自宅待機を契機に日本の政治を真摯に考えよう。
<安倍晋三首相は7日、首相官邸で、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を受けた記者会見を開いた。首相は緊急事態宣言の発令理由について「全国的かつ急速なまん延には至っていないとしても、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」と説明した。
また「(現状の)5日で2倍のペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1カ月後に8万人を超える。全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減できれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」と感染拡大防止への協力を呼びかけた>(以上「毎日新聞」より引用)
安倍氏の緊急事態宣言で「すべては皆さんの行動にかかっている」とは白々しい言葉だ。「全国的かつ急速なまん延には至っていないとしても、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」と説明したが、いかなる根拠で「全国的かつ急速な蔓延に到っていない」と判断したのか。
そして緊急事態として、政府・厚労省は国民に対していつまでに何をするのか、が問われていることを忘れてはならない。「医療崩壊」という言葉で国民を脅すのを止めて、政府・厚労省の責任として適切な医療を国民に提供して国民の健康と命を守るのが政府・厚労省の責任だ。
一月二十日に武漢肺炎の感染患者が武漢市を中心として大量発生している、との報道がなされて以降、政府・厚労省は一体何をして来たのか。対中・空路や海路を閉鎖しないで春節で大量の中国人観光客をお粗末な「体温感知器」の防疫だけで受け容れ、全国に武漢肺炎ウィルスの蔓延を許してしまった。
そしてそれ以降に起きたマスクや消毒用アルコールの不足に対して供給確保を政府が能動的に動いた痕跡は見られない。現在もマスクは市中の店頭から姿を消したままだ。
政府・厚労省は「メニュー」を国民に提示するだけで、未だに「二枚の布製マスク」すら配られていない。緊急支援と称する「国民一人当たり10万円」の話は尻すぼみになり、「一世帯30万円」になったが、それにも様々な条件が付いて全国5800万世帯で給付されるのは1300万世帯程度だろうといわれている。
中小零細企業や飲食業者への支援策も手続きなどが煩雑化して即効性に乏しい。しかも100万円とか200万円とか、支給ではなく無利子無担保の貸し付けというから驚く。他の施策も推して知るべしだ、社会保険料などの支払いを一年程度「猶予」するとか、税金の支払いを一年程度「猶予」するとか、そうした「支払い猶予」も含めて100兆円を超えるリーマンショックを遥かに上回る「緊急支援対策」というから噴飯ものだ。
安倍自公政権には昨年10-12月期の消費増税によるGDPの年換算-7.1%ものデフレに陥っていたところに今回の武漢肺炎の感染拡大による世界的な「経済収縮」が起きている事態を認識できていないようだ。
リーマンショックは米国の「金融工学」と称する詐欺ローンの破綻を原因とする「捏造された信用喪失」による「金融資産のゴミ化」不況だった。つまり存在すると信用していた膨大な資産・カネが一瞬にして消え去ったデフレ不況だった。
それに対して現在起きている事態は中国を発生源とする武漢肺炎の感染拡大によるサプライチェーン破壊や消費活動の喪失による世界的な経済収縮による不況津波だ。それが日本の自動車企業に襲い掛かっているが、他の製造企業やサービス業に現れている。
今後は世界的な経済収縮による消費減少が顕著になり、世界的な景気後退から大不況が起きるだろう。原油価格の下落は米国の必死の働き掛けでサウジアラビアが減産に応じたため30ドル台を回復したようだが、今後も弱含みに推移するだろう。そうすると原油マネーの還流で国際的に資金が廻っていた流れが滞りがちになると想定するしかない。
幸いにして日本は貿易依存国ではない。大量の自動車を輸出しているではないか、と疑義を呈する人がいるかも知れないが、自動車を国内で生産しているのはほんの一部でしかない。だから自動車産業が世界的に収縮しても、日本の自動車企業は海外の生産拠点を閉鎖すれば良いだけで、日本国内の工場を閉鎖する必要はない。
日本経済の実に六割近くは国内消費が叩き出している。GDPの主力エンジンは個人消費だ。その個人消費を刺激すればたちどころにマイナスGDPはプラスに転じるはずだ。その特効薬が消費税廃止だ。そして国内の観光地や観光施設を活性化する特効薬は高速道路の「1日1,000円乗り放題」だ。かつて東日本大災害時に民主党政権が実施した施策により近場の温泉施設が家族連れのマイカーで賑わったことを覚えているだろうか。
今は外出自粛だから高速道路の千円乗り放題は施策としてそぐわないが、消費税廃止は消費拡大策として今から実施すべきだ。そうした実効性のある経済の反・収縮策を打ち出さなければ深刻なデフレが大恐慌を持たらしかねない。
