トランプ氏は再選を投げ出すのか。

ウクライナ疑惑とはひとことで言えば、トランプ大統領が今年7月にウクライナのゼレンスキー大統領に電話し、来年の米大統領選で最大のライバルと目されるバイデン前副大統領と息子のスキャンダルを捜査するよう要求したというものだ。
引退してテレビ局経営者に?
しかも、トランプは軍事援助と引き換えに、ウクライナ側に言うことを聞かせようとしたとされる。高官たちの長時間の宣誓証言から見えてきたのは、トランプが次第に脅しを強めていった経緯だ。
米駐ウクライナ代理大使のビル・テイラーと元ホワイトハウス高官のフィオナ・ヒルが下院で行った証言によれば、トランプ側はまず、バイデン親子への捜査を正式に開始しなければ、ゼレンスキーが望むホワイトハウスでの首脳会談はナシだというメッセージを明確に伝えた。ゼレンスキーはこの求めに応じず、会談は実現しなかった。
すると、トランプは脅しを強めた。要求に従わなければ武器支援を行わないとの意向を示し、それでも相手が従わないとみるや、捜査を始めなければ4億ドル近い軍事援助も行わないとはっきり伝えた。
2人の高官が宣誓証言で嘘を述べていない限り、現職のアメリカ大統領が選挙を自らに有利に運ぶ目的で外国指導者の力を借りようとし、そのために露骨な脅しをかけていたことになる。
野党の民主党がトランプの大統領罷免に向けた弾劾裁判を開始すること自体は難しくない。弾劾裁判を開くかどうかを決める下院は、民主党が過半数を占めている。
しかし、トランプを失職させるには、上院で3分の2以上の賛成を得なくてはならない。このためには20人以上の共和党上院議員が造反する必要があるが、共和党員はおおむねトランプ支持で一致結束している。一方、トランプ自身は、毎度のことながら自分への批判を「魔女狩り」だと罵り続けている。
もっとも、トランプがかつてないピンチに直面していることは間違いない。弾劾プロセスが本格化すれば、弾劾に値するような行動がさらに明るみに出るだろう。
最後に、私の思い切った予想を披露しよう。トランプは、来年の大統領選への出馬を取りやめる。共和党員がトランプに愛想を尽かす可能性もあるし、大統領選不出馬と引き換えに疑惑追及を停止することで「ディール(取引)」がまとまる可能性もある。そして、トランプは4年間の政権が大成功だったと自画自賛し、ついに自分のテレビ局を設立する......かもしれない>(以上「MEWSweek」より引用)


 上記引用記事はNEWSweekに掲載されたサム・ポトリッキオ氏のコラムだ。表題は「トランプ大統領は政権を投げ出す」というものだ。穏やかなものではないが、ここ数日真実味を増している。
 トランプ氏は必死でIS指導者の殺害や米中貿易戦争の会談予定などを公表して、大統領罷免に向けた弾劾裁判を開始を引き延ばそうとしている。しかし確実にトランプ氏に対する包囲網は狭まっているようだ。

 確かに民主党が仕掛ける弾劾裁判が成立する見通しはない。なぜなら「トランプを失職させるには、上院で3分の2以上の賛成を得なくてはならない。このためには20人以上の共和党上院議員が造反する必要があるが、共和党員はおおむねトランプ支持で一致結束している」からだ。
 しかし来年の大統領再選を狙うトランプ氏の再選戦略は極めて困難なものになるだろう。だからサム・ポトリッキオ氏はトランプ氏が再選を諦めて、引退してテレビ局運営に乗り出すというのだ。

 トランプ氏が再選を諦めるとどうなるのか。民主党の最有力候補ウオーレン氏の政策はまだ明らかになっていないが極めて強硬なイデオローグとして知られている。しかし、歴史的に民主党は対中政策は穏やかな路線を取って来た。再びオバマ氏時代のような対中融和が打ち出されるとしたら、日本はあまり歓迎できないだろう。
 米国民は富裕層に富が集徴する現状にウンザリしている。ウォーレン氏は大企業の解体を目指し、具体的な企業名まであげて国民に訴えている。しかし、それは新たな分断を米国にもたらしかねない。ウォーレン氏の最大の問題点は国民皆医療保険の導入と同時に民間医療保険の廃止にある。それは保険企業の最大利権を剥奪することになるからだ。

 共和党はオバマ氏が中途半端に導入した医療保険制度を停止しようとしている。しかし民主党は日本の医療制度をお手本とした国民皆医療保険制度の導入に踏み切ろうとしている。そうしなければ医療を碌に受けられない貧困層の悲劇が根絶できないからだ。
 富裕層本位で動いて来た米国の政治がウォーレン氏の登場で大きく変わろうとしている。これからもイデオローグを前面に打ち出すウォーレン氏は困難な局面に立たされるだろうが、ハーバード大学法科大学院元教授で頭脳は明晰、経済にも精通し、ライバルのジョー・バイデン前副大統領よりはるかに分かりやすく、演説はカリスマに満ち、集会などでは有権者の質問に素晴らしい回答ぶりを見せるウォーレン氏は幾らでも軌道修正をするだろう。少なくともトランプ氏よりは米国大統領らしい大統領になるだろう。

 トランプ氏は弾劾裁判を避けたいようだが、もはや出来ない相談だ。そうすると「大統領選不出馬と引き換えに疑惑追及を停止することで「ディール(取引)」がまとまる可能性もある」ということのようだ。
 早くも米国は来年の大統領改選へ向けて大きく動き出そうとしている。余り日本のマスメディアは報じないが、それは日本にとって大きな影響を持つ問題だ。日本でも安倍自公亡国政権を一日も早く倒して、「国民の生活が第一」の政権に替えなければ、日本は衰亡しかねない。

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