やっと産経新聞もMMT理論を理解したようだ。

今や日本の財政収支状況は国際標準からすれば「優等生」の部類に入ることをご存知だろうか。
 グラフは、日米と先進国平均の一般政府(中央、地方の各政府と社会保障基金の合計)の財政収支の対国内総生産比と実質経済成長率の推移である。国際通貨基金(IMF)が発表した経済アウトルックから作成したもので、日本の財政収支赤字のGDP比は今年3%、2020年2・2%、24年2%と着実に縮小している。いずれも先進国平均のそれぞれ3・8%、3・6%、3・3%を下回る。米国となると、それぞれ5・6%、5・5%、5・1%と日本を大きく上回る。
 日本の財務省やメディアは国家財政を家計簿と混同し、財政赤字を絶対悪だとみなす考え方を国民に押し付けている。そんな連中にしてみれば、IMF予測は「不都合な真実」なのだろう。財務官僚は無視を決め込み、財務官僚のブリーフィングに頼るワシントン特派員が多い日本のメディアは一行も触れなかった。
 そもそも財政赤字はなぜ「悪」なのか。財政の均衡化、すなわち財政収支をなぜゼロまたはプラスにしなければならないのか。筆者の記憶にある限りではあるが、財務官僚も財務省の御用経済学者もメディアからも、まともな見解を見聞きしたことがない。「まともな」という意味は、経済学上理にかなっているという意味である。
 財務官僚はひたすら、国家財政を家計に例えて、赤字はよくないという印象をメディアの論説委員に刷り込ませてきた。国家会計を家計簿と混同する国は世界の中で日本だけである。もし、米国の政府高官がそんなことを言えば、即刻、トランプ大統領から「お前はクビだ」と言われるだろう。議会もメディアも黙ってはいないはずだ。
 国家の財政は税や国債によって民間から吸い上げるカネを再配分することによって経済のパイを大きくし、安全保障・外交を揺るぎないものにする役割がある。家計はもとより収入の範囲内で支出を行うことしかできない。家計との同一視は国を滅ぼす道である。
 財政収支赤字が問題になるときは、高インフレの懸念が金融市場で高まり、金利が高騰する場合で、経済は混乱し、不況になってしまうが、今どきそんな国はごくわずかだ。トランプ政権の米国はグラフが示す通り、財政赤字の水準は日本をはるかに凌駕(りょうが)する。だが、インフレ率は低く、名目金利から実質金利を差し引いた実質金利はゼロに近い。トランプ政権は経済成長を促すためには大型減税、インフラ投資など財政の活用をためらわないのだ。
 グラフをもう一度見よう。先進国中、実質経済成長率がどん尻なのは、「財政優等生」の日本である。経済の成長を犠牲にし、消費税増税や公共投資など財政支出の削減政を優先しているからである。IMFは日本の緊縮財政路線が今後も続くとみているようだ。日本の年平均実質成長率は1997年から2018年の間、0・7%程度である。それが今後さらに0・5%へと下がる>(以上「産経新聞」より引用)


 我が目を疑う。なにしろ産経新聞が上記記事を掲載したのだから。これまで財務省の広報機関を演じて来た「財政均衡論」の本家のようだったマスメディアがMMT理論さながらの財政と経済成長の関係を主張し始めたのだから。
 上記記事は産経新聞の田村秀男氏が書いたものだが、正鵠を得ている。財務省が打ち出す政策はすべて経済成長し、国民が豊かになるためのものでなければならないし、断じて「国庫」を潤すだけのものであってはならない。私は常々日本のGDPが低いと批判して来た。政府は0%台でもプラスなら良いかのような答弁をして来たし、マスメディアもプラスなら問題ないかのような論陣を張ってきた。

 しかし私は何年も世界GDPの平均成長率に劣る成長しかしていないのは「衰退」であると批判して来た。安倍氏は二次政権当初は二年後2%成長を掲げていた。しかしその目的は七年経った今も達成されていない。
 この間、世界経済の平均成長率が3.3%前後だったことを考えれば、日本経済は相対的に3%ほど毎年衰退してきたことになる。その積もり積もった衰退が国土すら強靭化できない災害列島として結果が現れている。

 多摩川支流の秋川の幅17メートルもの河川敷を侵食して家屋の土台を洗い流した災害はまさしく「人災」そのものではないか。水が減って露わになった中州には堂々とした木まで生えているではないか。それで川としての役割が満足に果たせるほわけがない。
 なぜ定期的な浚渫を怠り、堤防の強靭化を図らなかったのだろうか。土を積み固めただけの堤防では雨水を含めば強度は急速に落ちるし、いったい越水すれば止めなく堤防は崩れ去る。まさしく国土強靭化を怠ったツケを目の当たりに見たわけだ。

 財務官僚が主張し、マスメディアや愚かな評論家が「財源が~」と民主党政権の政策を批判していた連中はMMT理論を全く知らない経済学の門外漢たちだった。その経済学の門外漢たちがテレビなどで大きな顔をして経済を語っていた。バカバカしくなった私はテレビを捨てた。
 日本国民はマスメディアとりわけNHKに洗脳されている。「家計簿に国家財政を例えるなら~」といった愚かな比喩をテレビで何回見たことだろうか。そもそも貨幣発行権のない家計簿と貨幣発行権を持つ国家財政は全く異なる。そうした根本から間違った論理のすり替えをマスメディアは何度も何度も国民に叩き込んだ。

 そして消費増税10%も国が赤字なら仕方ないわね、とノタマウご立派な主婦やサラリーマンや学生たちを大量生産した。彼らは家計簿と国家財政の違いが基本的に何も解っていない。なぜMMT理論を少しでも読もうとしないのだろうか。
 基本的に「貨幣は貯金を担保に発行されるのではない」ということを理解すべきだ。銀行は万年筆マネーという「貨幣」を発行する。そこには貯金の担保など何もない。あるのは「信用」だけだ。日本には国際的な「信用」がある。だから国債発行残が1,000兆円を超えようと、円は暴落しない。

 金利はインフレによって決まる。貨幣の発行量は経済成長との見合いで決まるべきだ。だから財務省は個人消費を失速させる消費税を止めて、国土強靭化やしょん量安全保障のためなどに農家への補助金を支出すべきだ。
 政策なくして果実は実らない。なぜ法人税減税を行ったのか。その財源は、と安倍自公政権に野党は詰問すべきだ。それよりも必要なのは企業へのUターン投資減税であり、技術・研究費減税だ。そうした政策なくして日本経済の成長はあり得ない。

 「国民の生活が第一」の政治を実現させるのが、政治の本来の使命だ。頭でっかちの脳味噌なしに堕した御用経済評論家たちは総退陣すべきだ。彼らの嘘八百は百害あって一利もない。経済成長路線に政治の舵を切るべきだ。

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