腐り切った安倍官邸と官僚たち。

<首相が主催する「桜を見る会」の今年の招待者名簿を、内閣府が野党議員から資料要求のあった5月上旬に廃棄した問題で、電子データのバックアップが少なくとも6月上旬ごろまでは残っていたとみられることが3日、内閣府への取材で分かった。データを取り出せたとみられる5月21日の国会で、内閣府幹部は「既に破棄した」と答弁。バックアップを確認していなかった可能性が高く、国会軽視との批判が強まりそうだ。

 内閣府のシステム担当者は3日、共同通信の取材に「電子データを廃棄してもバックアップから取り出せた可能性は高いが、庁内から依頼はなかったと認識している」と回答した>(以上「共同通信」より引用)


 よほど招待客名簿が出ては都合が悪かったのだろう。そんな杜撰で違法な行為を内閣府はしていたということだろうし、安倍官邸は内閣府に対して「データを出せ」と命じなかったのも同罪だ。
 本当は逆なのだろう。安倍氏及び官邸に巣食っている仲間たちが法的に不都合な行政を執行していて、その証拠が白日の下に晒されてはならないと忖度した愚かなヒラメ官僚がデータを破棄したのだろう。

 しかし、いずれにせよ、官邸の疑惑はいよいよ濃厚になる。そして文書主義に則って仕事をしているはずの官僚たちが、実際は実に好い加減な仕事をしていることが明らかになった。これは由々しき事態だ。
 もしもこれが軍隊での出来事ならば、憲兵隊が動いて「軍法会議」に掛けられて然るべき事案だ。国家官僚に憲兵隊に相当する機関がないため、官僚たちはやりたい放題だ。そして高級官僚の人事権を官邸が握ってしまったことから、政権の暴走を止める官僚たちの「国民への奉仕」精神までも「官邸への奉仕」精神に変節してしまったようだ。

 人は極めて弱い存在だ、とつくづく思う。立身出世のためなら官僚の存在証明ともいうべき「文書」を改竄し破棄する。そして真実を語らず、ご都合主義の答弁を繰り返す。官僚機構に憲兵隊手が存在しないために、粗悪な官邸が人事権を握れば官僚までもどこまでも堕落するようだ。
 腐り切った政治家とその腐敗に感染した官僚たちを官邸から一掃しなければならない。国民に憲法遵守精神があるなら、腐り切った官邸を総入れ替えするために政権交代するしかない、と覚悟を決めなければならない。政治家でも官僚たちでも官邸を浄化できないのなら、後は総入れ替えしかない出来ないか。

 ただITに詳しい人なら安倍氏の国会答弁は馬鹿げている、と気付いたはずだ。なぜならシンクライアント方式は完全なデータ消去が困難な方式だからだ。記憶しておく場所が単なる中継サーバーなら消去できるが、シンクライアント方式で現在も稼働中ならデータは確実に残っていることを知っているならだ。
 シンクライアント方式で管理している記録を敢然破棄するには電動ドリルなどで物理的に破壊するしかない。そうすれば保存すべき他のデータもすべて破壊されることになる。だから「桜を見る会」の名簿データは他のデータと共に残っていることになる。
 野党議員はシンクライアント方式で管理している委託先へ「桜を見る会」の名簿記録を提出するように議長に要請すれば良い。安倍氏は知りもしない「シンクライアント方式」で管理している記録を破棄したから復元不可能だ、と答弁して墓穴を掘った。

 だが、官僚がいかなる文書であろうと、改竄し破棄してはならない、というのは公務員としてのイロハの「イ」だ。そうした事態が罷り通るのは政治と官僚の腐敗以外の何物でもない。
 たとえるなら、それは国民は納税の証憑を一年以内に破棄しても良いし、納税データを税務調査に入るとの連絡を受けたら、その日にすべてのデータを削除し復元不可能にしても構わない、ということを官邸が教えているのと同じだ。
 そうした国で法律が正しく執行され、社会秩序が保たれるだろうか。日本国家の最高権力の府で起きている事態を軽く見てはならない。日本の統治機構そのものの軽重が問われている。

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