「一国二制度」の約束を守れ。

中国政府が香港への統制を強める「香港国家安全法」の概要が20日、判明した。中国政府は香港に治安維持に関わる機関を新設して監督・指導する。激しい反体制活動を直接取り締まれるようにする枠組みだ。
中国は、香港に高度の自治を保障した「一国二制度」を維持すると主張するが、中国当局が香港で強い影響力を行使できるようになり、欧米の批判が高まるのは必至だ。
中国国営の新華社が法案の概要を伝えた。中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は20日「香港国家安全維持法案」を審議して、3日間の日程を終えた。法案は審議継続となり、7月上旬までに成立する可能性が強い。国家安全法は香港の立法会(議会)の審議を経ずに施行する見通しだ。
法案は666条で構成する。香港の他の法律と矛盾する場合は国家安全法が優先される規定も盛り込む。国家安全関連の裁判を担う裁判官を香港行政長官が指定できるようにもする。外国人裁判官を重要な審理から排除する狙いがありそうだ。
中国政府が香港に設ける出先機関「国家安全維持公署」は国家安全に関する情報の収集・分析や国家安全を脅かす犯罪事件の処理などを担う。香港での過激な抗議活動などで出先機関が法執行することを想定しているようだ。
香港政府が行政長官をトップとする「国家安全維持委員会」も設立する。中国政府は同委に顧問を派遣して関与する。
処罰対象は国家分裂や政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託。4つ目は5月の全人代で制定方針を決めた際は「外国勢力による干渉」としていたが表現が変わった。香港では欧米に支援を求める民主派の活動が外国との結託とみなされるとの危機感が高まっている>(以上「日経新聞」より引用)



 中共政府は本気で香港人の自由への渇望を封じ込めるつもりだ。欧米が激しく反発している「香港国家安全法」の施行に向けて、着々と体制を構築している。
 中共政府は香港に出先機関「国家安全維持公署」設けて、国家安全に関する情報の収集・分析や国家安全を脅かす犯罪事件の処理などを担う、としている。そして香港での過激な抗議活動などで出先機関が法執行するようだ。

 つまり自由主義世界と約束した返還後五十年間は「一国二制度」を維持するとした香港の自由を中共政府は奪い取ることに決めたようだ。習近平氏は「一帯一路」に代表される世界戦略のみならず、国内体制の強化は欧米の自由主義と対立する。
 中共政府の中国が飛躍的な経済成長を遂げたのは自由主義諸国との経済取引を自由主義世界の仕組みを利用して果たしたものだ。いわば他人の土俵で相撲を取って横綱に上り詰め、今度は他人に自分の土俵を受け容れろ、と強要するようなものだ。

 どこまで厚かましいのだろうか。軒先を借りて母屋を取る、とはまさにこのことだ。
 鄧小平氏は「本音を隠して改革開放を行え」と中共政府の世界戦略を語ったようだが、習近平氏は「本音を隠す必要は、もはやない」と、巨大化した中国の実力を試してみたくなったようだ。
 鄧小平氏の「本音」とは中国に連綿と受け継がれている「中華思想」だ。中華思想とは中国こそが世界の中心で、中国以外の国々は中国に傅くべきだ、という極めて危険な思想だ。

 しかし時代錯誤に陥った習近平氏の野望は必ず失敗するだろう。一度自由の空気を吸った人たちは二度と独裁強権政治下で暮らすことは出来ない。香港は英国の租借地として、生まれながら英国流の自由の空気を吸って生きて来た。決して中国本土の人たちと価値観を同じくすることは出来ない。
 人は動物園の檻中で暮らす動物ではない。「人はパンのみで生くるにあらず」との言葉が西洋にある通りだ。中共政府の中国は国民(中共政府は「人民」と呼んでいるが)の自由を奪ってはならない。国家あっての国民ではなく、国民あっての国家だ、という近代国家の基本原理に立ち返るべきだ。

 日本政府は欧米諸国と連携して、強く「香港の自由を守れ」と中共政府に抗議すべきだ。国民の自由を守らない中共政府に抗議しない政府は国民の自由を蔑ろにする政府だ。
 習近平氏の国賓来日を策すなど論外だ。儲けのためなら何でもやる、という安倍自公政権には反吐が出る。

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