中国史は繰り返す。

<安倍晋三首相は23日、中国の習近平国家主席と北京の人民大会堂で約45分間、会談した。
 挑発的姿勢を強める北朝鮮情勢について、両首脳は朝鮮半島の「完全な非核化」に向けて連携し、国連安全保障理事会決議の完全な履行が重要との認識で一致した。首相は沖縄県・尖閣諸島沖への中国公船の侵入や香港情勢を提起した。

 北朝鮮をめぐり、習氏は中国とロシアが提案している制裁緩和への支持を求めた。首相は、拉致問題の早期解決への支持を訴えた。

 首相は、尖閣諸島周辺を含む東シナ海での中国の活動に懸念を表明。これに対し、習氏は防衛当局間の連絡メカニズムの構築などに取り組む考えを示した。

 また首相は、中国で拘束された邦人の早期帰国や、日本産食品の輸入規制の早期撤廃を要請。民主派によるデモが続く香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権問題についても提起したが、習氏は「中国の内政問題」との従来の認識を強調した>(以上「時事通信」より引用)


 安倍氏が中国の習近平氏に接近しているのは「企業利益優先」の経済界の要請を受けてのものなのだろうが、決して賛成できない。現に中国へ進出した企業も現地の企業利益を日本へ送金するのを極度に制限され、自由な経済活動が出来なくなっているではないか。
 それでも中国を「14億人の市場」とみなす企業経営者はどうかしている。そして中国が経済規模を大きくするのと相俟って、軍拡を続けていることを安倍氏は知っているはずだ。つまり中国の経済成長は日本への軍事的脅威の増大でしかないという相関関係を十分に認識すべきだ。

 上記記事では安倍氏がウィグル人やチベット、さらに香港への人権問題を提起したら、習近平氏は「国内問題だ」と内政干渉すべきでないと拒否したようだが、人権弾圧は中国の内政問題であると同時に「国連憲章」で謳われている人権尊重を踏み躙る「国際問題」でもある。安倍氏は踏み込んで「国連安保理常任理事国たる中共政府の中国トップが国連憲章を知らないはずがないだろう」と批判すべきだった。
 たとえ習近平氏の機嫌を損ねても、それがどうしたというのだ。日本政府はチベット人やウィグル人や香港住民の味方である、と国際社会に印象付ける方が日本の利益に適っている。中国「市場」で一儲けしようとする企業の番頭になって働くのを止めるべきだろう。

 そうした一方で安倍氏が尖閣諸島周辺を含む東シナ海での中国の活動に懸念を表明したのに対して、習氏は防衛当局間の連絡メカニズムの構築などに取り組む考えを示したという。従来ならば木で鼻を括ったように「尖閣諸島は中国の領土である」と紋切り型の返答しか返って来なかったが、習近平氏は「防衛当局間の連絡メカニズムの構築などに取り組む」と応じたことは、無用の衝突を避ける、という意味だろうし、尖閣諸島は日本の統治下にあることを認めたことでもある。
 それも経済的に行き詰まり、習近平氏が独裁強権統治で何とかバブル崩壊を防いでいるギリギリのところにある証拠だ。米中貿易戦争で第一段階の規制緩和の糸口を見つけたといえども、それは従来輸入していた農産品の規制を解除したに過ぎない。本質的な米中貿易戦争の争点「知的財産保護や技術保護」などはこれからの交渉案件だ。米中貿易戦争がこれからどうなるか予断を許さない段階にあることは依然として変わらない。

 だから以前は安倍氏と握手する際でもソッポを向いていた習近平氏が気色悪いほど笑みを浮かべて安倍氏に向き合っているのだ。習近平氏は日本の援助が欲しくてたまらない。日本の経済協力が欲しくてたまらない。そしておそらく中国のバブル崩壊を止めてくれるノウハウを日本に期待しているのだろうが、日本以下のGDPならまだしも、日本の倍に達したGDPの巨塔が崩壊するのを防ぐ経済力は日本にない。
 中共政府の中国は資本主義市場で大きく成長した。しかし資本主義の本質たる「自由市場」を中共政府の中国は無視し過ぎた。そして自由市場は自由主義の産物であることを習近平氏は知らなさ過ぎた。おそらく中国の多くの経済人たちは自由市場も自由も理解しているはずだ。自分たちを養ってくれる間はいかなる政権も受け容れる、というのが中国民のあり様だ。だから歴史的にモンゴロイドの「元」支配も甘受したし、満州族の一つ女真族支配の「清国」も受け容れた。しかし政権が自分たちを養ってくれない、政権が政権権力者たちの収奪のみにかまけている、と判断したなら、群衆が巨大な津波となって政権一族に襲い掛かり、一族を追放し虐殺して来た、というのが中国の歴史だ。

 おそらく中国は同じ歴史を繰り返すだろう。中共政府の中国も過去の歴代政権と同様で、一歩たりとも進歩していない。ジニ指数が0.6に近い社会で革命が起きていないのが不思議なくらいだ。
 しかし間違いなく、中国は崩壊する。いや既に株売却を禁止し、海外送金を制限し、預金引き出しを統制している中国は終わっている。終わっている中国を支えている柱の一つが「中国で儲けよう」とするシロアリのような外国資本だ。その外国資本の一つに日本企業もなろうとする経営者は既に中国民の敵でもある。中国バブルの崩壊は多くの評論家が予測している。分かり切ったバブル崩壊の地へ経済進出する日本企業は中国バブル崩壊による損失を覚悟してのことだろうから、バブル崩壊による社会治安の極度の悪化も織り込み済みなのだろう。パナソニックの現地工場が遭遇した反日焼き討ちなどとは程度の異なる暴徒による略奪があっても、甘受する覚悟の上での進出なのだろう。そのことをこのブログで念を押しておく。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。