むつみ演習場のイージス・アショアは日本の防衛に役立つのか。

防衛省は17日、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備に関し、山口県の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市、阿武町)が周辺地域で唯一の適地とする再調査結果をまとめた。5月に地元に説明した適地調査に不備が見つかり、再調査していた。地元は導入に難色を示しており、理解が得られるかは不透明だ。
山本朋広防衛副大臣が同日、山口県庁を訪れて再調査結果を説明した。国土地理院のデータと異なっていたレーダーの設置場所近くの高台の標高は、航空機を用いてレーザー測量した。
再調査の結果、イージス・アショアの設置場所と高台との角度がもっとも大きくなる地点は7.6度だった。防衛省は弾道ミサイルの探知には高台との角度を約10度以下にする必要があると説明していた。
イージス・アショアが発する電波による健康被害はないと判断した。有識者らによる専門会議の議論を踏まえて「最も強いレーダー波を仮定しても、人体に影響はなく、安全だ」と結論づけた。
政府は国内にイージス・アショアを2基導入する方針を決定している。候補地を巡っては、むつみ演習場ともう1カ所の候補地、陸自新屋演習場(秋田市)でそれぞれ「適地」と判断した際の調査に不備が見つかった。新屋演習場関連の再調査は来年3月ごろに終わる見通しだ。政府は新屋を含む20カ所の候補地を「ゼロベースで見直す」と表明している。
イージス・アショアは弾道ミサイルが北朝鮮から発射された際に、高い高度で迎撃する役割を担う。北朝鮮が今年5月以降に短距離弾道ミサイルを含む飛翔(ひしょう)体を13回発射していることを受け、ミサイル防衛体制の強化が急務になっている。
現時点で地元の理解が得られていないため、防衛省は2020年度の当初予算案に敷地造成や建屋建設など、特定の配備地を前提とする予算を計上しない>(以上「日経新聞」より引用)



 山口県の自衛隊むつみ演習場にイージス・アショアを設置しようと、防衛省は現地説明会に躍起になっているようだ。しかし阿武町は町長をはじめ、議会も「反対派」が過半数を占めている。
 おそらく官邸で安倍氏は「保守王国」の地元で、これほど反対されるとは思っていなかっただろう。国民はイージス・アショアは秋田県と山口県だけの問題だと無関心のようだが、それらに数千億円もの予算を投じることになる事業だということを忘れてもらっては困る。

 イージス・アショアは北朝鮮のミサイル攻撃に備える限りは日本の防衛に無用の長物だ。なぜなら地球が丸いからだ。それでも遠く離れていればミサイルが飛翔しているのを早期に発見してミサイルで迎撃できるかもしれない。
 しかし北朝鮮と日本は600キロメートル程度しか離れていない。東京ですら1000キロメートルほどだ。それなら北朝鮮から発射されたミサイルは七分程度で到達することになる。イージス・アショアで発見した段階で、既に北朝鮮のミサイルは高度数百メートルに達した段階で初めて捕捉できる。なぜなら地球が丸いからだ。

 だから日本はイージス艦を日本海に派遣して、絶えず北朝鮮のミサイルを監視している。日本海上の北朝鮮に近いところで監視していれば、発射した段階で捕捉可能だ。迎撃するのに充分とはいえないまでも、数分程度の時間はある。
 しかし陸地のイージス・アショアは日本の防衛のための情報収集というよりも、米国本土防衛のための情報収集に過ぎない。ハワイに設置された米軍のイージス・アショアよりは日本に設置されたイージス・アショアの方がより早く北朝鮮のミサイルを捕捉できる。それも地球が丸いからだ。

 安倍氏は正直になるべきだ。阿武町のイージス・アショアは日本防衛のためではなく、米国本土防衛のために設置する、と正直に説明すべきだ。誤魔化してむつみ演習場にイージス・アショアを設置したところで、同じ日本国民を騙して米軍様のための施設を設置したという心苦しさに苛まされないで済むだろう。
 それとも、苛まされるほどの良心の痛みは露ほども感じない鉄面皮になっているのだろうか。七年間も疑惑だらけの政権を維持して来た「功労」と「功績」は認めよう。だからといって、安倍氏を招待する政権が安倍氏以後に出来るとは限らないが。

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