「防災」とは「災害対策」ではない。

土木学会や日本建築学会など防災に関わる58学会でつくる「防災学術連携体」は1日、新型コロナウイルスの感染が全国に拡大する中で自然災害が発生すれば感染爆発が起きる可能性が高くなるとして、感染症と自然災害の複合災害に備えることを求める緊急メッセージを発表した。2018年の西日本豪雨や昨年の台風19号など、近年は夏から秋にかけ水害や土砂災害に相次いで見舞われていることを踏まえ、「現実に複合災害発生の危機が差し迫っている。被害軽減のため、できることから備えを始めてください」と呼びかけた。
 メッセージでは、感染リスクを考慮した避難として、避難所の数を増やす▽消毒液などの備品整備▽感染の疑いがある人がいる場合は隔離――など公的避難所のウイルス対策を、自治体関係者に求めた。市民には、多くの人が集まる公的避難所では感染リスクがあるとして、知人宅への避難や自宅にとどまることなどを検討するよう促した。
 また梅雨明け後には、熱中症で基礎体力が衰えるとウイルス感染の重症化リスクも高まるとして、扇風機や空調機器を早い時期から準備しておくことなどを提唱。突然の大地震や津波、火山災害も想定し、家具の固定や防災品の準備など従来の対策を確認する必要があるとしている>(以上「毎日新聞」より引用)



 防災会議なるものが全国都道府県のみならず市町村に設置されている。それは毎年のように日本の各地が甚大な災害に見舞われて少なからず犠牲者を出しているからだ。
 だから「防災」が何よりも必要だが、現状は「防災」ではなく「災害対策」会議になってはしないだろうか。あるいは災害対策本部のような避難経路などの議論ばかりしていないだろうか。

 もちろん災害対策も充分に議論しておく必要はある。災害は人知や過去の経験を超えた事態を招くことが多々あるため、そうした場合でもいかに避難するかを議論しておくのは決して無駄ではない。
 しかし「防災」会議では「防災」つまり災害を防ぐ手立てを主題として話し合うべきではないだろうか。土砂災害で犠牲者を多数出している山国日本では砂防堰堤の設置や間伐材を放置しない、といった議論もすべきだろう。さらに急傾斜地や崖地などの危険個所に関して、いかにして急傾斜地を緩和するのか、崖地の危険個所の危険を取り除くための工事をどうすべきかなどを議論すべきではないだろうか。

 現在日本国民を感染症の危険に陥れている武漢肺炎などの海外からの感染ウィルスの防疫に対して、いかなる手立てを講じるべきか、国として「防災」を事前に充分に議論していたのだろうか。
 日本はオウム真理教によるサリンテロを経験している。そうした化学兵器や細菌兵器を使用したテロ対策は既に出来ていなければならない。化学兵器や細菌兵器に対処するマニュアルが政府にあって、危機管理室の設置と同時にマニュアルに沿って対策が打ち出せるようになっていなければならなかった。

 いかに凡庸で暗愚な総理大臣が民主主義の原則により選出されていようと、国外から細菌が持ち込まれようとしても、緊急に万全な対策が出来て決してドタバタしないようになっていなければならなかった。しかし現実は現在日本国民が経験している通りのドタバタぶりだ。
 官邸に設置された「新型コロナウィルス感染症対策本部」にいかなる面々が詰めているのか知らないし、いかなるマニュアルに従って行動しているのか知らないが、まさか場当たり的に安倍氏が勝手に指示を発しているのではないだろう。

 もしそうだとしたら、由々しき問題だ。国の「防災会議」は全く機能していなかったことになる。いかなる議題を「防災会議」は議論して、いかなる結果を生み出しているのか、国民は知らなければならない。
 緊急で即座に判断しなければ国民に甚大な影響が出る、といった事態に直面してドタバタしないように対策マニュアルが準備されていなければならない。たとえ暗愚にして無能な人物が総理大臣の椅子に座っていようと、間違いがないようにしておくべきだ。そしてかかる緊急事態に直面したならマニュアルを作成した「防災会議」のメンバーも「対策本部」に詰めるべきだ。もちろん防衛省の掛かる事態の専門家も詰めるべきだ。

 果たして「新型コロナウィルス感染症対策本部」がそうなっているのだろうか。初動の爆発的に広がる武漢肺炎ウィルスの防疫対策を見る限り、官邸にそうしたマニュアルも存在していないし、そうした人材も詰めていたとは思えない。
 安倍氏は「国家戦略」だのと大仰な言葉を多用するが、言葉の中身はことほど左様にスカスカだ。私はこのブログで夏休み返上で遅れた教育を取り戻せと書いた。そのためには今から全国の学校の教室にエアコンを設置せよ、と提言した。武漢肺炎の蔓延を考えるなら「ウィルス除菌機能」のあるエアコンの設置が望まれる。そうした手を次から次へと打つ「対策本部」でなければならない。政府・厚労省は安倍氏のボンクラぶりに、いつまで付き合うつもりだろうか。早急に「防災会議」の策定したマニュアルに沿った行動を開始すべきだ。もしマニュアルがあるのなら。

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