないことだ。もちろん、日本からもすべての基地を返還して、トットと撤退するが良い。そうすれば日本は独自で攻撃機やミサイル開発に乗り出し、米国製よりも遥かに高性能で信頼性の高い兵器を手に出来るだろう。

 いや、それだけではない。米国製をしのぐレーザー兵器もイージス・アショアに支払う予定だった予算で開発できるだろう。それでも米国民が良い、というのなら日本は戦後自粛し足枷を嵌めていた兵器開発を、日本の防衛と経済のために再開するだろう。
 ゼロ戦を開発し飛竜や加賀を保有していた日本を舐めてはいけない。世界史上で空母を旗艦とする複数の艦隊を保有したのは米国だけではない。そのことを米国は忘れてはならない。

 ボルトン氏の真意は何処にあるのだろうか。日本国民を反米に向かわせるために著書を出版したのだろうか。それともトランプ氏を再選させないために出版したのだろうか。それとも極めて個人的な補佐官を首にされた意趣返しだろうか。
 いずけにせよ、米国は小粒にして本当の愛国者でない人物を政府トップに就けたものだ。この程度の人物を戴いていては国は滅びかねない。

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