「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」バッジに恥じていないか。

検察への政府の介入が懸念されている検察庁法改正案に対し、検事総長や特捜部長を務めた検察OBらが15日、公然と反対の声を上げた。現役の検察官たちの間にも驚きが広がり、賛否が交錯した。
 ある検察幹部は「役人である前に検事たれ、ということだろう」とOBの動きを歓迎し、「政治におもねる検事が出てくるのではないかと疑念を抱かれる仕組みはよくない」と話した。
 別の幹部は、元総長の実名での反対表明に驚きを隠さない。ただ、「国会の審議は止まらないだろう」とも語った。
 「なぜ特例規定を設けるのか、理由がさっぱり分からない」。関西のある現職のベテラン検事は首をかしげる。独立性を保ち特定の関係者との癒着を避けるため幹部でも1~2年で後進に道を譲るのが通常だ。「政権が黒川さんの存在に配慮し、とどめておきたい思惑があると言われても否定できないと思う。混乱を収めるためにも、黒川さんは辞めるべきだ」と話す。
 ある中堅検事は「内閣の恣意(しい)的な裁量でとどまる幹部の存在で、懸命に職務をこなす現場に支障が出る事態は避けてほしい」。
 一方、冷めた声もある。現在も法律上は検事総長や検事長の任命権は内閣にある。内閣が検察側の人事案を尊重するのが慣例とされるが、時に検察の捜査は「独善的だ」「暴走だ」と批判されてきた。別の幹部は「検察人事に内閣の意向が全く反映されないとなると、検察だけで人事を決めて民主的なコントロールが利かなくなるが、それでいいのか」と疑問を呈す>(以上「朝日新聞」より引用)



 三権分立とは小学生でも知っている。それは日本国家の成り立ちの根本原理だ。それは一ヶ所に権限が集中すると絶対権力となり、必ず腐敗するという経験から創り出した仕組みだ。
 その三権分立を危うくする可能性が少しでもあることに、政府は手を出してはならない。そうした見識を政権を担う人物なら当然備えているはずだ。そして法律案を審議する国会議員も「三権分立」の基本原則を充分に承知しているはずだ、として選挙で国民が投票している。

 しかし、そうした常識が崩れようとしている。日本国家の基本的な仕組みを崩そうとする政権が居座り、暗愚な与党議員が賛意を表明している。
 御用評論家は野党国会議員を当然のようにコキ降ろすが、与党国会議員が売国法案を次々と成立させた愚昧さには一切触れないのは何故だろか。今度も三権分立の基本原理に手を突っ込む安倍官邸の謀略に与党国会議員は諸手を挙げて賛成しているではないか。

 安倍氏は「黒川氏と私の間に私的(利害)関係はない」と大見得を切ったが、彼が口から出任せの嘘八百を平気で並べ立てるのは国民の誰でも周知の事実だ。たとえ安倍氏と黒川氏との間に私的(利害)関係がないとしても、法律を制定すれば以後の誰でも法律を利用することが出来る。つまり国家の仕組みが法改正により変貌することを恐れる。
 安倍氏は何でも物事を矮小化する天才だ。武漢肺炎感染拡大により「緊急事態」を宣言して政府当局には感染症対策の医療物資を潤沢に補給し国民に届ける「義務」がある。その義務を「一世帯二枚のマスク支給」にすり替えて、不良品だの「村の鍛冶屋に軍艦を発注する」ような不透明な随契だの、実際に支払った金額が予算466億円の半分にも満たない疑惑、などの議論でマスメディアが国民を誤魔化している。

 「緊急事態宣言」を発出した本旨とするところは「緊急事態」と認識した「事態」を「緊急」でなくすために国民は何を為すべきか、そして政府・厚労省は時の権力として何を為すべきか、を明らかにすべきではないか。マスメディアはそのことを整理して明確に国民に伝える仕事があるはずだ。
 しかしアホノマスクの不備や不透明な「村の鍛冶屋に軍艦を発注した」随契にかまけて、現に存在すると政府・厚労省が認識した「緊急事態」がいかなるもので、それに対して国民が行うべき事柄と、政府が行うべき事柄の双方を詰めるべきではないか。

 検察人事に政権が関わることがあってはならない。63歳定年では65歳から年金受給の間の二年間の暮らしをどうするのか、との議論を提起した評論家がいるが、国民は高級官僚たちが定年の翌日から暇を持て余して庭いじりしているなどと決して思っていない。優雅に天下り先で新聞など読んで高給を食んでいる、と先刻承知だ。
 それともハローワークの窓口に高級官僚が定年の翌日から並んでいるのなら、後学のために是非とも教えて頂きたい。それが一般国民の姿だと、彼に教えてあげるつもりだ。

 心ある元検察総長は実名で定年延長の法案に反対を表明した。彼は現役時代に胸につけていた「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」バッジの重みを今も忘れてないようだ。
 安倍氏が便宜を図ろうとしている、との嫌疑をかけられた黒川某氏は潔く職を辞してはどうだろうか。それが「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」バッジに恥じない検察官の生き方ではないだろうか。

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