「医療崩壊」という言葉で国民を脅してはならない。

 頻りと「医療崩壊」という言葉がマスメディアを賑わしている。それは武漢肺炎の感染拡大で感染患者を受け入れる病床が満杯になる、とか、医療従事者の手が足りなくなる、といった状態を指しているものだ。
 しかし「医療崩壊」という言葉は「医療」そのものが「崩壊」して手が付けられない状態に陥っているかのような誤解を与えかねない。医療現場のキャパシティーが足りないのなら、具体的に「病床」が足りないのか、医療従事者の数が足りないのか、具体的に指摘すべきだろう。

 東京都が「医療崩壊」に陥る寸前だとマスメディアはいう。当たり前だろう、従来の患者だけで満杯に近い状態が慢性化しているうえに、武漢肺炎の感染拡大だ。簡単に病院のキャパシティーを患者数が超えるには自然の成り行きだ。
 なぜ武漢肺炎の感染拡大を見越して、隔離病棟の確保を政府や都はして来なかったのだろうか。看護師に関しても、有資格者で医療に従事していない者を医療現場へ戻すべく人員募集を大々的に行っている、とのニュースにもこの二月以降に接したことがない。政府や都はマスメディアに悲壮な顔で登場して、国民に危機感のみを煽って、実際にやっていることは住所地にマスク二枚の配布だけだ。

 医療崩壊を煽る暇があれば、なぜマスメディアは「検査の完全実施」を叫ばないのだろうか。なぜ迅速な現金支給や消費税廃止を叫ばないのだろうか。
 まったく日本のマスメディアは政府の広報機関に堕してしまった。腐り切ったマスメディアが国民の「漠たる不安」を拡大感染させている。

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