IR疑惑の中国企業は捜査の対象外なのか。

カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は3日までに、衆院議員秋元司容疑者(48)=自民離党=への贈賄容疑で逮捕された中国企業側の容疑者が「現金を渡した」と供述した別の国会議員5人から任意で事情聴取したもようだ。一部議員は取材に事情聴取を受けたと認めた。
 関係者によると、5人はいずれも衆院議員で、自民党の岩屋毅前防衛相=大分3区=、宮崎政久法務政務官=比例九州=、中村裕之前文部科学政務官=北海道4区=、船橋利実氏=比例北海道=と、日本維新の会の下地幹郎元郵政民営化担当相=比例九州=。
 宮崎氏は「金銭の提供を受けたことは一切ない。地検にも説明し、納得いただいたと理解している」と文書で回答。中村氏の秘書は金銭提供を「ありません」とした。岩屋氏は4日、大分県別府市内で記者会見する。船橋氏と下地氏からは回答を得られていない。
 資金提供は秋元容疑者に300万円を渡したとされる2017年9月下旬に近接する時期で、企業側は5人への資金提供を電子機器に記録していた。中国企業は北海道留寿都村でのIR事業参入を目指しており、特捜部は、道選出の議員やIRに理解を示す議員らに取り入ろうとしたとみて、事実確認を進めているもようだ>(以上「時事通信」より引用)



 なぜ公職選挙でカネをばら撒く候補者が捕まり難いのか、それは公職選挙法に「贈収賄」事件は贈与者も収賄者も逮捕されるからだ。事件を告発した収賄者は逮捕されない、とすれば公職選挙でカネをばら撒く「贈収賄」事件に相当する選挙違反は激減するだろう。
 中国企業によるIR事業に絡んだ国会議員が次々と任意事情聴取され、金銭の授受に関して容疑が疑われている。それは中国企業からの情報リークのようだが、当の中国企業に対する捜査当局の動きは一切報道されないのは何故だろうか。

 しかも国際的な「司法取引」があっとも報道されていない。国会議員を買収したのは日本の代理人が勝手に中国企業とは無関係に買収資金を複数の国会議員にばら撒いたというのだろうか。
 もちろん、IR法に基づくカジノ誘致に便宜を図ることを意図したカネを受け取るのは由々しき問題だ。しかも外国企業からの買収に応じるとは日本の国会議員として失格の烙印を押すのは当然だ。

 だが、それなら安倍氏がトランプ氏の歓心を買うために行っている米国製のポンコツ兵器を爆買いしているのも国家間における「収賄」の犯罪に当たらないのだろうか。それだけではない、トランプ氏が大統領選当選直後に50万円ものパターをプレゼントしたのは法に抵触しないのだろうか。
 それは安倍氏個人からのプレゼントなら法に抵触するが、首相として当然の交際費用だとして法に抵触しない、というのなら、その根拠となる法令を示して頂きたい。一事が万事、政治家が公的な立場からプレゼントを贈ったり、頂戴しても罪に問われない、という土壌が国会議員に心に醸成されている、としたら大問題だ。

 IR法に関しては側聞するところ、トランプ氏の最大のスポンサーがラスベガスのカジノ経営者であり、彼の日本進出の意を汲んで安倍氏がIR法の成立を急いだとの政界裏話も流れている。もしかするとIR法の成立にトランプ氏からヤイノヤイノの催促があったのかも知れない。
 最初からカジノ利権をラスベガスのカジノ経営者に与えるのを目論んで進めたIR法だったのかも知れない、との疑惑は指摘されていた。だから中国企業がカジノ利権に触手を伸ばして、「当局」の怒りを買ったのかも知れない。もちろん「当局」とは魑魅魍魎が跋扈する安倍官邸のことだ。

 「中国企業側は5人への資金提供を電子機器に記録していた。中国企業は北海道留寿都村でのIR事業参入を目指しており、特捜部は、道選出の議員やIRに理解を示す議員らに取り入ろうとしたとみて、事実確認を進めている」との記事を見る限り、逮捕された秋元氏と5人の国会議員に関して、贈与側の言質は取ってあるようだ。
 しかし中国企業に対する捜査を特捜部が中共政府に依頼したとの事実関係が報道には一言も出ていない。それは何故だろうか。

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