大量失業は間近に迫っている。既に派遣切りが始まり、パート・アルバイトは仕事がなくなっている。やがて正社員までレイオフの嵐に見舞われる事態も想定される。日本経済のファンダメンタルを落としてきたのは「構造改革」と国際分業を推進してきた安倍自公政権だ。それを転換するのは困難だ、というのなら、安倍自公政権の「構造改革」「国際分業」に代わる「国民ファースト」「経済成長策」を中心とする「国民の生活が第一」の政治を理念とする政権に期待するしかない。政権交代を主張する根拠はそこにある。
また「(現状の)5日で2倍のペースで感染拡大が続けば、2週間後には1万人、1カ月後に8万人を超える。全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減できれば、2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」と感染拡大防止への協力を呼びかけた>(以上「毎日新聞」より引用)
安倍氏の緊急事態宣言で「すべては皆さんの行動にかかっている」とは白々しい言葉だ。「全国的かつ急速なまん延には至っていないとしても、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」と説明したが、いかなる根拠で「全国的かつ急速な蔓延に到っていない」と判断したのか。
そして緊急事態として、政府・厚労省は国民に対していつまでに何をするのか、が問われていることを忘れてはならない。「医療崩壊」という言葉で国民を脅すのを止めて、政府・厚労省の責任として適切な医療を国民に提供して国民の健康と命を守るのが政府・厚労省の責任だ。
一月二十日に武漢肺炎の感染患者が武漢市を中心として大量発生している、との報道がなされて以降、政府・厚労省は一体何をして来たのか。対中・空路や海路を閉鎖しないで春節で大量の中国人観光客をお粗末な「体温感知器」の防疫だけで受け容れ、全国に武漢肺炎ウィルスの蔓延を許してしまった。
そしてそれ以降に起きたマスクや消毒用アルコールの不足に対して供給確保を政府が能動的に動いた痕跡は見られない。現在もマスクは市中の店頭から姿を消したままだ。
政府・厚労省は「メニュー」を国民に提示するだけで、未だに「二枚の布製マスク」すら配られていない。緊急支援と称する「国民一人当たり10万円」の話は尻すぼみになり、「一世帯30万円」になったが、それにも様々な条件が付いて全国5800万世帯で給付されるのは1300万世帯程度だろうといわれている。
中小零細企業や飲食業者への支援策も手続きなどが煩雑化して即効性に乏しい。しかも100万円とか200万円とか、支給ではなく無利子無担保の貸し付けというから驚く。他の施策も推して知るべしだ、社会保険料などの支払いを一年程度「猶予」するとか、税金の支払いを一年程度「猶予」するとか、そうした「支払い猶予」も含めて100兆円を超えるリーマンショックを遥かに上回る「緊急支援対策」というから噴飯ものだ。
安倍自公政権には昨年10-12月期の消費増税によるGDPの年換算-7.1%ものデフレに陥っていたところに今回の武漢肺炎の感染拡大による世界的な「経済収縮」が起きている事態を認識できていないようだ。
リーマンショックは米国の「金融工学」と称する詐欺ローンの破綻を原因とする「捏造された信用喪失」による「金融資産のゴミ化」不況だった。つまり存在すると信用していた膨大な資産・カネが一瞬にして消え去ったデフレ不況だった。
それに対して現在起きている事態は中国を発生源とする武漢肺炎の感染拡大によるサプライチェーン破壊や消費活動の喪失による世界的な経済収縮による不況津波だ。それが日本の自動車企業に襲い掛かっているが、他の製造企業やサービス業に現れている。
今後は世界的な経済収縮による消費減少が顕著になり、世界的な景気後退から大不況が起きるだろう。原油価格の下落は米国の必死の働き掛けでサウジアラビアが減産に応じたため30ドル台を回復したようだが、今後も弱含みに推移するだろう。そうすると原油マネーの還流で国際的に資金が廻っていた流れが滞りがちになると想定するしかない。
幸いにして日本は貿易依存国ではない。大量の自動車を輸出しているではないか、と疑義を呈する人がいるかも知れないが、自動車を国内で生産しているのはほんの一部でしかない。だから自動車産業が世界的に収縮しても、日本の自動車企業は海外の生産拠点を閉鎖すれば良いだけで、日本国内の工場を閉鎖する必要はない。
日本経済の実に六割近くは国内消費が叩き出している。GDPの主力エンジンは個人消費だ。その個人消費を刺激すればたちどころにマイナスGDPはプラスに転じるはずだ。その特効薬が消費税廃止だ。そして国内の観光地や観光施設を活性化する特効薬は高速道路の「1日1,000円乗り放題」だ。かつて東日本大災害時に民主党政権が実施した施策により近場の温泉施設が家族連れのマイカーで賑わったことを覚えているだろうか。
今は外出自粛だから高速道路の千円乗り放題は施策としてそぐわないが、消費税廃止は消費拡大策として今から実施すべきだ。そうした実効性のある経済の反・収縮策を打ち出さなければ深刻なデフレが大恐慌を持たらしかねない。
大量失業は間近に迫っている。既に派遣切りが始まり、パート・アルバイトは仕事がなくなっている。やがて正社員までレイオフの嵐に見舞われる事態も想定される。日本経済のファンダメンタルを落としてきたのは「構造改革」と国際分業を推進してきた安倍自公政権だ。それを転換するのは困難だ、というのなら、安倍自公政権の「構造改革」「国際分業」に代わる「国民ファースト」「経済成長策」を中心とする「国民の生活が第一」の政治を理念とする政権に期待するしかない。政権交代を主張する根拠はそこにある。